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五十嵐 文典 |
農林水産省 関東農政局 印旛沼二期農業水利事業所 調査設計課長
平成25年採用 農業農村工学 |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
地域環境工学
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◇ 志望動機は? |
大学で学んだ農業農村工学をベースに、農家個人では解決できない課題に対して、国という大きなスケールで取り組めることに魅力を感じ、農林水産省を志望しました。
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◇ 採用後の経歴は? |
これまで、農林水産省本省で通算3年、現場の国営事業所で通算4年半勤務し、それぞれ農業インフラの整備に関する業務に携わってきました。また、2年間海外留学を経験しました。
係員時代に配属された鹿児島県の現場事業所では、農業用ダムを建設するための工事費の積算や工事の監督等を行いました。整備された施設を活用して畑地で自由に水が使えるようになった結果、様々な野菜が栽培されるようになり、地域が元気になっていくのを目の当たりにしました。まさに、現場勤務の醍醐味だったと感じます。
2年間の海外留学では、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の大学院で公共政策学を専攻し、政策の立案や評価の基本となる経済学、統計学、政治学に加え、マネジメントや交渉術等について学びました。
本省係長としては、農業インフラの整備を通じた農業の成長産業化や農業・農村の強靱化に関する政策立案等に携わりました。短時間で重要な案件を処理しなければならない状況も多く、霞ヶ関らしい刺激的な日々でした。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
現在は、千葉県の印旛沼周辺の水田地域で、老朽化した農業用のポンプ施設やパイプライン等を更新する国営事業に携わっており、主に事業推進のための調査、計画策定や地元調整を行っています。
全国の農村地域では、数十年前に建設した農業インフラの老朽化が問題となっており、施設が壊れて営農に支障が生じることがあります。印旛沼周辺も同様の課題を抱えているため、私たちの事業に対する地元の方々からの期待は、大変大きいと感じています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
現場事業所では、農業インフラの建設等に関する調査、計画、設計、施工を行いますが、これらには水理学や土質力学などの大学で学んだ専門的な知識が活かされています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
政策の立案と実施、両方の現場を知ることができる点です。本省には、全国各地の様々な情報が集まる一方、情報伝達の途中で、意図せず誰かの解釈や意向が加わることもあり、真の課題がぼやけてしまうことがあります。
現場事業所という政策の最前線だからこそ、気付ける課題があります。本省勤務で、それらの解決に向けた制度の改善に取り組めるというのは、技術系職員としての仕事の面白みの一つだと思います。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
現場事業所の係員の頃は、課長が難しい案件について関係機関に説明し、徐々に理解を得ていくプロセスを眺めながら「すごいなあ」と感じていました。
今年度、現場事業所の課長となり、複雑な案件を関係者に説明して回る必要が生じた際、かつて見ていた課長の姿や留学時代に学んだことなどを思い出しながら対応し、どうにか理解を得ることができました。これまでの経験を糧に少しは成長できたのかなと感じた瞬間でした。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
本省係長時代に第一子が生まれました。国会対応のある多忙な部署でしたが、上司や同僚の後押しもあり育児のための休暇を取得しました。現在も、休日に子どもと遊ぶことが、良い気分転換になっています。
また、我が家の主食は印旛沼周辺で収穫されたお米ですが、子どもがご飯を口いっぱいに頬張る姿を見て癒やされています。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
農業・農村は多くの課題を抱えていますが、成長ポテンシャルの高い分野だと感じています。引き続き、より良い農業・農村の実現に向けた政策立案に携わっていきたいと考えています。
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(令和4年12月) |
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井上 壮彌 |
スポーツ庁 参事官(地域振興担当)付 企画係(併)庶務係(出向中)
平成30年採用 総合職(工学)(院卒) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
機械工学(流体力学)
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◇ 志望動機は? |
私ははじめ、学生時代までに培ってきた知見を活かして、より幸福度の高い社会の実現に寄与できる仕事に就きたいと考えていました。そして、官庁訪問や説明会で現職の先輩方の話を聞いていく過程で、幸福度の高い社会を実現する手段として、生命に直結する「食」に携わり、重要な政策の企画・立案に携わることができる農水省で働きたいと思い、志望しました。
