職 員 紹 介
  
       
菊地 康治   渡部 慶彦   早瀬 穂奈実
   
環境省  水・大気環境局 自動車環境対策課  係員   環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 フロン対策室 係員   環境省 自然環境局 野生生物課 希少種保全推進室・指定検討第一係長
平成29年採用 一般職(化学)   令和3年採用 総合職(工学)   平成29年採用 総合職(森林・自然環境)
 
       
大嶋 達也   岩﨑 辰也    
     
環境省 中部地方環境事務所 信越自然環境事務所 中部山岳国立公園管理事務所 上高地管理官事務所・国立公園管理官   環境省 九州地方環境事務所 沖縄奄美自然環境事務所 自然環境整備課・自然保護官    
平成28年採用一般職( 農学)   平成27年採用一般職( 農業農村工学)    
  

 
  
菊地 康治 
 
環境省 水・大気環境局 自動車環境対策課 係員
 
平成29年採用 一般職(化学)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
細胞生物学
 
◇ 志望動機は?
 実家の所在地が、自動車排ガスに起因する大気汚染が全国的に見てもひどい地域だったこともあり、もともと幼少期から環境汚染は身近にありました。環境省を志望省庁として意識したのは、所属研究室の研究テーマの一つに化学物質の有害性も含まれていたことから、幼少期の記憶もあり、就職活動の時にふと化学物質や排ガス規制について調べたことがきっかけです。正直に言うとこの時点では、ある程度は惹かれつつも、特に強い魅力は感じてはいなかったのですが、漠然とした自分の中の方向性として人々の住環境をよくしたいと思ったきっかけではありました。いろいろと進路を悩んだ挙句環境省に官庁訪問させていただくことになり、早速情報収集をしたところ、大気環境の改善に向けた取組のほかにも、地球環境のグローバルでダイナミックな施策、自然あふれる国立公園の管理や振興など、魅力あふれる仕事の幅に驚き、また、自分の固定観念を心からしっかりと改め、胸を張って志望することができたように記憶しています。
  
◇ 採用後の経歴は?
 (省庁によりますが)基本的に1~3年目の係員は各課室で「窓口」と呼ばれ、省内のとりまとめ部署から来た千差万別な依頼を、課内の担当まで連絡する(一般的にはあまりおもしろくない)仕事をすることになります。当時所属していた廃棄物・リサイクルの部署では、この「窓口」だけではなく、法令担当として業務を割り振っていただいたので、理系が慣れない条文相手に苦労していたものの、それに見合う充実した仕事内容でした。4年目の途中からは自動車関係の業務をしており、運輸部門の脱炭素化、主に電動車の普及を担当しています。基幹産業たる自動車産業も関連する仕事なので、業務は比較的多忙な部類に入りますが、社会の変化を目の当たりにできるので大変刺激的な仕事です。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 EVをはじめとした電動車をいかに社会に普及させるかを念頭に、担当している予算事業の制度設計、次年度にどのような事業が必要となってくるか、またその予算をとるためにどんな説明やロジックが必要で、そのためにどんな材料・情報が必要か、ということを常に考え、メーカーや事業者へのヒアリングも含め情報収集に励んでいます。また、EVシフトをはじめ、自動車の脱炭素化は国会でも注目度の高い案件なので、国会議員からの質問や資料要求にも日々対応しています。
  
