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菊地 康治  |
環境省 水・大気環境局 自動車環境対策課 係員
平成29年採用 一般職(化学) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
細胞生物学
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◇ 志望動機は? |
実家の所在地が、自動車排ガスに起因する大気汚染が全国的に見てもひどい地域だったこともあり、もともと幼少期から環境汚染は身近にありました。環境省を志望省庁として意識したのは、所属研究室の研究テーマの一つに化学物質の有害性も含まれていたことから、幼少期の記憶もあり、就職活動の時にふと化学物質や排ガス規制について調べたことがきっかけです。正直に言うとこの時点では、ある程度は惹かれつつも、特に強い魅力は感じてはいなかったのですが、漠然とした自分の中の方向性として人々の住環境をよくしたいと思ったきっかけではありました。いろいろと進路を悩んだ挙句環境省に官庁訪問させていただくことになり、早速情報収集をしたところ、大気環境の改善に向けた取組のほかにも、地球環境のグローバルでダイナミックな施策、自然あふれる国立公園の管理や振興など、魅力あふれる仕事の幅に驚き、また、自分の固定観念を心からしっかりと改め、胸を張って志望することができたように記憶しています。
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◇ 採用後の経歴は? |
(省庁によりますが)基本的に1~3年目の係員は各課室で「窓口」と呼ばれ、省内のとりまとめ部署から来た千差万別な依頼を、課内の担当まで連絡する(一般的にはあまりおもしろくない)仕事をすることになります。当時所属していた廃棄物・リサイクルの部署では、この「窓口」だけではなく、法令担当として業務を割り振っていただいたので、理系が慣れない条文相手に苦労していたものの、それに見合う充実した仕事内容でした。4年目の途中からは自動車関係の業務をしており、運輸部門の脱炭素化、主に電動車の普及を担当しています。基幹産業たる自動車産業も関連する仕事なので、業務は比較的多忙な部類に入りますが、社会の変化を目の当たりにできるので大変刺激的な仕事です。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
EVをはじめとした電動車をいかに社会に普及させるかを念頭に、担当している予算事業の制度設計、次年度にどのような事業が必要となってくるか、またその予算をとるためにどんな説明やロジックが必要で、そのためにどんな材料・情報が必要か、ということを常に考え、メーカーや事業者へのヒアリングも含め情報収集に励んでいます。また、EVシフトをはじめ、自動車の脱炭素化は国会でも注目度の高い案件なので、国会議員からの質問や資料要求にも日々対応しています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
なにより、「社会を動かしている」という事実がおもしろみであり、やり甲斐です。逆にそこにおもしろさややり甲斐を感じない方は役人は続かないと思います。たしかに、社会を動かすという目的だけで言えば、商社やメーカーも十分成し遂げられると思いますが、支援や規制といった社会のルールづくりに携わり、まさに目の前で起きている政治の応酬に関与できるのは、役人の仕事ならではのおもしろみ、やり甲斐だと思います。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
まず、なにをもって成長というかは人それぞれかと思いますが、役所に長年所属していて、担当していた法令や予算、その他さまざまな行政を運営する際に必要な知識を得るのは職務上当然のことなので、ここでは割愛したいと思います。その上で、定量的に成長している、と個人的に思うのが仕事のメールを読むスピードです。ご存じのとおり、霞が関はメール文化なので一日に何十通、時には何百通もメールが送られてくるのですが、入省直後は全てのメールを読むので精一杯でした。何年かそんな状況におかれると人間の適応力というものはすごいもので、一目見ただけで重要なメールかどうかが判断できるようになり、目に見えて事務処理スピードは上がりました。ほかに挙げるとすると、日々のニュースを見るようになったり、国際・国内問わず社会の動きを追うようになったので、その点では社会に対する視野が広がったと感じます。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
これといった趣味は持っていないのですが、これまで仕事と生活の両立はうまくできていたと思います。基本的に休日はカレンダー通りで、国会や他のお役所も基本的にみなさんお休みなので休日が仕事に侵食されるようなことはほとんどありません。異動の直前などは引き継ぎもあって休日出勤もやむなしでしたが、それ以外で休日出勤の経験はないです。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
引き続き地球温暖化対策、特に地域の脱炭素化には関わっていきたいです。
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(令和4年12月) |