2025年度版総合職ガイド
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昨年度の記事はこちら |
※職員の所属(役職)は、原稿執筆時のものを記載しています。 |
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行政
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外務省
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外務省在ベトナム日本国大使館二等書記官
2017年 外務省採用 アジア大洋州局地域政策課(後、地域政策参事官室に改称)外務事務官
2019年 在上海日本国総領事館 領事館補
2021年 在アメリカ合衆国日本国大使館 外交官補
2022年 現職
己の人間力を以て歴史を紡いでいく
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2017年採用 総合職試験(行政) 院卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
学生時代は、中国と韓国に留学するキャンパスアジアプログラムに参加し、東アジアの国際関係を学んでいました。在学中、現地での実際の生活や授業を通じ、中国、韓国を始めこの地域への理解を深め、自身の視野を広げることができたと思っています。入省後、実際に日中韓協力や東南アジアの関連業務を担当する中で、学生時代の気づきや問題意識が、仕事へのモチベーションを高める上で重要な原体験になっています。
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◇ 記憶に残っている業務 |
ベトナム勤務中、日越外交関係樹立50周年にあたる2023年を迎え、多くの要人往来や記念行事に携わりました。同年11月、ベトナムの国家主席訪日時には、日越関係を包括的戦略的パートナーシップに格上げする共同声明が発出されましたが、当時、日夜行われていた声明の文言交渉に私も担当として関わっていました。関係省庁のコメントをとりまとめ日本の立場を伝達する一方、ベトナム側の意見を踏まえながら両国が合意できる文言を探るプロセスは、言語力、調整力、胆力等が求められる難しいものでしたが、それを乗り越え歴史的な合意に至った瞬間は今でも忘れられません。
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◇ 日々の仕事 |
在ベトナム日本国大使館では政務班に所属し、ベトナムの外交や南シナ海情勢などについて、政府関係者、専門家、他国の外交官等との関係を通じ情報収集を行っています。本省が政策決定をする上で鍵となるような情報が得られるどうか、一外交官としては腕の見せ所です。 また本省からの指示に基づき、ベトナム政府に対して日本政府の立場を説明したり、支持を要請したりすることもあります。日々、ベトナムに「響く」ナラティブが何なのかを考えながら取り組んでいます。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
外交を形作るのは結局は「人」です。互いに頼れる人脈や信頼関係を築けるかが、情報を得る上でも仕事を円滑に進める上でも重要になります。任地のことに限らず、日頃から広く日本の外交政策や地域・国際情勢について勉強しておくことはもちろん、時には趣味を通じ、あるいはお酒を酌み交わしながら、「あなたとなら話したい、共に仕事がしたい」と思ってもらえるような関係を築けるよう努力しています。その意味において、外交は単なる言語力や知識、事務処理能力に留まらない、「人間力が試される」、やりがいのある仕事です。
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◇ テレワークの経験 |
有。月に1、2回程度利用。
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◇ ある1日のスケジュール |
8:30 登庁
9:00 メールや業務チャットを確認、前日のアポの記録作成
11:00 ベトナム外務省とのアポ
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12:00 他国の外交官とランチをしながら意見交換
14:30 レセプション開催に向け、関係者とオンラインで打ち合わせ
18:30 退庁
20:00 ジムで一汗かいた後にサウナでリフレッシュ
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
コツコツ勉強することで、大学院の研究と公務員試験の勉強を両立することは十分可能です!
