それを今担当していて、そういった技術を取り入れ、積極的に現場に取り入れるための施策をいろいろ打ち出しています。――AIは特に新しい分野ですが、どのように取り組まれてきましたか。[小野寺]自分で勉強したり、民間会社でAIに取り組まれている方とお話したりとか、そういったことで少しずつ知識を溜めていきました。AIなどに限らずですが、バスタや品川の再開発も新しい取組なので、どうしても足りない知識の部分は、自身でも勉強しないといけないでしょうし、大学の先生や、民間会社の方とかとも勉強会をしながら、アイデアをもらうということもしてきました。ICT、AIの活用については、黄色いパトロールカーで既に活用が始まっています。パトロールカーに載せたカメラで、映像を撮りながら走り、その映像からAIが自動的に舗装が悪いところや、街路樹が倒れそうなところ、道路に引かれている白線がどれだけ消えかけているかとか、そういったことを自動的に判別できるようになりました。パトロールのときの負担も大分減ってきたので、できるところは機械に任理や、災害時の対応や取りまとめ、それらに関する施策の立案などに携わっています。道路は国の経済活動や、社会活動を支える根幹の施設なので、それをちゃんと使えるようにしていくというのは、やりがいとともに、責任を強く感じているところです。――日々の現場の仕事を知らないとできない仕事ですよね。[小野寺]私は本省には二回ぐらい異動して来ていますが、現場のことを知っているからこそ、それにつながるような施策を考えられると思っていますし、そうありたいと思っています。現場で管理に携わっている方というのは、昔からの経験を重視してやっている方もいらっしゃいます。これまではうまくいっていたのですが、少子高齢化で働く世代が減っていき、予算も限られている中で、いかにして道路管理のサービスを維持していくか考えると、やはりこれまでの経験だけに頼っていてはだめではないかと思います。ICT、AIといった、新しい技術を取り入れていくことは重要ではないかと、整備局にいるときも思っていました。まさに、――そのような新しい取組にはこれまでの様々な経験がいかされたのではないでしょうか。[小野寺]整備局で仕事している時には自動運転の実験をやったり、様々な新しいモビリティの導入に向けた検討をしたりとか、いろいろなことをやってきました。バスタ新宿だとか、品川の再開発などの事業をやるためには、長い間のいろいろな経験があったからこそ、できたものではないかなと感じます。――そして今は、道路メンテナンス企画室にいらっしゃるのですね。[小野寺]国が管理している道路の維持管人事院月報 No.912いつもの道を“にぎわいの場”にする仕事~東京国道事務所を取材しました~インタビュー好きな道を尋ねたところ、日本の道路の起点である日本橋の風景を挙げてくださいました。現在は首都高を地下に通す工事を行っているところですが、この事業も小野寺さんが事務所の副所長時代に関わりのあった思い入れのある事業だそうです。07
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