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◇ 採用後の経歴は? |
3年間農水省にて勤務後、現在は他省庁(スポーツ庁)出向1年目です。
最初はロボット・AI・IoT等の先端技術を活用したスマート農業に携わりました。自動運転トラクターや、果実の収穫ロボット、農薬散布ドローン等、自分自身が学んできた知見が活きる時が垣間見えることもありました。
その他、宇宙政策の省内窓口や、「みどりの食料システム戦略」の策定に係る業務など、技術に関する政策的業務のとりまとめ担当として携わりました。
その後は食料・農業・農村白書の執筆や広報を担当しました。省内の施策を幅広く勉強したり、企業・自治体に取材したりして、統計データや写真を駆使し、読者の方々が少しでも手に取り読んでいただけるように努めました。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
現在は、スポーツ庁にて、スポーツを通じた「まちづくり」や、地域スポーツ施設の充実といった地域住民向けのスポーツの「場づくり」などの推進に係る業務に携わっています。
さらに、全国の自治体の中で、スポーツによるまちづくりに積極的に取り組む自治体を表彰し、全国に周知する「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰」を行い、自治体の取組を広く紹介しているところです。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
大学・大学院では、粘性と弾性を兼ね備えた流体が急縮小部を持つ管路を流れる様子の研究をしていました。流れの様子は、絵具を混ぜた流体に暗室でレーザーを照射し、カメラで撮影した画像を解析していました。
研究を通じた卒業論文、修士論文の執筆や、指導教員・研究室員との対話によって培った論理的思考力や目標設定、問題解決能力は、対人説明や交渉を円滑に進める武器になります。また、技術的専門用語にもある程度慣れているため、例えば、「マルチスペクトルカメラを搭載したドローンによる農作物の生育状況の観察」と聞いた時も、実際の様子が容易に想像できますし、字面の説明もできます。これは、法律や政治を専攻して入省した職員にはあまりない、技術系の強みだと思います。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
所属課室の業務が、新聞の一面、二面などを飾ったり、朝の報道で会議の様子や資料の画像と共に取り上げられたときは、達成感を強く感じることができます。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
国会議員の先生から資料の提供依頼が来た時、一人で回答メモを作成し、上司から修正なしで了承いただけたことです。入省当時は右も左も分からずでしたが、依頼された業務の特性を瞬時に判断し、的確に処理する作業に慣れてきた証だと思いました。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
休日は、身体を動かしたり、読書したり、家族と買い物を楽しんだりと、仕事のことは忘れてリフレッシュしています。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
様々な基準やガイドライン等、農林水産業の政策をこれからも勉強して自己研鑽を重ねるところですが、特に食品安全に係る業務に携わっていきたいと、考えています。
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(令和4年12月) |
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提箸 真弘 |
水産庁 漁港漁場整備部 整備課 設計班 性能規定係長
平成28年採用 総合職(工学) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
海岸工学
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◇ 志望動機は? |
学生時代、漁業体験を通して漁場造成の効果を実感したこと、専攻の海岸工学を活かせることから、水産庁の工学系に興味を持ちました。また、水産庁の工学系職員として入庁すると、水産インフラの整備、漁場の造成、海洋環境の改善、漁村のまちづくり等の多様な分野に携われることに魅力を感じていました。
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◇ 採用後の経歴は? |
平成28年度 水産庁漁港漁場整備部整備課設計班
(漁港・漁場整備の技術開発や藻場造成の全国的な会議の開催等に係る業務)
平成29-30年度 水産庁漁港漁場整備部計画課事業班
(漁港・漁場整備に係る予算の確保・配分、事業制度の充実や事業の進捗管理に係る業務)
平成31年度 水産庁漁政部漁政課総括班
(水産行政全般に係る総括業務)
令和2-3年度 国土交通省九州地方整備局博多港湾・空港整備事務所企画調整課
(博多港等の長期整備計画や事業評価、広報業務等に係る業務)
令和4年度- 水産庁漁港漁場整備部整備課設計班
(漁港・漁場の施設設計やサンゴの増殖技術開発等に係る業務)
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◇ 日々の仕事の様子は? |
