人事院月報 2026年6月号 No.922
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--五-六2026 6月号 人事院月報  ベネフィット(利益)を下げる図1の第三段階は、リスク評価後の意思決定の段階です。例えば、作業後の確認という手順を省くと作業時間の短縮につながる場合、リスクよりベネフィットが大きく感じられるでしょう。そうすると、確認の省略という不安全行動につながりがちです。しかし確認を怠ることで、あとで上司に大目玉を食らうと分かっていたら、手順を省こうとは思いません。これは、リスクをとってもベネフィットが得られない(むしろ損失がある)からです。ある工場では、次のような取組をしていました。自分達で毎月、職場のルールを決め、それを守れなかった人には「イエローカード」を渡すのです。こうすれば、手順を省いて作業時間を短縮しても、職場の人から注意を受けるという損失があるため、不安全行動の抑止力になります。もっともこの工場では「イエローカード」を渡し合うだけでは人間関係がギスギスし始めたため、新たに「グリーンカード」も作りました。安全行動をとっている人に、この「グリーンカード」を渡し、職場で安全行動を称揚するようにしたのです。ダメ出しだけではなく、良い行動は褒める。類似の取組Knowwhy(ノウ・ホワイ)教育ば、どのような影響が及ぶかは理解できます。そのために産業界では、朝礼や作業前打合せなど、折に触れて事故事例を紹介します。これにより、自分たちの扱う設備や作業で、過去にどれだけの損失や被害が発生したかを伝え続けることができます。ンダーを作成し、過去の当該月に発生した事故を、その年の同時期に紹介する取組があります。例えば、梅雨時期に発生しやすい食中毒やスリップ事故、夏場に発生しやすい熱中症や落雷事故、といったように、日々の仕事や作業の中で発生しやすい事故を認識させると、単にハザードマップでリスクの有無を知らせるよりも、リスクをより身近に、そしてリアルなものとして認識しやすくなります。しては、Knowwhy(ノウ・ホワイ)教育があります。仕事や作業のノウハウ(Know順を取らなければならないのか」、「なぜ、この道具を使わなければならないのか」と、仕事の根拠や理由を教える教育です。一歩進んだ対策としては、事故事例カレ事故や損失の可能性を認識させる方法と前項でも述べたように、私たちの職場は数々の安全対策のおかげで、十分、安全になっています。しかしこれは裏を返すと、それだけ過去にミスや事故があったということです。産業界では多くの事業所で、過去の事故事例を定期的に分析・検討するミーティング(事故事例検討会)が開かれています。その際に、職場のベテラン職員が、過去に自分たちの職場でどのようなミスや事故があり、それによってどのような対策が導入されたかを紹介する場面があります。ベテラン以外の職員がそれを聞くと、自分たちの日頃の作業にはどの程度のリスクがあり、安全対策(例えば、定められた作業手順や道具)にどのような意味があるかを理解できるようになります。このように、自分たちの作業にミスや事故といった損失が伴うことを理解しないと、安全対策が形骸化します。何のために面倒な手順で作業を行うのかがわからないと「少しくらい手順を飛ばしても大丈夫だろう」と考えてしまいます。そのような、作業標準からの逸脱が常態化すると「ほかの手順を変えても問題ないだろう」と逸脱の範囲が広がり、安全対策の形骸化ばかりか、規則に甘い職場風土が形成されます。自分たちの仕事のリスクを語り継ぐことは、その抑止につながる重要な対策なのです。how)を教えるだけでなく「なぜ、その手08

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