2025年度版技術系ガイド 

消防庁
技術系職員の活躍貢献     職員紹介

 消防庁は、火災の予防や消火、救急、救助など「国民の安心・安全」を担っています。
 高齢化社会の到来や新エネルギーの出現、ICTの活用など、社会の大きな流れの中で、誰もが安心して暮らすためには、合理的な安全対策が必要です。技術系職員は、消防防災の専門家としての現場の知見、研究者や技術者と議論するための理系の素養、そして関係者が納得できるように説明する行政官としての技量をもって、合理的な安全対策を実現します。
 また、地域の消防力では対応できない大規模な地震や集中豪雨などの自然災害、大規模事故、テロなどの緊急事態の際には、被害の全貌を把握するとともに、全国的な見地から緊急消防援助隊を派遣して被害の抑制にあたるなど、オペレーション業務を担います。

 
 

 地震などの大規模な災害が発生すると、消防庁内にある消防防災・危機管理センターに参集し、情報収集や緊急消防援助隊のオペレーションなどを行います。
 


 消防の現場で活躍する消防吏員、地域の防災を担う市町村・都道府県の職員、地方自治体や行政評価を専門とする総務省の職員など、様々な経歴を持つ職員の橋渡しの役割を担い、チーム力を高めます。
 


 現場の意見を正確に理解した上で施策に反映させるため、入庁して数年で消防本部に出向し、現場活動や消防防災行政の基礎的な知識を身につけます。
 


 都道府県などに出向して、地方の危機管理を担う機会があります。現場サイドの問題点を正しく理解し、消防庁に戻った際により実効性のある制度の企画・立案ができるようになります。
 


 実験結果や調査結果など、科学的な根拠をもとに議論を行い、安全的にも経済的にも合理的な結論を導きます。
 


 オンライン会議も増えており、テレワークの日も自宅から会議に参加するなど、柔軟な働き方が可能です。
 


 火災や相次ぐ自然災害などの被害を軽減し、「国民の安心・安全」な暮らしを守っていきます。
 
    

 

職員紹介

 
西田 空
消防庁 予防課 設備係長

総合職試験(化学・生物・薬学) 大卒
 
2018年  消防庁採用 消防庁 消防・救急課 救急企画室
2020年  札幌市消防局(出向)
2022年  気象庁 総務部 企画課 地域防災企画室(出向)
2024年  現職

なんやかんや言うても「人の命を守る仕事」ってカッコよくない?

 
 
◇ 国家公務員になろうと思ったきっかけ
 学生時代は部活動に明け暮れており、漠然と「どうせならカッコええ仕事やりたいな」と思っていたところ、理系の素養が活かせて、人々の命と生活を守る技術系の国家公務員という仕事があることを知り、志すようになりました。
 
◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係
 大学では、農学部で食品生物科学を専攻していました。食品や製薬といった業界に進む同期が多い中、国家公務員、まして消防庁は異色の就職先だったと思います。食品に関する知識が消防行政に直結する機会は正直あまりありませんが、火災予防分野では化学、救急分野では免疫学に関する知識が役立つ機会もありました。そして何より論的思考や科学的根拠を求める姿勢そのものが理系行政官には不可欠だと感じています。
 
◇ 記憶に残っている業務
 消防庁ではキャリアパスの一環で、各地の消防本部に出向することがあり、私も札幌市消防局で消防士として現場活動に従事しました。中央省庁の業務はどうしてもデスクワークが主となりますが、実際に火災現場で放水したり、心肺蘇生を行ったり、文字どおり人の命を預かる仕事をしたことは、かけがえのない経験となりました。自分が霞が関でやっている仕事の向こうには、いつも現場で命がけで戦う消防職員と、助ける求める人々がいることを痛感しました。
 
◇ 日々の仕事
 現職では、消防用設備等の技術基準の検討に携わっています。消防用設備等は火災から人命を守る重要な設備である一方、設置には相応の負担を強いるものです。安全性を担保しつつも過剰な規制にならないよう、しっかりと根拠を積み上げて基準を設けなければなりません。そのために、業者と打合せをしたり、研究機関からデータを取り寄せたり、時には現物を視察しに職場の外に出したりしながら、検討に必要な材料を集め、技術基準を作り上げていきます。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐
 車を速くスムーズに走らせるには、最適なタイミングと強さでブレーキをかけることが重要なように、新しい技術や産業を推進するのにも、過不足のない規制を設けることが肝心だと私は考えています。消防庁は、いわゆる“規制官庁”と評されることが多いですが、安全面を犠牲にすることなく安定的な推進を図れるよう、“ブレーキ”という立場から我が国の技術や産業の振興を支える仕事は、消防庁ならではの面白みであり、やり甲斐だと感じています。
 
◇ ある1日のスケジュール
  9:00 登庁、メールチェック
  9:30 消防本部からの法令の解釈に関する相談への対応
 11:00 検討会の方針について庁内でディスカッション
 12:00 昼食
 13:00 検討が必要な設備について業者へのヒアリングと実地調査
 15:00 検討会の委員を務める学識経験者との打合せ
 16:00 翌日の幹部への説明に向けた資料の作成
 19:00 退庁
 19:30 皇居ランをしてリフレッシュ

 



 
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