全国の自治体等が利用する漁港・漁場の施設の設計基準を改訂するため、庁内の関係部署だけでなく、外部関係機関や研究所と協議を重ねたり、自治体や民間団体にヒアリングをしたり、有識者にお集まりいただく委員会を開催したりと、多様な関係者との調整を行っています。毎度新たな知識や観点を得ることができますので、日々、より良い設計のあり方を模索し、磨きをかけています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
大学で学んだ専門知識や経験がそのまま使える場面もありますが、それらはあくまで基礎となるものの一部です。その上に働きながら覚えた知識や経験、肌感覚等が発揮されて仕事をしますので、大切なのは業務を通して多くを吸収しようという気持ちだと思います。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
色々な場所で、色々な人と、色々な仕事ができることです。国家公務員は出向によって所属する組織も変わりますので、様々な角度から自分の専門性が形成されていきます。また、仕事でご一緒する人も多様ですので、全国に知り合いができていくことも面白いです。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
業務を通して勉強を重ね、関係者と議論することで、担当する分野に自信が持てるようになり、人前でも堂々と話したり講演したりできるようになります。新たな分野や職場に挑戦する時、吸収しようという気持ちさえあれば、誰でも成長できると思います。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
基本的にカレンダー通りの休日を確保できますし、平日においても有給取得等のライフワークバランスの取組が広まっていると思います。公私ともに充実した平日を過ごすためには、ToDoリストを作って効率よくタスクをこなし、勤務時間が終わればスパッと退勤するなど、メリハリをしっかりつけることが大切だと思います。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
水産土木の世界はかなり奥が深いので、未経験の部署に挑戦しながら、どんな場面でも活躍して現場の役に立てる行政官になりたいです。自分自身が勉強を重ねていくことも勿論大切ですが、現場をよく知っている人、科学的な知見を有する人の知識や経験を、適切に施策に反映していくことも行政官の役目だと考えます。多くの人を繋ぎ、それらを社会に還元できるよう、努めていきたいと思います。
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(令和4年12月) |
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山田 洋輔 |
在フィジー日本国大使館(出向中)
平成26年採用 Ⅰ種(農学Ⅳ) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
海洋生物資源学
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◇ 志望動機は? |
幼少期より、釣り・魚・海に強い関心を持っていました。それがきっかけで大学でも同分野を専門的に勉強していました。就職活動するにあたって、自分のこれまで学んできたことを少しでも活かせる職場で働きたいと思い、水産行政について関心を持つようになりました。その中でも多岐にわたる水産業を管理する水産庁に魅力を感じ、志望することにしました。
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◇ 採用後の経歴は? |
採用後2年間は、国際課捕鯨班で、国内外に対して日本の捕鯨政策を理解してもらう仕事に携わっていました。鯨類資源調査の監督官として南極海に行けたのは思い出深いです。
その後2年間、山口県庁水産振興課に出向し、新規漁業就業者対策に関する業務を担当していました。日本の沿岸漁業の現状を実感するとともに、多くの現場経験を積むことができ、自分にとって大きな財産となった貴重な期間でした。
再び国際課に戻り、日本のかつお・まぐろ漁船が太平洋島嶼国水域に入漁するための漁業交渉等の担当後、現在は在フィジー日本国大使館で、ODAに関する業務を担当しています。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
現在の業務では、水産に限らない様々な分野のODAを担当しており、毎日が勉強です。ODAは、単に途上国に援助するだけのものではなく、ODAを通じて、日本の信頼を培い、プレゼンスを高める重要な外交政策のツールでもあります。なにか支援を一つするにしても、どうすれば最大の開発効果が得られ、どのように広報活動を行うべきなのか等を考えながら仕事をしています。また、相手国との信頼関係の構築は必要不可欠です。特に太平洋島嶼国の人たちは、お互い対面で会うことで印象が変わり、よりスムーズなコミュニケーションがはかれるようになるので、積極的に対面で会うことを心掛けています。これは、水産庁で勤務していたときにも通じるもので、関係業界との調整においても、お互いに信頼関係構築することが一番重要な仕事だと思っています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
水産分野というだけで共通するバックグランドがたくさんあるので、日々の業務や漁業者と意見交換したりする際にとても役立っていると感じています。もちろん、いまの職場でも漁業関係者と話すときが活発な意見交換ができています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