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 あえてぼやかさずにはっきり言いますが、学生時代の専攻で学んだ知識がそのまま業務に活かされたことはいまのところ一度もありません(少なくとも私の経験上は)。ですが、学生時代に培った知らない分野を詳しく学ぼうという姿勢は間違いなく業務に活かされていると思います。就活の際には自分の専攻や専門性を活かすことに躍起になっている人もいるかもしれませんが、そこにはあまりこだわらず、あえて知らない世界に飛び込んでいっていろいろ学ぶのも人生の醍醐味なんじゃないかと思います(若輩者が偉そうにすみません)。
 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 なにより、「社会を動かしている」という事実がおもしろみであり、やり甲斐です。逆にそこにおもしろさややり甲斐を感じない方は役人は続かないと思います。たしかに、社会を動かすという目的だけで言えば、商社やメーカーも十分成し遂げられると思いますが、支援や規制といった社会のルールづくりに携わり、まさに目の前で起きている政治の応酬に関与できるのは、役人の仕事ならではのおもしろみ、やり甲斐だと思います。
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 まず、なにをもって成長というかは人それぞれかと思いますが、役所に長年所属していて、担当していた法令や予算、その他さまざまな行政を運営する際に必要な知識を得るのは職務上当然のことなので、ここでは割愛したいと思います。その上で、定量的に成長している、と個人的に思うのが仕事のメールを読むスピードです。ご存じのとおり、霞が関はメール文化なので一日に何十通、時には何百通もメールが送られてくるのですが、入省直後は全てのメールを読むので精一杯でした。何年かそんな状況におかれると人間の適応力というものはすごいもので、一目見ただけで重要なメールかどうかが判断できるようになり、目に見えて事務処理スピードは上がりました。ほかに挙げるとすると、日々のニュースを見るようになったり、国際・国内問わず社会の動きを追うようになったので、その点では社会に対する視野が広がったと感じます。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 これといった趣味は持っていないのですが、これまで仕事と生活の両立はうまくできていたと思います。基本的に休日はカレンダー通りで、国会や他のお役所も基本的にみなさんお休みなので休日が仕事に侵食されるようなことはほとんどありません。異動の直前などは引き継ぎもあって休日出勤もやむなしでしたが、それ以外で休日出勤の経験はないです。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 引き続き地球温暖化対策、特に地域の脱炭素化には関わっていきたいです。
 
 (令和4年12月)

  
渡部 慶彦 
 
環境省 地球環境局地球温暖化対策課 フロン対策室 係員
 
令和3年採用 総合職(工学)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
衛生工学
 
◇ 志望動機は?
 幼いころから環境問題に興味を持っており、大学でも衛生工学を専攻していました。仕事としても環境を守ることに携わりたいと考えた結果、環境問題に真正面から取組める環境省に魅力を感じ、志望しました。
  
◇ 採用後の経歴は?
 1年目は気候変動問題に係る科学的知見の取りまとめや、グリーン社会実現に向けた技術戦略の策定などに携わっていました。また、環境問題に係る大学等間連携にも取り組んでいました。現在は、冷蔵庫や空調の冷媒として使われる、フロン類の規制に携わっており、国内・外でのフロン類の削減を推進するため、特に回収・処理の観点から法律の適切な運用、見直し、そして日本の技術の国際展開等を行っています。
 
◇ 日々の仕事の様子は?
 フロン類を含む空調機器や冷蔵・冷凍機器の管理や処理に関する法制度の運用、冷媒が含まれる機器を製造している業者や業界団体等との意見交換、調整を行っています。また、フロン類の適切な利用・管理のために、どのような制度の在り方があるかといった調査・検討も行っています。そのほか、日本の技術を海外展開するための情報収集や意見交換等も業務の一つです。
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 学生時代の専門性がそのまま活かされているというよりも、研究活動を通して培われた科学リテラシー全般が幅広く業務に役立っていると感じます。新しい科学的な知見やデータを法律として政策に落とし込むなど、科学と政策のつなぎ目のような役割を果たせるのが、技術系公務員の強みだと思います。
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 一番は真剣に環境問題、国民生活のことを考えながら仕事が出来るところです。こうした目的意識を持てるのは、環境省、ひいては国家公務員の大きな特徴だと思います。若いうちからスケールの大きな仕事に取組めることもやり甲斐の一つです。
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 様々な業界の方や研究者の方と、環境省という立場でやりとりすることで、社会人として少しずつ成長しているのかなと思います。省内では若手であっても、外から見れば自身の発言は環境省の発言になるといった、他にはない緊張感が、成長する機会を与えてくれていると感じます。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 今休日は友人とご飯を食べに行くほか、国内の旅行によく行きます。オンとオフがはっきりしている職場なので、平日はしっかり働き、休日はゆっくり羽を伸ばしています。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 環境政策全般に幅広く関わっていきたいと思っていますが、水環境や水道関係の業務にはいずれ携わりたいという思いが強いです。また、今取り組んでいる気候変動問題もキャリアを通じて携わっていきたい分野のひとつです。
 
