2025年度版技術系ガイド

特許庁
技術系職員の活躍貢献     職員紹介

 特許庁の技術系職員は、審査官・審判官として特許の審査・審判業務に従事するとともに、特許制度を取り巻く様々な業務に携わり、日本の技術開発を支えています。
 審査・審判業務では、国内外から出願された発明の理解、従来技術の調査、特許性の判断等、各プロセスにおいて理系の専門知識を最大限に活用します。入庁後は、業務や、学会への参加、海外留学等の機会を通じて技術と法律の専門知識をさらに深めていくことができます。
  また、審査で身に着けた知識や経験を強みとして、法律改正や国内外の知財政策の立案、中小企業・大学・スタートアップ支援など多様な分野に活躍の場があり、イノベーションの推進、日本の産業発展に貢献しています。

 
 

 審査室の風景
 



 審査官の執務環境

 特許審査では、出願書類から発明のポイントを把握した上で、過去の特許文献や論文等を調査し、出願された発明が既存の発明と同じものではないか、既存の発明から容易に思いつけたものではないか、といった観点で特許性を判断します。判断に悩んだ場合には、周囲の審査官と相談(協議)することが推奨されており、審査官全員が一丸となって、出願人・第三者の両者にとって納得感のある審査を目指しています。


 協議を行うためのスペース
 


 口頭審理を行う審判廷

 審査官として一定のキャリアを積み、法令で定められた研修を終えると、審判官として審判の業務を行う機会があります。審判では、審査結果への不服に対する審理や特許無効の請求に対しての審理を行います。この特許無効の請求についての審判は、原則として、写真の審判廷(又はオンライン)で、口頭で行います。審判は、地方裁判所に代わる第一審としての機能を担っており、技術的知見に加えて、法律知識や実務経験も総動員して判断を行います。
 


 国際会議などが行われる特別会議室
 
    

 

職員紹介

 
大倉 崚吾



 
特許庁 審査第四部 情報処理 審査官

総合職試験(工学) 大卒
 
2020年  特許庁採用 審査第四部情報処理 審査官補
2024年  現職



特許審査を通じて技術の強みを明らかにし、産業の発達に寄与する

 
 
◇ 国家公務員になろうと思ったきっかけ
 友人に誘われて国家公務員試験を受けたことがきっかけです。その後説明会等で、これまで学んできた理系の知識を活かすことができると知り、技術系の国家公務員を目指しました。
 
◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係
 特許出願を審査する業務においては、出願された技術の内容を理解することや、近しい技術が記載された文献を探すことが非常に重要です。 学生時代に授業で身につけた理系的な知識や、論文を読んで技術を理解した経験などが、今の業務にも活かされています。 また、ある技術と他の技術とで、どこが同じでどこが違うのかを考える際に、理系的な論理的思考能力が活かされていると感じます。
 
◇ 記憶に残っている業務
 特許庁に入庁すると、審査業務に必要な法知識などを身につけるために、様々な研修を受けることとなります。特に2年目に受ける研修は記述試験があり大変でしたが、おかげで、現在十分な法知識をもって審査業務を行うことができています。 また、特許庁では、審査以外の業務に携わる機会も多くあります。私は最近、被災地派遣業務として、一週間石川県に赴きました。微力ではありますが被災地の復興の一助となるという貴重な経験ができました。
 
◇ 日々の仕事
 主に審査業務を行っています。審査業務では、出願内容の正確な理解をしたうえで、出願に近しい文献のサーチ(先行技術調査)を行い、特許性の判断を行うこととなります。 私の所属課室では人工知能関連の出願の審査を行っていますが、特に量子コンピュータや生成系AIに関する出願を審査する際は、最先端の技術に触れられているという実感があります。 また、最先端の技術を正確に理解することができるよう、庁内の研修を受講したり、学会に出張して聴講したりすることで、技術知識を身につけています。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐
 審査業務においては、最先端の技術に関わる文献に数多く目を通すことになります。技術内容が難しい文献も多いですが、自身の知識が広がっていく実感があります。また、膨大な文献の中から、特許出願に近しい技術が記載された文献を見つけたときは、達成感があります。 そして、産業発達に寄与するための特許制度を支える一員として、特許査定等に実名が載るというやりがいもあります。
 
◇ テレワークの経験
 現在、週に2回程度テレワークをしています。特許出願の技術内容を理解し、近しい技術が記載された文献を探すという審査業務は、テレワーク時も登庁時同様に行うことができます。 自宅でテレワークすることで、出勤の往復時間が浮くため、自己研鑽等に時間を使うことができ、非常に助かっています。
  
◇ ある1日のスケジュール
  8:00 登庁
 10:00 担当案件の先行技術調査
 12:00 昼食(同期とランチ)
 14:00 拒絶理由通知を起案
 18:00 退庁
 21:00 高校や大学からの友人とオンラインでゲーム

 



 
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