ii.nln人事院月報 No.912新たな公務員人事管理に関する勉強会委員による寄稿人事行政報告 参考資料」総合職試験採用職員の退職状(注3)人事院「令和五年度況について」(注4)人事院「令和三年度年次報告書」図1-34kokkakomun_20240220/.todaorg/ishmbun(注1)人事院「人事行政諮問会議最終提言 (注2)東大新聞オンライン「総合職合格者は八年で一九三人減。現役東大生、霞が関への「壁」の実態──東大生×国家公務員①」二〇二四年二月二〇日。https://wwwji..ji..jijiji-etc/koumu_benkyoukap/seisaku/gohttps://wwwhtm「新たな公務員人事管理に関する勉強会」の資料や議事要旨は、人事院HPに掲載しています。(注4)によると、国家公務員としていつま候補として採用された国家総合職採用者のうち、五分の一から四分の一程度が早期に離職している現状は人事管理の大きな問題である。の意識も変化しつつある。人事院が実施している総合職新規採用職員へのアンケートで働きたいかという質問に対して、「定年まで公務員を続けたい」と回答した割合は、二〇一七年度が五四・五%だったのに対し、二〇二一年度は三五・二%に大きく低下している。また、「若いうちに転職を考えたい」は一・九%から五・二%に、「条件が合えばいつでも転職を考えたい」は七・六%から一一・六%に、「分からない」は一七・四%から二八・二%に増加しており、転職を意識したり、定年まで働くかどうかは不確実であると捉える若手が増えている。いて省庁の官僚という職業は、立身出世を志す若者にとって憧れのキャリアであった。しかし、ここ十数年でその人気は徐々に低下し、現在でも一定の地位は保っているものの、新卒労働市場の頂点に位置する職業ではなくなってしまった。民間の景気国家公務員という職業に対する若い世代明治時代から長きにわたり、我が国にお動向次第で一時的に人気が持ち直すこともあるかもしれないが、政官関係と官僚の役割の変化、少子化に伴う労働力人口の減少、民間に準拠した給与水準の決定方式、天下りの規制等の諸要素を踏まえると、官僚という職業が再び労働市場における最上位の地位を取り戻す可能性は低いと考えられる。かつてのように霞が関が優位な立場にあった時代には、負担の大きい採用試験、人事部門主導の配置転換、長時間労働といった、組織の都合を優先した人事管理や労働環境であっても、優秀な人材を確保することができた。しかしながら、近年はその地位の低下に加え、民間部門の働き方の変化が進み、従来型の人事管理の課題が採用・離職の面で顕在化している。公務に今後も有為な人材を引き続き確保していくためには、組織の論理を優先した「人事管理」から、働き手に寄り添った「人的資源管理」への転換が求められているのではないか。25
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