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経済産業省産業技術環境局環境政策課
地球環境対策室室長補佐
総合職(工学)
2018年 経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部
原子力立地・核燃料サイクル産業課
2019年 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力立地・核燃料サイクル産業課
原子力立地政策室原子力広報室係長
2020年 経済産業省産業技術環境局環境政策課地球環境対策室係長
2021年 現職
※職員の所属(役職)は、原稿執筆時のものを記載しています。
知性・感性・人間性の全てが問われる国際交渉の奥深さ
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◇ 国家公務員になろうと思ったきっかけ |
大学院生の時に国際機関(ADB)に半年の長期インターンに参加しました。その時に、改めて自分が日本という国が好きで、日本がより良い国になってほしいと思い、理系の専門知識を持ったジェネラリストとして国家公務員を目指すことにしました。
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◇ 記憶に残っている業務 |
2023年4月に開催されたG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の合意文書は、自分がチームのコアメンバーの一人として作成したものです。魂を込めて作りこんだ一つ一つの文章について、各国様々な意見がある中で、議長国としての公平さや信頼感を失うことなく、同時に我が国国益にも資する成果にするように、チームメンバーが一丸となって緻密に交渉戦略をたてたことで、想像以上に思い通り運び、渾身の成果となったことは印象に残りました。
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◇ 日々の仕事 |
G7/G20/COPをはじめ、気候変動に関する国際交渉に日々携わっています。我が国の強みが生きるための国際ルール形成に加え、小国で資源も少ない我が国において、時には自国の産業・エネルギー政策に介入しようとする外交的圧力から守ることも重要です。世界の気候変動に関する大局的な動きを把握し、先手先手で対応していくためにも、日々から他国の政策や政治情勢の情報収集をし、得られた情報を元に日本の国益に資するように国際交渉に挑んでいます。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
交渉の世界においては、主張を裏付ける強固なロジックを固めるためにも、相手国の政治動向や政策への深い理解が当然必要です。加えて、「同志国を探し、仲間づくりをしながら戦略的に交渉を進めること」、「相手国の交渉官の性格・趣向を踏まえつつ、個人的関係を築きながら本音を引き出すこと」も重要です。このように、知性のみならず、感性や人間性等を総合的に駆使しながら、最終的に日本として目指している成果を勝ち取ることがリアルな交渉の醍醐味と考えています。
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◇ テレワークの経験 |
テレワークで業務することと実際に職場に登庁するそれぞれの良し悪しがあります。厳しい国際交渉をする場合は、交渉チームが一同に介して速やかに交渉方針をすり合わせることが望ましいため、職場に登庁することが多く、他方でオンラインの打ち合わせや講演が多い日などは、テレワークのほうが時間効率もよいと考えています。あくまでも、本質的に業務を進めるために効率的なほうを選択しながら日々業務に取り組んでいます。
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◇ フレックス勤務の経験 |
日米欧など、幅広い地域が一つの国際会議を開催するとき、往々にして、米国は朝・欧州は昼・日本は夜から会議が始まることがあります。その際、夜に業務をすることは時差の都合上仕方ないので、翌日の勤務開始時間を遅らせることもあります。
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◇ ある1日のスケジュール |
10:00 登庁・メールチェック
10:30 省内チームメンバーで夕方の多国間交渉に向けた作戦会議
11:30 作戦会議を踏まえ、チームメンバーで分担して資料を作成
12:00 室内チームメンバーと昼食
13:00 関係省庁に交渉方針の協議
14:00 交渉開始の前に、A国を味方につけるべく、事前に根回し
15:00 緊張の多国間交渉の開始
20:00 交渉終了・帰宅・夜ご飯の支度(夫婦のうち早いほうがご
20:00 飯の支度)
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