  (令和4年12月)

 
 
早瀬 穂奈実 
 
環境省 自然環境局 野生生物課 希少種保全推進室・指定検討第一係長
 
平成29年採用 総合職(森林・自然環境)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
獣医学
 
◇ 志望動機は?
 元々野生動物を守る仕事がしたいと考えていましたが、自然の保護に偏らず、自然環境と人間社会、双方に利益があるような社会作りを考えたいと思い環境省を志望しました。レンジャーとして全国に赴任し、現場も知った上で法律や制度など自然を守る施策に携われることも大きな魅力だと思います。
  
◇ 採用後の経歴は?
 入省1年目は、本省で犬猫の適正飼養や動物愛護に関する施策に関わりました。2年目~4年目は鹿児島県奄美大島に赴任し、世界自然遺産登録に向けた取組や国立公園の保護管理、野生動植物の保護などに携わりました。5年目で本省に戻り、希少種の指定やレッドリストの作成などを担当しています。
 
◇ 日々の仕事の様子は?
  現地にいるときは、市町村役場、地元の人との調整や野生動植物の調査、普及啓発イベント、国立公園の許認可など幅広い業務を日々走り回りながら行っていました。
 本省では、法令改正のための検討会や手続きを進めたり、多くの関係者と調整をしながら施策の方針をまとめたりしています。テレワークの普及も進み、家でも職場と同じように仕事ができるようになりました。
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 専門的な研究者等と関わることが多いため、人獣共通感染症や動物の生態などコミュニケーションの基礎知識として役立つことがあります。
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 現地では、地域の一員となって地元の方々と一緒に自然を守る取組を行うため、地域の人に頼りにされたり、成果が見えたりすると地域のために仕事ができたのだととても力になります。
 また、世界自然遺産登録や法令改正など、大きな出来事に最前線で関われることもやり甲斐のひとつだと思います。現地で関わっていた沖縄・奄美が世界自然遺産登録されたときは本当に嬉しかったです。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 本省での勤務は、休日などのオンオフがはっきりしているので計画的に休みを取って旅行に行くなどリフレッシュしています。現地にいた時は、休みの日にも山や海に行って自然を満喫したり、集落行事に参加したりして、そこでしかできない体験をたくさんしました。
 
 (令和3年10月)

 
  
大嶋 達也 
 
環境省 中部地方環境事務所 信越自然環境事務所 中部山岳国立公園管理事務所 上高地管理官事務所・国立公園管理官 
 
平成28年採用 一般職(農学)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
植物生態学
 
◇ 志望動機は?
 学生時代に携わった、ユネスコエコパークという概念から、人と自然の共生というテーマについて考えるようになりました。環境省自然環境局の業務は、そのような仕事に第一線で関わることができるところが自分にとって大きな魅力でした。また、全国転勤というところも魅力のひとつでした。旅行でいろいろな場所に行くことは誰にでもできますが、その場所に住んで地域の生活や文化の中に身を置くことは貴重な機会だと思います。
 
◇ 採用後の経歴は?
 最初は鹿児島県の屋久島に赴任し、世界自然遺産やラムサール湿地の管理などに携わりました。中でも、ラムサール湿地に指定されているウミガメの生息環境の保護管理について、地域の中に入り込んで保護と利用の仕組みづくりに奮闘しました。そのほか、直轄の山岳トイレや歩道の維持管理、希少植物の生育状況調査なども思い出に残っています。
 その後、長野県の上高地に赴任し、国立公園の管理運営に携わっています。日本の国立公園の顔ともいえる場所で、協働型管理体制の「エリアマネージャー」として、自らの事業実施のみならず、官民様々な地域関係者の調整役も担い、魅力的な国立公園づくりに奮闘しています。  
 