水産庁にいた頃は、国内外出張・漁業者との意見交換・国際会議への参加等、これまで知らなかった水産分野について知ることできるのが面白味の一つだと感じていました。今の仕事では、日本の支援によって生活がこんなに改善された等の話を現地の人から聞く度にやりがいのある仕事だと感じています。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
色々な部署で働き、様々な経験してきたことで、昔ならどうしようとオドオドしてたことでも、いまでは物怖じせずに仕事に取り組めるようになり、少しは成長したんだなと感じました笑。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
小さい子供二人を連れて、夫婦共に初めての海外生活中です。赴任した直後は初めての海外での仕事・生活の両立を苦労していましたが、今では家族もフィジーでの生活に馴染んでいます。観光立国でもあるフィジーはリゾートも多く、定期的にまとまった休みを取って家族とリゾートでゆっくり過ごしリフレッシュしています。また趣味の釣りも楽しんでいます。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
国際関係の業務に携わってきたが多かったので、資源管理・漁業調整といった分野でも業務し、もっと知識を増やしていければと思っています。
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(令和4年12月) |
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木村 桃子 |
農林水産省 農産局 果樹・茶グループ 総括係
平成29年採用 一般職(農学) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
植物病理学
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◇ 志望動機は? |
私は平成29年の採用ですが、同3月までは県庁職員として働いていました。県庁での仕事もやりがいがありましたが、働いているうちにもっと視野を広げて、今後の日本農業の政策や事業を考えていきたいと思い、その思いを叶えられる「農林水産省」を志望しました。
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◇ 採用後の経歴は? |
採用直後は、九州農政局で現場に近い立場で主に補助事業の執行業務に携わりました。その後、入省3年目で本省へ異動し、農産局穀物課で稲の生産に関わる幅広い業務(施設整備や災害対応、コロナ対策等)に携わりました。現職の農産局果樹・茶グループでは、課の窓口として国会対応や各種作業依頼に対応しています。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
課の窓口として、国会対応や総務課・他局からの作業依頼対応を主に行っています。日々気を付けていることは、課のみなさんの作業負担を少しでも減らせるように、自分でも作業ができるものは少し手入れをしてから作業を依頼するようにしています。仕事をしていく中で、信頼関係が大事と思っていますので作業+αを心掛けています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
農学系の専門知識は仕事でとても役立ちます。資料の中で専門用語がでてくることもあり、高校の生物の勉強、大学での農学系の勉強が役立っていると思います。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
自分が制度設計・執行に携わった事業で採択した事業者・農業者に直接お礼を言われた時、とても嬉しかったです。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
最初は受け身がちだった業務について、自ら提案してみたり、上司と議論できるようになったときです。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
少し先の楽しみ(コンサートなど)を作り、仕事のモチベーションにしています。
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(令和4年12月) |
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有坂 紀子 |
農林水産省 輸出・国際局 総務課 総括係長
平成28年採用 総合職(農業科学・水産) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
分子生物学
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◇ 志望動機は? |
法律や補助事業といった、民間企業にはない手法を持っており、我が国農業が抱える複雑な構造的な課題をこうした様々なツールを使って正面から解決していける可能性があることに魅力を感じました。
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◇ 採用後の経歴は? |
入省して2年間は、農業の担い手不足を解決すべく新規就農者を増やすための施策を講じる部署で働いていました。就農する上での農業特有の課題に日々向き合う中で、国としてできることについて考えさせられました。その後は人事・採用関係の仕事を担当した後、野菜・果樹・花等の生産振興を図るための部署で、施設園芸の担当をしました。施設園芸農家さんがいらっしゃるからこそ私たちは周年、国産野菜等を食べられるのですが、特に秋冬に野菜等を生産するには石油等を焚いてハウス内温度を上げたりする必要があり、環境への影響や生産費の増大が課題となります。こうした課題克服に向けて施策を考えるのは非常に難しかったですが、現場の声を伺いながら新たに補助事業等を作っていくことはとてもやりがいがありました。現在は、農林水産物・食品の輸出や国際交渉を総括する部署で、全体の動きを取りまとめる仕事をしています。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
