2026年度版技術系ガイド


外務省
技術系職員の活躍貢献     職員紹介

 ~国際社会における日本を支える~

 外務省の任務は国際社会の一員として求められる責任を果たしつつ、日本の安全と繁栄を確保し、国民の生命と財産を守ること。激動する世界情勢のなか、世界各国で外交活動の拠点となるのが大使館や総領事館、政府代表部などの在外公館です。相手国にとって 「日本の顔」とも言える在外公館施設の建築企画から竣工後のメンテナンスまで、建設プロジェクトの全てを担うプロデューサーとして、また、本省と在外公館との間でやりとりされる外交情報を24時間365日、安心、安全、確実に送受できるよう、より強固な情報通信システムの開発・管理を行い、巧妙化するサイバー攻撃から情報を守る専門家として、技術系職員は我が国外交基盤の一端を担っています。


●営繕技官が世界各国で建てた在外公館施設(大使館等)

 
営繕技官は、世界中にある日本の在外公館施設(大使館・総領事館の事務所・公邸など)の新築や建替、大規模増改築、既存施設の保全・維持管理指導といった一連業務を行います。在外公館施設は相手国政府にとって「日本の顔」であり、営繕技官は、いわば日本外交の舞台を作る仕事をしています。
 


●現在、進捗中の大使館事務所増改築工事現場の様子。工事の品質の確保も重要な任務の一つです。

 営繕技官は、海外勤務時には大使館等施設の建設プロジェクト等の監督職員という立場となります。施工図面の確認、プロジェクト進捗の管理や各種検査の立ち会い、資機材の選定など、建設現場での仕事は多岐にわたります。海外での工事では、施工方法や使用材料等、日本国内と比べて異なる点が多く、国による技術的な違いも理解しながら難易度の高い工事を進めていく必要があります。

 


●令和3年竣工の在ペルー日本国大使館事務所外観

 営繕技官が携わった建設プロジェクトにより完成した大使館事務所。世界各国において大使館は日本外交の最前線であり、任国の政治・経済に関する交渉や情報収集、広報文化活動や領事事務など、様々な外交活動を行っています。

 


●在サウジアラビア日本国大使公邸(設計:(株)丹下健三・都市・建築設計研究所)

 営繕技官が建設に携わった大使公邸。公邸は、外交の舞台として相手国政府関係者等を招いた会食やレセプションが行われますが、公館長の住居も兼ねているので、居住機能も有した施設です。

 


●在ギリシャ日本国大使館事務所施設。現地へ赴任して建設工事を管理します。
 



●外交通信の中核を担っている大臣官房情報通信課

 いまや情報通信システムは外交活動に欠かせないツールです。我が国の外交情報は常に様々なサイバー攻撃の脅威にさらされており、情報通信技官は、機微な外交情報が外部に漏れることが無いよう、各在外公館との連携を始め、最新の技術を基に外交情報通信システムの強化を目的として日夜研究を行っています。

 


●サーバーで外交情報通信システムのメンテナンス
 


●在ザンビア日本国大使館でインマルサット衛星通信機器設置

 在外公館事務所移転プロジェクトがあると、技術系職員は現地に出張し、通信事業者とともに旧事務所から新事務所へ外交情報通信システムの移設を行い、移設後に正常な通信ができるよう動作の確認を行います。また、移設作業の間も外務省本省との通信が途切れないよう、複数のバックアップ回線を準備しておく必要もあります。

 


●日本政府専用機搭乗のための事前訓練

 我が国要人が外国を訪問する際、日本国政府専用機を使用しますが、実はこの機内にも外務省の通信機器が設置されていることをご存じでしょうか。情報通信技官は、事前の訓練を経た上で日本国政府専用機に搭乗し、移動中も国内外関係各所との連絡がとれるよう、通信機器の運用管理を行っています。

 


●日本で最も古い外交公電

 外交通信の歴史は古く、「日本外交文書」に採録されている最も古い外交公電は明治5年4月9日三条太政大臣からワシントンの森少使宛に送られたものが残されています。外交公電にはその内容を秘匿にするため暗号化がなされており、セキュリティ対策の観点からも時代のニーズに合わせたシステム開発が進められています。
    
