|
根岸 辰太朗 |
財務省 関税局業務課 総括係長
平成26年採用 総合職(化学・生物・薬学) |
|
|
|
◇ 学生時代の専攻分野は? |
薬学(医薬品の費用対効果に関する研究等)
|
◇ 志望動機は? |
官庁訪問直前の業務説明会で聞いた、たった30分の説明で、私の第一志望は関税局・税関に決まりました。説明会では、「不正薬物の密輸取締り」、「偽造医薬品の輸入差止」、「関税中央分析所」のような薬学に関連しそうな言葉が次から次へと出てくる一方で、「税の徴収」、「テロ対策」、「国際交渉」といった専門外ながらも強く興味がそそられる言葉も多くあり、関税局・税関の業務の広範さと奥深さを十二分に感じました。そして、「この先薬学の道を進み続ける自信はないけど、今まで勉強してきたことを無駄にはしたくない…」と考えていた私の心に強く響きました。
|
◇ 採用後の経歴は? |
1、2年目は財務省関税局で、若手ながらも関税政策の企画・立案に携わり、法律の制定や国際会議への出席などを経験しました。
3年目は大阪税関に出向し、旅客の荷物検査や密輸事件の調査といった税関業務を行いました。
4、5年目は内閣官房TPP等政府対策本部に出向し、TPP11協定や日米貿易協定の交渉に携わりました。
6年目は英国・マンチェスター大学に留学し、医療関係のデータサイエンスを学び、修士号を獲得しました。
帰国後は財務省関税局に戻り、今度は係長として関税政策の企画・立案に携わっています。
|
◇ 日々の仕事の様子は? |
上司への説明や資料作成、関税局内各所との連絡・調整といった業務で日々忙しくしていますが、より良い税関行政を目指し、税関や関係団体の担当者と意見交換を行うことも少なくありません。
|
◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
専門性が活かされる機会を待つのではなく、専門性を積極的に日々の業務に活かしていくことが大切です。税関は、動植物から化学品、機械類に至るまで世の中のありとあらゆるものを扱って(通関して)おり、各品目に関する高度な専門性が求められますので、薬学だけでなく理系の多くの分野について、その専門性が必要となります。より一般的に言えば、「論理的に考える力」や「場合分けして考える力」は理系の強みだと思いますが、これらは日々の業務を行う上で必要不可欠な能力であり、エクセルやパワーポイント、統計ソフトの扱いに慣れていることを含め、「理系でよかった」と思う機会は多々あると思います。
私自身も、専門性を最大限アピールすることで、英国留学という大変貴重な経験ができました。
|
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
自身の専門を活かしつつ新たな分野にチャレンジできることは大変な幸せです。また、特に総合職として入った場合、財務省関税局での勤務を中心としつつも税関への出向が多いため、自身が携わった政策が税関の現場でどう運用されているかを自らの目で確かめることができ、加えて現場で感じた問題点を新たな政策につなげられるため、日々の業務をモチベーション高く行うことができます。
関税局・税関は海外とのつながりも強く、海外出張はもちろん、留学や海外勤務の機会が多いことも魅力の一つです。
|
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
周りから、「入省したときと比べて大人になったね」と言われたときです。頻繁に言われるので嬉しくもありますが、当時の自分の言動への心配が勝り、素直に喜べないこともしばしばあります。
|
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
仕事と生活の両立や、自身が学んだ薬学の知識の活用については常に模索しています。
|
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
税関の広報。税関の仕事をテレビドラマ化できないかなど考えています。
|
(令和4年1月) |