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1 退職手当制度の概要

退職手当の支給退職手当の計算例退職手当に係る税金退職手当手取額計算書 |

(1) 退職手当の支給

 退職手当は、職員が継続勤務して退職する場合の勤続・功労報償を基本的性格としており、国家公務員退職手当法(以下「退手法」といいます。)に基づいて支給されます。

 ただし、次のいずれかに該当する場合には、退職手当の全部又は一部が支給されないか、支給後であっても返納が求められます。

① 懲戒免職等処分を受けて退職した場合(退手法第12条第1項第1号)

② 失職した場合(成年被後見人又は被保佐人に該当することによる失職を除く。)(同法第12条第1項第2号)

③ 在職期間中の非違行為に係る刑事事件に関し、退職後に禁固以上の刑に処せられた場合(※支給後に禁錮以上の刑に処せられた後、返納を求められる前に死亡したときは、相続人に対して返納が求められます。)(同法第14条、第15条及び第17条)   

④ 退職後に、在職期間中の非違行為が発覚し、それが懲戒免職等処分相当の行為であると認められた場合(※すでに職員が死亡しているときには、遺族等に対して支給がされないか返納が求められます。)(同法第14条から第17条まで)また、職員が死亡した場合で次に該当する遺族は、退職手当を受け取ることができません。

 ア 職員を故意に死亡させた遺族(同法第2条の2)

 イ 職員の死亡によって退職手当の支給を受けることができる先順位又は同順位の遺族となるべき者を故意に死亡させた遺族(同法第2条の2)

 

(2) 算定式

 退職手当は、次のように計算されます。

  退職手当 = 基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給割合)+調整額

(注) 1円未満の端数は切り捨てます。

 

(3) 基本額

① 俸給月額

 退手法上の「俸給月額」とは、一般職の職員の給与に関する法律(以下「給与法」といいます。)に規定する俸給表の額と俸給の調整額(職務の複雑、困難若しくは責任の度や勤務条件が特殊な場合に俸給表の額を調整(加算)するもの。)の合計額をいいます。(地域手当、扶養手当、俸給の特別調整額等の諸手当は含みません。)給与法の適用を受けない行政執行法人の職員の場合は、各法人が定める給与規則におけるこれらに相当するものの額の合計額をいいます。

 なお、退職の日に休職、停職、減給その他の理由により、俸給の一部又は全部が支給されていない場合には、これらの理由がないと仮定した場合にその職員が受けるべき俸給月額が退職手当の算定基礎となります。

 

② 退職理由

 職員の退職理由は、基本額を算定する上で、自己都合、定年・応募認定、死亡、傷病、整理等に区分されています。死亡、傷病による退職については、公務上と公務外に、公務外の傷病による退職については、通勤によるものと私傷病によるものに区分されます。

 退職理由別・勤続年数別の退職手当支給割合は、国家公務員退職手当支給割合一覧を参照してください。
    

③ 勤続期間

 勤続期間は、②の退職理由とともに、退職手当の計算の基本的な要素です。

 勤続期間の計算は、職員としての引き続いた在職期間により計算されます。この場合の計算は、月単位で行います(月の途中での採用、退職は、その月を1月として扱います。)。職員としての「引き続いた在職期間」には、地方公共団体や退手法施行令で定める公庫等における在職期間が通算されます。

 ただし、次の場合には、その期間の全部又は一部を在職期間から除算したものが勤続期間となります。

<その2分の1の期間を除算するものの例>

 ア 私傷病による休職、刑事休職及び研究休職(ただし、その内容が公務の能率的な運営に特に資すると認められる等の場合には除算されない。)の期間

 イ 懲戒処分としての停職の期間

 ウ 育児休業の期間(ただし、子が1歳に達した日の属する月までの期間は3分の1を除算する。)

<その期間をすべて除算するもの>

 ア 職員団体専従休職の期間

 イ 自己啓発等休業の期間(ただし、その内容が公務の能率的な運営に特に資すると認められる等の場合には2分の1を除算する。)

 ウ 配偶者同行休業の期間

【除算期間の計算例】

3月31日から8月28日まで休職等の場合


3月と8月は1日以上の勤務日があるので除算の対象とならない。

4月から7月までの4月間が除算期間の対象となる。

 1  この期間が私傷病休職又は停職処分であった場合

   除算期間 = 4月×1/2= 2月

 1  この期間が職員団体専従休職期間であった場合

   除算期間 = 4月



(4) 基本額の特例
 ① 定年前早期退職者に対する特例(退手法第5条の3)
 応募認定※(「早期退職募集制度」参照)、公務上の傷病又は死亡、整理等により退職した者のうち、定年に達する日から6月前までに退職した者であって、その勤続期間が20年以上等であり、かつ、その年齢がその者に係る定年から15年を減じた年齢以上(定年が60歳であれば、45歳以上)であるものには、定年前早期退職者に対する退職手当の基本額に係る特例(定年前早期退職特例措置)が適用され、次に掲げる算式による額が退職手当の基本額の算定の基礎になります。