日頃から現場に対する想像力を持つことを心掛けつつ、補助事業を設計する際には税金の使い方として正しいのかといった視点も持ちながら業務に当たるようにしてきました。
現在は局内の取りまとめとしての立場から、局内の様々な部署の意見を聞きつつ、どのようにすれば関係者が滞りなく仕事を進め、かつ世の中に良い価値を生み出せるか、といったことを総合的に考えながら仕事をしています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
学生時代に農業に関する基本的な知識を得られたために現場を想像しやすいということはやはり農学部で学んだ強みだと思っています。また、研究はPDCAの連続ですが、これは国で仕事をする上でも活かせている大事な思考サイクルだと考えています。ファクトを大切にしながら企画立案や事業の効果検証を重ねていくという姿勢も研究で培うことのできたものだと思っています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
国の仕事はやはり関係者が多く、何らか制度面で変更を加えるなどする場合には多くの関係者との調整が必要となります。こうした作業は非常に骨の折れるもので、調整や交渉が思うように進まないなど緊張感溢れる場面等もありますが、上司や同僚と一丸となって乗り越えていくことはやはりやりがいがあります。また、こうした積み重ねの結果、目的が達成できた際には新聞やニュースで報じられることなどもあり、内容面で現場から評価いただけると、頑張った甲斐があったなとこの上なく嬉しく思います。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
適切な言葉を用いて説明する能力は省庁では非常に重要ですが、入省してからこれまで様々な関係者の方々にご説明する機会があり、こうした経験を通じて少しずつ、説明能力が向上しているように感じています。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
土日や連休は趣味のバードウォッチングや旅行等に夫や友人と出掛けており、意識的に仕事のオンオフを切り替えるようにしています。私生活が充実するほど、業務にもより集中でき良い影響があるように感じています。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題等は? |
食は生命の維持に不可欠であり、かつ人々の暮らしに彩をもたらすとても大切なものです。食料安全保障の確保に加え、日本の美味しい食や食文化を後世にもつないでいけるよう、生産基盤の強化に向けた政策に引き続き携わっていきたいと考えています。
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(令和5年2月) |
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柴﨑 智佳 |
農林水産省 大臣官房政策課 食料安全保障室(育児休業中)
平成23年採用 Ⅰ種(理工Ⅲ) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
地学(地球惑星科学)
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◇ 志望動機は? |
科学の知識を生かして、世の中の暮らしをもっと良いものにしたいと考えていました。自身の業務のすぐ先に、ひとの暮らしがあることに魅力を感じて農林水産省を志望しました。
新しいもの好きな自分にとっては、多様な業務に携われることも魅力的でした。
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◇ 採用後の経歴は? |
これまで農業分野でしか仕事をしていませんが、想像以上に多様な業務に携わることができました。
地学の知識を生かし、離島で農業用水を確保するための公共事業に携わったこともあれば、新規就農や女性の活躍推進に携わったこともあります。現在は我が国の食料安全保障に係る状況の把握に携わっています。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
(令和3年度の状況です)
人工衛星によって撮影した画像を農林水産分野で活用するため、関係事業者との意見交換や、自治体へのヒアリング、現地調査(出張)を企画・実行しました。意見交換やヒアリングはオンラインが基本となっており、自宅からでも対応できます。一方で実際に現地を見ることで理解が深まることも多く、現地に行くことの重要性を改めて認識することもありました。
当時は妊娠中でもありましたが、周囲のサポートもあり、無理なく積極的な仕事ができたと感謝しています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
地学の知識を土木分野で活かせることはもちろんですが、ふとしたところで専門性が活きてくることがあります。
特に、人工衛星の活用や、気候変動対策、災害対応などの分野で、地学の基本的な知識が役立ちました。これらの分野は今後ますます重要になってくると思い、アップデートを欠かさないようにしたいと思います。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