 

職員紹介

本原 拓也
本原卓也さん
外務省 大臣官房情報システム総括課・主査


2015年 外務省採用 大臣官房情報通信課
2018年 国内研修(情報セキュリティ大学院大学)
2019年 外務省 大臣官房情報通信課
2019年 語学研修(イギリス)
2020年 在ニューヨーク日本国総領事館
2024年 現職



自分らしくいられる職場
 
 
◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒

 2015年採用 一般職試験(電気・電子・情報)大卒
 

◇ 国家公務員になろうと思ったきっかけ
 就職活動期間に外務省情報通信課の技官採用枠を知り、大学で学んだ専門知識を生かせる、また海外勤務を通じ、国際的な視点や問題解決能力を磨いてきた方々と一緒に仕事をしたいという気持ちが芽生えた、のがきっかけとなります。
 
◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係
  学生時代はメディアリテラシーからハードウェア・ソフトウェア・プログラミングといった情報に関する分野を広く学びつつ、卒業論文の題材で「現代暗号理論」(大まかに、データを秘匿化したり、改ざんされていないかどうかを判断するために必要な技術に関する理論)を選択し専門性を磨きました。
 学生時代に学んだ基礎知識については現在の業務を通じ、より実践的な応用力を身につけることが出来ました。この経験は私にとって貴重な学びであり、今後の成長に繋がるものと考えています。
 
◇ 記憶に残っている業務
  約4年間の在外公館(在ニューヨーク日本国総領事館)での業務が最も記憶に残っており、同総領事館内における通信業務のみならず、国連総会の応援や通信分野以外の業務支援なども広く携わり、貴重な経験をさせていただきました。時にはニューヨーク日本国総領事館:通信担当としての意思決定を求められることも多々あり、この経験が自ら物事を考え、発言の一言一句に責任を持つよう意識するようになったきっかけになったと思います。
 
◇ 日々の仕事
  日本では外務省の情報システムやネットワーク構築や運用、在外公館では日本からの支援も受けつつ、通信機器の運用保守や館員や他公館からの照会対応など、多岐にわたる業務に携わってきました。現在では、情報セキュリティインシデントレスポンス、及びセキュリティ監査に関わる業務に従事しており、常に変化するセキュリティの動向に対応するため、最新の技術や知識を習得し、実践的なスキルを磨いています。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐
  現在の業務では、最新の技術や脅威情報、セキュリティ対策を常に学び続けており、飽きることのない面白さがあります。専門性を深め、高度な技術を習得することで、自身の成長やスキルアップを実感できており、常に新しい知識や技術に触れることで、仕事へのモチベーションを高く保てます。
 この仕事を通じて、今後も更なる専門性を追求し、セキュリティ分野の発展に貢献しているものだと強く実感を持つことができています。
 
◇ テレワークの経験
  オンラインで受講可能な研修を受ける際は、テレワークでの勤務を選択しております。
 現在、通勤に片道1時間30分程度要しておりますが、その時間を資格取得のための勉強時間や、最新のセキュリティ動向の調査などに有効活用出来ています。またテレワーク終了後は夕食を1時間以上かけて作り、妻とゆっくりご飯を食べたり、食後に2人で映画を見ております。テレワークの実施日、平日でも仕事とプライベートともに充実していることが実感出来ており、その点メリットだと認識しています。
  
◇ ある1日のスケジュール
 9:30 登庁 メールチェック+返信
10:00 常駐業者との打ち合わせ
11:00 上司や同僚との協議、書類作成、情報共有など
12:30 昼食(虎ノ門周辺の飲食店)
13:30 月次報告会前の準備
14:00 常駐業者との月次報告会
16:00 セキュリティ監査実施のための調達仕様書作成など
17:30 予算・支払のための書類作成業務など
18:15 退庁
19:30 自宅へ到着。妻と夕食+団欒(今日あったことや、休日の予定計画など、話題が尽きません)
 
他府省の記事も見てみる
Back to top