人事院月報 2025年8月号 No.912
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⑶ は、労働者に何かしらの影響を持つと考えられますが、労働者の属性が違えば、その影響度合いも異なるものと考えられます。重回帰分析の中でそういったことを考慮して分析したい場合、説明変数と他の変数を掛け合わせて作成する「交差項」と呼ばれる変数を使います。詳細は割愛しますが、これにより、ある説明変数が個人の属性を問わず影響を持つのか、それとも特定の層に対して影響を持つのかを推測することができます。の種類(公務か民間か)」に着目しています。これを踏まえた分析結果が表3です。り、ほとんどの説明変数が単体では有意とならず、女性との交差項のみが有意となっています。つまり、各説明変数は女性に対してのみ転職意向を下げる効果を持つ可能性が示唆されます。こと転職意向に関しては、女性の方が敏感に職場の状況に反応するということでしょうか。分析同様に、ほとんどの変数が単体で有意となっています。つまり、説明変数として属性を踏まえた分析説明変数に設定している「職場の状況」具体的には、ここでは「性別」と「組織転職意向については、当初分析とは異な逆に、熱中度と満足度については、当初※2  ***は、p < 0.01水準、**は、p < 0.05水準、*は、p < 0.1水準においてそれぞれ統計的に有意である満足度0.199***0.103*0.152*0.0520.517***−0.029−0.1010.0740.526***0.106*0.128−0.0280.443***0.1750.1300.324**0.659***0.0510.1070.0550.299***0.1070.0930.165**0.667***−0.0170.0310.0712025 8月号 人事院月報表3重回帰分析の結果(層別の影響考慮)0.024−0.071−0.109−0.163*** −0.0040.534***−0.126*−0.0600.033−0.188**0.1340.104*−0.149**0.407***0.0010.044−0.043−0.152−0.092−0.226*** −0.0380.369**−0.313*−0.188−0.434***−0.066−0.0360.009−0.289***−0.1210.038−0.126−0.200***−0.140*0.0240.027−0.216***0.462***0.1650.1240.1860.493***0.023−0.0270.150**0.351***0.137*0.0600.0950.546***−0.057−0.0720.184***実際の各モデル式には、当初分析同様のコントロール変数をそれぞれ含めている。ことを示す。説明変数キャリア相談機会の付与裁量の大きさ時間・場所が柔軟な働き方 変数単体ミッション等への共感風通しの良さ役割やスキルの重視業務・必要人員の整理※1  ここには各モデルに個別に投入した説明変数及びその交差項のパラメーターの推定値のみを掲げているが、x_公務x_大企業x_女性区分変数単体x_公務x_大企業x_女性変数単体x_公務x_大企業x_女性変数単体x_公務x_大企業x_女性変数単体x_公務x_大企業x_女性変数単体x_公務x_大企業x_女性変数単体x_公務x_大企業x_女性転職意向熱中度0.168***0.0820.01734

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