入省時に想像していたとおり、自分の仕事のすぐ先に、農業者や消費者、国民全体といった、ひとの暮らしがあることが感じられることが面白みであり、やり甲斐です。
また、入省してからは、多様なバックグラウンドを持つ職員との出会いも面白みになりました。私も物理系(地質系)という少数派ですが、その少数派ならではの視点で、課題に対するアプローチができた時は大きなやり甲斐を感じます。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
新たな分野に携わることになり、用語もわからない状態から、だんだんと周囲の様子がわかるようになり、自身の過去の経験を含めた視点から課題解決へのアプローチができるようになると、成長したなと感じます。
人工衛星によって撮影した画像の活用を検討した際は、異動直後は人工衛星の名前すら把握していない状態でしたが、最終的には画像の特性を把握した上で様々な分野への活用策を提案できるようになっており、過去の経験が自分の中にきちんと蓄積されているという手ごたえを感じました。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
現在は第一子の育児休業中で、落ち着いて育児に集中できています。
復職後の両立に不安がないといえば噓になりますが、省内には多くの先輩ママがいるので、心強く思っています。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
以前携わった人工衛星の活用や気候変動対策はもっと深く関わっていきたいと感じた分野です。
また、育児の経験や育児を通して得た出会いから、女性の活躍や消費者行政に対する見方が少し変わったと感じています。今後はこうした視点も生かしてみたいと考えています。
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(令和4年12月) |
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今林 利恵子 |
農林水産省 消費・安全局食品安全政策課化学物質管理班推進係長
平成28年採用 総合職(化学・生物・薬学) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
分子生物学
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◇ 志望動機は? |
もともと食に興味があり大学時代に食品の機能性や味覚に関する研究をする中で、食で健康を支える仕事に携わりたいと考えていました。
そこで、暮らしの基礎である食を支え、社会に貢献できる農林水産省の仕事に魅力を感じ志望しました。
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◇ 採用後の経歴は? |
最初に配属された部署では、加工食品中の有害化学物質のリスク管理を担当し、その後、省内で現在の部署を含め2部署を経験しましたがいずれも食品安全に関するリスク管理の業務に携わっています。
また、入省5~6年目に環境省へ出向し、内湾・内海等へ排出される汚濁物質を削減する制度を担当しました。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
現在は、食品中に意図せず含まれる有害化学物質によって人の健康に悪影響が生じないように様々な調査・対策等を行うリスク管理の業務を担当しています。
具体的には、食品中に有害科学物質がどれくらい含まれているのかを把握するための調査を企画したり、調査結果を解析してその有害物質を低減する必要があるか・どのような対策が適当かといった検討を行い必要に応じて対策を実施したりする仕事です。調査や対策について食品事業者の方と意見交換をしたり、実際に製造現場を見る機会も多くあります。
また、国際会議の対応業務を担当しており、国際規格へ日本の実態を反映するために国内の食品事業者の方々に情報を提供いただきながら取り組んでいます。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
生物や化学に関する基礎的な知識やデータの取り扱いの考え方などは、どの業務に取り組むにあたっても役に立っていると感じます。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
これまで経験したどの業務でも、事業者や自治体、消費者など関係者が多く、様々な立場の方のご意見を聴いて施策に反映させていくことは難しさや責任の重さを感じますが、自分の関わる仕事で社会をより良くすることができると思うとやりがいも感じます。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
入省した頃は指示された業務をこなすのが精一杯でしたが、いまは業務の背景や目的などを理解するよう努めています。また、これまでは研修等で教わる立場でしたが、最近、研修や外部の方への説明会で講師をする機会があり、成長を感じました。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
業務の状況によって残業をすることもありますが、定時退庁日に設定されている日やその日にやるべき仕事が終われば早めに帰宅しています。オンとオフの切り替えをはっきりするようにしていて、平日の帰宅後や休日は、趣味の映画鑑賞や登山、友人との食事や旅行などを楽しんでいます。
また、計画的に休暇を取得して心身ともにリフレッシュするよう心がけています。
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(令和4年12月) |
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