◇ 日々の仕事の様子は?
 現場に出て利用状況や登山道の様子を見たりすることもあれば、会議運営や国立公園管理の仕組みづくりの検討・合意形成を行うこともあり、オールラウンダーな仕事だと感じます(自分で言うのは恐縮ですが)。直接人と会って話すことや現場を見ることを大切にしています。それが現地に人が配属されている強みであり責任だと考えています。
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 大学で学んだ植物生態学はもちろんのこと、多少なりとも登山やフィールドワークをした経験は巡視や調査、企画立案などの実務にも活かされています。一方で、この職業は自然環境のみならず、土木、建築、観光、合意形成、会議運営、許認可事務など多彩な分野の知識や経験が求められるため、日々向上心をもって業務に取り組んでいます。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 業務量が多く、かつそれぞれの業務の責任の重さや社会に与える影響の重大さは無視できませんが、それだけ多種多様でチャレンジングな経験ができます。また、同じ志をもった地域関係者と思いや悩みを共有して、官民の枠を超えて一緒になって良くしていこうと頑張れるところにやり甲斐を感じます。
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 全国ニュースに出る会議や目上の人との対話など緊張しがちな局面においても冷静でいられるようになりました。これも会議の準備やさまざまな関係者とのコミュニケーションなど目の前の業務に対して、これまで一生懸命取り組んできた証拠なのかなととらえています。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 最近娘が生まれましたが、きっちり育児家事と仕事を両立できていると言ったら、妻には怒られるかもしれません(笑)。 ただ、職場の理解も厚く、休みをいただいて娘を予防接種に連れて行くこともあります。バランスのとり方が難しいときもありますが、家庭と仕事の両立について前向きに考えられる環境で仕事ができるのは幸せなことだと感じています。
 
 (令和3年10月)

 
  
岩﨑 辰也 
 
環境省 九州地方環境事務所 沖縄奄美自然環境事務所 自然環境整備課・自然保護官
 
平成27年採用 一般職(農業農村工学)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
生物環境工学
 
◇ 志望動機は?
 国立公園の優れた自然を多くの人に知ってもらい、ふれあってもらうことで、地方創生に貢献したい、国立公園に関わる仕事がしたいという思いで環境省に入省しました。
 
◇ 採用後の経歴は?
  1~2年目の釧路自然環境事務所では、知床国立公園の登山道再整備工事や阿寒国立公園の木道再整備工事などに携わりました。
 3年目の東北地方環境事務所十和田八幡平国立公園管理事務所では、園地やキャンプ場の再整備工事の現場監督や、ビジターセンターやトイレの再整備のため地元関係自治体や住民との調整を行いながら設計に携わりました。
 4~6年目の東北地方環境事務所では、十和田八幡平国立公園十和田湖畔の廃屋撤去による景観改善を行う工事や公衆トイレ新築工事などに携わりました。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 現在は、奄美群島、やんばる、慶良間諸島、西表石垣国立公園を管轄する沖縄奄美自然環境事務所で、ビジターセンターや歩道、標識など国立公園内の施設を整備するための、測量設計や工事に携わっています。
 優れた自然の風景を活かしつつ、国内外の多くの人に自然とのふれあいを楽しみ満足していただけるよう各関係機関、自治体、業者と一緒に協力して進めています。
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 国立公園内の施設は、雪害や塩害、火山性ガス等の厳しい気象条件下に設置されることもあります。例えば、長年住んでいる地元住民や業者の方にその場所の積雪状況を教えてもらい、資材、施工方法等を決めて、快適で安全な施設整備をするよう工夫しています。
 多くの人と協力して関わってきた事業により、現場が変化していく様子を見届けることができることにやり甲斐を感じてます。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 現在沖縄での休日は、二人の娘たち(5歳、0歳)と毎週のように海で海水浴や磯遊びをしています。これから家族で離島巡りもしていきたいです。
 
 (令和3年10月)

  
  
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