人事院月報 2025年10月号 No.914
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公益財団法人大原記念労働科学研究所はじめに1.健康管理は重要な課題研究部メンタルヘルス研究センター鈴木安名寄稿~健康管理医との接し方のコツ~公務におけるよりよい健康管理体制の構築2.公務ではどうあるべきか?きた現在、官民問わず所属だけでは解決困難なので、所属を支援する健康管理の司令塔がある方が便利です。ここには、各所属におけるメンタルヘルス関係の情報を集中させることがポイント。もちろん、健康管理担当部門の多くには各所属に対する人事権はありませんが、各所属に役立つアドバイスが可能となります。公務において民間大手のやり方をまねるのは困難です。国家公務員は総合職、一般職を問わずジョブ・ローテーションを通じてキャリア・アップしていく存在ですから。ですが、五十年前ならともかく、メンタル不調の職員が増えた現在、やはり健康管理の司令塔が不可欠です。では、その担い手は誰かといえば当然、公務においては健康管理医となります。これに保健師が加わると万全です。以上を言い換えると、公務の場合、民間よりも健康管理医の役割を重視せざるを得ません。しかし、人事院の調査によれば、公務においては、民間法制と異なり、一定規模以上の官署ごとに各省各庁の長が適当と認める「健康管理医」を置くこととしているの語を聞けば、自己管理が重要だという認識がもっぱらでしょう。現代社会で官民ともに問題となっている、メンタル不調も個人の問題と片付けがちです。『メンタル不調になった職員は、速やかに心療内科を受診すべき』というように。う簡単ではありません。た所属では次のような負担が起こります。不調者は業務を遂行する能力が大幅に低下したり、欠勤、休職したりするため、当然、その不調者の業務を周囲が担うことになります。その結果、次のようなストレスが生読者の皆様にとって、健康管理という単ですが、皆様御承知のように、ことはそメンタル不調者(以下、不調者)を出しじます。1)周囲のストレス増加民間大手以上に、国家公務員はギリギリの職員数で膨大な業務を処理しています。その結果、超過勤務が普通になっています。この状況下で、不調者が出ると、当然のことながら、その職員の業務を同僚もしくは上司が担当することになります。また、不調者が職場復帰した場合、多くは、元のようには働けない。かといって、管理職の視点から見たときには、不調者のプライドを損なうわけにはいかないので、相当な気を使うことになります。筆者が本省や地方支分部局で聴いた話では、『休んでいてもらった方が、自分たちのストレスは少ない』という声も多かった程です。2)健康管理の情報が集中する前述したように、メンタル不調が増えて寄稿人事院月報 No.914    03

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