  基本額の算定の基礎となる額 = 退職日の俸給月額 ×{1+(3%(注1、2)×定年年齢までの残年数)}
<注1>給与法の指定職俸給表1号俸相当額以上4号俸相当額未満の者については、1年当たりの割増率2%が、また、4号俸相当額以上の者については、1年当たりの割増率1%がそれぞれ適用され、6号俸相当額以上の者については不適用となっています。
<注2><注1>以外の者のうち、その者に係る定年年齢と退職の日におけるその者の年齢との差が1年である者については、1年当たりの割増率2%が適用されます。
【60歳定年、10月2日誕生日の職員の場合の俸給月額の特例】
【60歳定年、10月2日誕生日の職員の場合】


※ 早期退職募集制度

 各省各庁の長等は、募集実施要項を職員に周知することにより、早期退職希望者を募集することができます。

 (1) 2つの早期退職募集

  ・ 職員の年齢別構成の適正化を図るための募集(1号募集)

   退職時にその職員に係る定年から15年を減じた年齢以上(定年が60歳であれば、45歳以上)である職員を対象として行う

  ・組織改廃等に伴う募集(2号募集)

   当該組織又は官署若しくは事務所に属する職員を対象として行う

 (2) 募集から退職までの大まかな流れ

   ・早期退職希望者の募集

    各省各庁の長等が、募集対象者全員に募集実施要項を周知し募集開始

   <募集実施要項>

     募集を行う目的(上記①の別)
       募集の対象となるべき職員の範囲
       募集人数
       募集の期間
       認定を受けた場合に退職すべき期日又は期間 等

   ・ 応募

     募集の期間中いつでも応募し、又は応募を取り下げることが可能

   応募及び応募の取下げは、職員の自発的な意思に委ねられたものである必要

   ・ 認定

     各省各庁の長等は、応募者に対し認定(不認定の場合もある)

   ・ 通知

     各省各庁の長等は、応募者に対し認定通知書又は不認定通知書を交付

② 俸給月額の減額改定以外の理由により俸給月額が減額されたことがある場合の特例(退手法第5条の2)

 在職期間中に、俸給月額の減額改定(いわゆるベースダウン)以外の理由(降格、俸給表間異動等)により俸給月額が減額されたことがある場合で、特定減額前俸給月額(減額日における当該理由による減額がなかったものとした場合の俸給月額のうち最も多いもの)が退職日の俸給月額よりも多いときは、次のア及びイにより算出した額の合計額を基本額とする特例があります。

   ア 特定減額前俸給月額に係る減額日の前日に実際の退職理由と同じ理由で退職したもの
     とし、かつ、同日までの勤続期間と特定減額前俸給月額を基礎として算定した基本額に
     相当する額

   イ 退職日俸給月額に次の(ⅰ)の割合から(ⅱ)の割合を控除した割合を乗じて得た額

   (ⅰ)退職日に、退職日までの勤続期間と退職日俸給月額を基礎として退職手当を算定する
        とした場合の支給割合

 (ⅱ)アの算定に用いた支給割合

(注1)本特例は、平成17年改正法の施行日(平成18年4月1日)又は適用日である新制度切替日以降の減額が対象となります。

(注2)定年前早期退職特例措置の対象者は「特定減額前俸給月額」と「退職日の俸給月額」の両方が割増しの対象となります。

【退職手当の基本額の計算方法の特例】

(5) 調整額
 調整額は、基礎在職期間の初日の属する月から末日の属する月までの各月毎に、当該各月にその者が属していた職員の区分(第1号区分~第11号区分)に応じて定める額(調整月額)のうち、その額が多いものから60月分の調整月額を 合計した額です。

                                    退職手当の調整額区分表(給与法適用職員の例)         
                 

 (注)勤続9年以下の自己都合退職者等は調整額が支給されない。また、勤続4年以下の退職者(自己都合退職者以外)及び勤続10年以上24年以下の自己都合退職者は調整額が半額になる。
 <参考> 他の俸給表は、「他の俸給表における調整額の区分例」 を参照のこと。