人事院月報 2025年8月号 No.912
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−0.118−0.002 −0.114−0.011*** 0.006**−0.192−0.286**−0.067−0.052−0.347*** −0.073 −0.095−0.069**−0.0312 重回帰分析まず、手法としては重回帰分析を使用します。これは、ある結果に対して複数の要因がどのように関係しているかを考察する統計的手法です。この際、「結果」は目的変数、「要因」は説明変数(目的変数の変化を説明する変数)と呼ばれます。また、要因の影響を精緻に分析するために、他の条件を揃える意味で設定する変数をコントロール変数と呼びます。したいとき、「売上」が目的変数になります。そして、売上に影響を与えると分析者が考える「値段」・「広告量」などを説明変数とします。そして、値段や広告の影響を精緻に分析したい場合に「気温」・「曜日」等をコントロール変数として設定します。⑴ ています。具体的には、転職意向、仕事への熱中度、職場への満足度です(※2)。これらを、人材の定着や生産性などに関連する指標と考えます。では、早速分析の中身に入っていきます。例を挙げれば、あるアイスの売上を予測設定する変数目的変数は、今回三つをそれぞれ設定しコントロール変数として、表1のとおり、────2025 8月号 人事院月報0.1090.1690.0190.295*** −0.010 −0.062*0.0120.116−0.0590.0750.784**−0.0970.0030.0360.0590.1920.0290.333**0.100*** 0.126***0.351*** 0.241***0.1170.1370.1730.257**−0.046 −0.0720.0530.1750.1120.1550.197−0.335−0.140 −0.037表1重回帰分析の結果(当初):基本モデルダミーのリファレンス男性その他企業東京以外その他企業×男性「経済的な安定性」選択※ 1   数 値 は 、 個 人 の 属 性 を 統 制 し た 基 本 モ デ ル に お け る 各 コ ン ト ロ ー ル 変 数 の パ ラ メ ー タ ー の 推 定 値 を 示 す 。 ※2 *** は、p < 0.01 水準、** は、p < 0.05水準、* は、p < 0.1水準においてそれぞれ統計的に有意であることを示す。コントロール変数年齢女性ダミー大企業所属ダミー公務所属ダミー東京勤務ダミー大企業×女性の交差項公務×女性の交差項専門分野の探求志向転職等へのポジティブ度合キャリア形成・スキルアップへの関心 0.384***「職業選択において重視する要素」選択ダミー:自身のスキルの伸長・活用 同:責任ある役割を果たすこと 同:自律的な職務遂行 同:クリエイティブな仕事 同:社会貢献 同:困難な課題解決 同:ワークライフバランス転職意向熱中度満足度32

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