2025年度版技術系ガイド

財務省(税関)
技術系職員の活躍貢献     職員紹介

 税関では「安心・安全な社会の実現」「適正かつ公平な関税等の徴収」「貿易円滑化の推進」の3つの使命を掲げています。 その全ての使命に技術系職員が活躍しています。 あらゆる手段を講じて密輸入される不正薬物等を判定する成分の分析。 動植物の生物分類別や機械部品の素材や用途別により税率が変化する輸入品に課される関税を適切に徴収するために行われる品目分類。 輸出入の申告や入出港に関する申請をオンラインで処理する情報処理システムの管理。 これら以外にも様々な専門性を有する技術系の職員にとって、税関は知識や技術が活かせる職場が多くあります。

 
 

 証拠品のデータの解析

 税関には輸出入に関する専門的な知識を活かして、密輸や脱税行為者と思われる人物や会社を調査する部門があります。
 当該部門が調査過程で押収したスマートフォンやパーソナルコンピューター等から、その証拠となるデータを収集・解析するために様々な機器を取扱いながら業務処理に努めています。
 


 押収品の内部にある記録媒体の取り出し作業

 個人や会社が所有するスマートフォンやパーソナルコンピューター等に保存されているデジタルデータは事件を立証する上で重要な証拠です。
 そのため、デジタルデータの収集や解析を行う中で、証拠保全の作業は慎重かつ丁寧に行わなければならず、手法も様々なものがあり、時には、その押収品を分解して内蔵されている記録媒体を取り出して作業を行うこともあります。
 


 調査担当部門との打ち合わせ

 業務を行う上で、必要なの調査担当部門との連携です。
 事件を告発するために必要となるデータを収集するためには、調査担当部門がどのようなデータを必要としているのかを把握しておく必要があります。
 そのため、密に連絡を取りながら依頼に対応し、データ収集のための提案を行うこともあります。
 


 デュプリケーター(複製機)を使用したデータの保全

 スマートフォンやパーソナルコンピューター等は専用のツールを用いて証拠保全や解析を行っていきます。
 使用するツールにはそれぞれ得手不得手があるため、証拠品によってツールを使い分け、より多くのデータの収集を行うことができるように工夫していきます。
 同じ機種でも他の条件によっては同じ作業を行うことができないこともあるので、毎回試行錯誤を繰り返しています。
 
    

 

職員紹介

 
北野 敦暉



 
財務省 大阪税関調査部 検察部門

総合職試験(化学・生物・薬学区分) 大卒
 
2020年  関税局 監視課 総括係
2021年  財務省関税局 関税課第一参事官室 国際調査第一係
2022年  大阪税関 関西空港税関支署 特別通関部門
2022年  大阪税関 調査部 事後調査部門
2023年  大阪税関 関西空港税関支署 旅具通関部門
2023年  大阪税関 調査部 検察部門(現職)

※職員の所属(役職)は、原稿執筆時のものを記載しています。

異なる視点から、国際物流の一翼を担う

 
 
◇ 国家公務員になろうと思ったきっかけ
 化学専攻というバックグラウンドにとらわれず、幅広い視点で社会に関わりたいという思いから、国家公務員を志望しました。説明会に参加した際、国内外で活躍する職員の刺激的な話が聞けたことも決め手の一つでした。
 
◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係
 化学専攻という経歴が直接業務に生きた経験は残念ながらありませんが、異なるバックグラウンドを持った職員が集まって仕事をすることの楽しさを日々感じています。 目の前の課題に対して、それぞれの経験から培った様々な視点から意見を出し合う楽しさは、国家公務員の世界に飛び込んでみたからこそ味わえたものだと思います。 将来的には化学の知識を生かせるポストへの異動も希望しており、学生時代に得た知識・経験を忘れないよう自己研鑽に励む毎日です。
 
◇ 記憶に残っている業務
 入省後配属となった財務省関税局では、当時ニュースでも話題になった押印省略に係る業務に携わった他、イギリスのTPP加盟交渉に関する業務にも携わり、世の中の流れの中で仕事をしていることを日々実感していました。 その後税関の現場にも2年間出向し、関税局で企画・立案された政策がどのように現場で運用されているのかを知り、両者の難しさを肌で感じています。と同時に、日々新しい刺激の中で仕事ができていることに大きなやりがいを感じています。
 
◇ 日々の仕事
 財務省関税局では、資料作成や外部との調整業務、国会対応など、文系理系に関係なく、様々な業務を経験しました。膨大な輸出入データを管理することも多く、学生時代に研究を通して培ったプログラミングやExcelマクロの知識が生きることもしばしばありました。 現場の税関では密輸事犯の犯則調査のため、内偵や家宅捜索等、学生時代には考えもしなかった業務も経験でき、日々刺激にあふれています。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐
 財務省税関は、国際物流の一翼を担う組織であるため、想像以上に多彩な業務を経験できる魅力的な組織です。 ニュースでも話題になった押印省略に係る業務の他、イギリスのTPP加盟交渉に関する業務、現場の税関では、輸入関税等の脱税調査や、薬物の密輸調査に係る家宅捜索など、新しい経験ばかりの、刺激的な毎日を送っています。 文系理系に関わらず、日々新しい刺激を得ながら仕事をしたいという方にとって、財務省税関は非常に面白い職場なのではないでしょうか。
 
◇ テレワークの経験
 財務省関税局では頻繁にテレワークを行っていました。業務内容は出勤時と変わらず、メールチェック・資料作成・オンラインミーティング等で、不便を感じることはありませんでした。 コロナ対策の一環として急速に普及したテレワークですが、関税局においては、今や一般的な選択肢の一つとして活用されている気がしています。
  
◇ ある1日のスケジュール
  8:30 登庁、メールチェック
  9:00 密輸事件の調査に係る報告書等の作成
 12:15 昼食
 13:00 張り込み等の内偵調査のため外出
 16:00 報告書作成
 18:00 退庁

 



 
他府省の記事も見てみる 
 
 
 
Back to top