2026年度版技術系ガイド 


農林水産省
技術系職員の活躍貢献     職員紹介

 ~食と生命の守護神~

 日本の食料・農林水産業は、自然災害の頻発や地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化、生産・消費の変化など、様々な課題に直面しています。将来にわたって食料の安定供給を図り、生産力向上と持続性の両立を実現するには、イノベーションといった、より科学的な手法が欠かせません。具体的には、収量増加や品質向上に帰するバイオテクノロジーや、省力化を可能にするAI・IoT・ロボット技術を活用したスマート農林水産業などの開発・実装が急務となっており、農林水産省では多様なバッググラウンドを持つ技術系職員が、自身の専門的な知識・能力を生かしながら、現場の課題を踏まえた政策の企画・立案・実行など広い範囲で活躍しています。

 

●ドローンによる農薬散布
 


●食文化の継承・振興

 次の世代に対し、日本の豊かな食や美しく活力ある地域を継承していくため、農産物の生産振興、農業の担い手育成、農産物・食品の輸出促進、伝統的な食文化の継承など、「食」「農」に関するあらゆるフィールドの課題に全力で取り組んでいます。また、ロボット技術、AI・IoTといった先端技術の導入を進めることで、農作業の効率化を図るとともに、化学農薬・化学肥料の使用量削減など環境への負荷を軽減し、持続可能な農業の実現を目指しています。
 


●基盤整備により大区画化されたほ場(茨城中部地区)
 


●締切堤防の耐震化対策工事(児島湾沿岸地区)

  食料の安定供給を確保し、魅力ある農業・農村を次世代に引き継ぐため、スマート技術の導入に資する農地の大区画化、パイプライン化・ICT活用による水利用の高度化等を推進しています。
 また、激甚化・頻発化する自然災害を踏まえた流域治水の取組、農業水利施設の老朽化対策、豪雨・地震対策等により、農村地域の防災力を高めるとともに、農村の活性化を図るため、情報通信環境の整備等にも取り組んでいます。
 


●木材をふんだんに利用した大規模建築物


●高性能林業機械による森林整備

 国土の7割を占める森林の適切な経営管理による森林資源の循環利用を通じて、次の世代に向けた持続可能な森林づくりを推進すると同時に、豊富な人工林資源を生かした国産材の安定供給と需要拡大に向けて、建築物での国産材利用の促進等に取り組んでいます。
 また、国土の約2割を占める国有林について、適切な森林整備を始めとして生物多様性の保全など公益性を発揮を目指した管理経営に取り組んでいます。

 


●漁獲物の水揚げ風景

 豊かな水産物を次の世代へ。
 近年海洋環境の変化するなか、水産業の成長産業化や水産物の安定供給を図るため、資源管理の着実な実施や、漁船漁業の生産・経営構造の改革、スマート水産技術の導入、資源の減少が懸念されるサケ類・ウナギの安定供給のための技術開発や、ブリ類・マダイ・ホタテガイ等養殖の生産・輸出・消費拡大に取り組んでいます。また生産・流通・小売間の連携強化のもと水産物の付加価値向上を目指し、漁村の活性化を推進します。
 


●スマート水産業を活用し効率的な経営に取り組むマダイ養殖
 


●水産業の拠点となる漁港の整備
 


●水産資源を守る・増やす漁場の整備

 漁港と漁場は、水産業の健全な発展と国民への水産物の安定供給を図るための基盤であり、重要な役割を担っています。水産庁では、漁業を支える防波堤や岸壁といった漁港施設の整備や、豊かな生態系を育む場である藻場・干潟の保全・創造の取組を行っています。また、豊かな自然や漁村ならではの地域資源の価値や魅力を活かした「海業(うみぎょう)」等の取組を推進し、漁村の振興を図っています。
    

職員紹介

窪田 隆一
窪田さん
農林水産省 農産局 穀物課 総括係

 
2021年4月 農林水産省採用 生産局総務課
2021年7月 農産局総務課
2022年4月 大臣官房地方課災害総合対策室
2023年7月 大臣官房政策課技術政策室
2025年4月 現職



理系の知識を活かして、課題解決の方法を一緒に考えましょう!

 
◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒

 2021年採用 総合職試験(農業科学・水産)大卒
 

◇ 国家公務員になろうと思ったきっかけ
  学生時代に農学に関する勉強や研究をする中で、得た知識を活用した仕事ができればと考えていました。国家公務員であれば、スケールの大きな仕事ができ、また、多様な政策分野に関わることができるのことが魅力だと感じました。
 
◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係
 大学では、農学部において、農業の基本的な用語や実情を学んだことに加え、実験室での実験やフィールドでの作業等を経験したことが、日々の業務に役立っていると感じています。普段の業務は事務作業が主で、自分が実験をしたり、外に出て作業をするといったことはありませんが、学生時代に学んだ基本的な知識があることで、日々の業務が農業現場でどのように還元されているのかのイメージをもって仕事ができていると感じています。 

◇ 記憶に残っている業務
 前職で、ロボットやAI、IoTを活用して生産性を向上させる「スマート農業」を推進するための新しい協議会の立ち上げ準備を行ったことが記憶に残っています。具体的な内容を考えることに加え、会場の設置といった物理的な対応も含めて準備は大変でしたが、会合には、1,000名を超える方に参画いただき、会の終了後もたくさんの方が会場に残って、意見交換を行っていたのが印象的でした。
 
◇ 日々の仕事
 米や麦などの穀物の生産振興等を担う課の窓口としての業務を行っています。自分の所属する課に関係する作業や依頼事項などについて、適切な担当者に作業をお願いしたり、その作業内容をとりまとめたりといった業務を日々行っています。特定のことを突き詰めていくというよりは、幅広い情報を把握して、即座に対応していくといったことが必要な仕事だと思っています。
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐
 国家公務員の仕事は、大規模な事業や全国的な施策に携わることができることや、多様な関係者と関わることができることが魅力だと思っています。立場の異なる方々からの意見や要望を聞く機会が多くあり、多角的な視点から、農林水産業の実情を見ることができることが面白いと感じています。
 
◇ テレワークの経験
 入省して1年目、2年目はコロナ渦だったこともあり、テレワークを週に2日もしくは3日行うこともありました。各種依頼事項に対する連絡調整業務や資料作成が主な業務で、メールやチャットの連絡に加え、電話等も活用して上司に相談できる環境だったため、業務をする上でそこまで不便はありませんでした。満員電車での通勤のストレスがなくなることや、通勤時間が節約できるといったメリットが一番大きいと感じました。
 
◇ ある1日のスケジュール
 9:30 登庁
10:00 メール等のチェック
11:00 作業依頼に関して、作業方針の打合せ
12:00 昼食(キッチンカーでお弁当を購入)
13:00 上司、管理職への資料の説明
15:00 国会議員への資料のお届け
17:00 翌日の国会に向けた答弁作成の調整
20:00 退庁
21:00 家でゆっくり食事をしながら、ドラマの鑑賞
 

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