人事院月報 2025年8月号 No.912
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している。公務の人材確保において、応募や定着率が減っているとの話があったが、どの層にターゲットを絞るかを明確にすべきで、新卒と中途の別や、年代によっても異なると思う。採用について、キラキラした職場とか、社会貢献しているとアピールすると応募は増えるが、社員の定着率は上がらない。定着率を上げるためには、別のアプローチが必要になる。現在は、SNSのように誰もがアクセスできるツールがあり、この会社は本当はどのような場所なのか、どのような仕事ができるのかといったことは、容易に情報として手に入る時代なため、当社では、インナーマーケティングや社内コミュニケーションを強化している。が理由ではないか。公務のブランディングを行う際には、各府省の特徴を魅力としてもっと発信する必要がある。弁護士業界では、学生に法律に興味を持ってもらうことを目的として、弁護士が学校に出向いて法律の授業をする出前授業を行っている。人材確保のため、公務の仕事は重要でダイナミックであるという価値や魅力を積極的に伝えることが重要であり、出前授業のようなものを増やせば良いと思う。官と民にはそれぞれ特徴がある。公務は公平性や透明性が必要である一方で、民間企業は一定の利益追求が目的である。官民で協業する場合には、公務が、公平性、透明性を備えたコーディネーションを行う必要があり、それが公務の専門性になるのではないか。それをブランディングにつなげられると良いのではないか。公務の志望者を増やすためには、例えばYouTubeに一日の仕事に密着した動画をアップしてはどうか。公務員の働き方には、「上司と部下の間に挟まれ、仕事は激務で、生命のリスクもある」といった負のイメージが一部にあると思うが、「国の大きな仕事をさせてもらえる」といったダイナミズム的なものを積極的に発信して良いイメージを持ってもらい、戦略的なブランディングを行っていくことで、採用者数が増加していくような方向になれば、国の将来にも夢や希望が持てるのではないかと思う。公務も悩みは民間企業と共通していると実感した。若者の労働観の変化や価値観の多様化に対応する制度設計が必要だと思う一方、公務と民間が変わらなくなってきており、疑問に感じている。「公」とは何か、もう一度捉え直した方が良いのではないか。民間企業も公共性や社会貢献をという話が広まり、公務と民間の垣根がなくなり、公務と民間の志望者が重なるようになったと思う。社会のために公務でなければできないことは何か、整理と深化が必要だと思う。ターゲット層について大事なのは、どこをターゲットとしてマーケティングを行うかであり、当社でも商品を売る際はマーケティングを重視○○○○2025 8月号 人事院月報    14

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