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政治・国際・人文
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防衛省
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防衛省防衛政策局日米防衛協力課調整係長
2020年 防衛省採用 統合幕僚監部首席参事官付
2021年 防衛省整備計画局防衛計画課
2022年 北部方面総監部総務部部外連絡協力室
2023年 現職
守れる自衛隊、助けられる自衛隊を、ただの「人」が作る。
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2020年採用 総合職試験(政治・国際区分) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
大学時代は国際移民社会学のゼミに所属していました。防衛省と直接関係する専攻ではありませんが、ただ国際関係のダイナミズムを語るだけでなく、それに巻き込まれ、同時にそれを利用しながら生きる一人一人の人間に着目し、それが逆に新たな潮流を生み出すことがあると学びました。この考え方は、戦略や政策という言葉の世界にありつつ、常にそれを実行する部隊と一体不可分である防衛省の仕事に合っていると思っています。
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◇ 記憶に残っている業務 |
陸上自衛隊の部隊編成事業を省として決定する仕事です。部隊は、目まぐるしく変化する国際情勢に遅れることなく進化し、かつそれをロボットではなく人間の集まりで、達成する必要があります。新しい部隊を作る。古い装備品を廃止して新しい装備品を採用する。ゲームの画面上の話ではありません。部隊編成事業は、多くの自衛官のそれまでの職業人生や生活を動かすことになります。責任の重さを感じつつ、とてもやりがいのある仕事でした。
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◇ 日々の仕事 |
現職では、国会や防衛大臣会見の対応といったオープンに日米防衛協力についてご理解を頂くための仕事から、ここでは言えない米軍とのディープな調整まで、幅広く業務に携わっています。また、日米防衛協力課と聞くと米国との調整ばかりなのかな?と思われるかもしれませんが、実際に協力事業を実施するには各幕僚監部や陸海空自衛隊の部隊と一体となって進めることが不可欠であり、彼らとも日常的に調整を行っています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
防衛省の主役である自衛官は1人で国を救えるスーパーマンではありませんが、師・旅団、一隻の船、一つの航空基地となったとき、話せばただの人であった一人一人が、国民と国を守る「力」を形成します。この「力」が最大限発揮されるか、同時に国家にとって「正しく」作用するかは、私たちが作る政策次第です。そこに自分の頭脳と体力を惜しみなく注ぎ込める職業は他になく、ここで働けるのはとても貴重で光栄なことだと思います。
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◇ ある1日のスケジュール |
9:30 登庁
10:00 省内で実施される防衛装備移転セミナーを聴講
12:00 昼食(同期とランチ)
13:30 米軍と次の防衛協力案件についてオンライン会議
15:00 翌日の国会に向けて議員から質問通告があり、答弁を作成
18:00 担当している事業の説明資料を作成し、課長に説明
19:30 退庁
20:30 趣味のダンススクールに行ってリフレッシュ
23:0
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
国際関係を学ぶことは、日本を知る近道だと思います。
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法律
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警察庁
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警察庁サイバー警察局サイバー捜査課 課長補佐
2011年 警察庁採用 兵庫県警察生田警察署
2012年 警察庁長官官房総務課企画参事官室係長
2013年 警察庁生活安全局保安課係長
2015年 警察庁長官官房人事課係長
2017年 留学(英UCL、ケンブリッジ大学)
2019年 大阪府警察警備部外事課長
2020年 内閣官房新型コロナウイルス感染症等対策推進室参事官補佐
2021年 警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課長
2023年 現職
大義ある、スケールの大きな仕事を仲間と共に挑戦する人生
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2011年採用 Ⅰ種(法律区分) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
法学部で刑事訴訟法のゼミに所属していました。都道府県警察勤務の間は捜査や被疑者の逮捕等に際し、その司法制度に則って作業をすすめるため、当時の知識をそのまま活用しています。また警察庁での勤務でも、より現場の捜査員が捜査を進めやすいような政策を立案するにあたっては、基本の制度を理解しておく必要があるので、私自身は当時の知識がある分助かっています。ただ、入庁してから研修の機会があるので大学時代の専攻が法律でなくても全く問題はありません。
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◇ 記憶に残っている業務 |
「ひったくり発生。被疑者の特徴は~」
大学を卒業して警察官になり半年。夏の蒸し暑く晴れた日の夜、交番勤務員だった自分の無線に連絡が入りました。同い年の同僚と二人でパトロールに出て30分、公園の暗闇から無線で聞いたとおりの特徴の男が現れ、我々を見て驚いて逃げていきます。結果、無事被疑者はパトカーで警察署へ。安心して勤務を終えました。心に残ったのは、制服姿の自分を見て慌てる被疑者の姿。警察官になったことを実感させられる出来事でした。
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◇ 日々の仕事 |
都道府県警察のサイバー捜査部門や、国の捜査機関であるサイバー特別捜査部に関する政策全般の企画立案をしています。最近ではサイバー特別捜査部の立ち上げのための法令改正、世界で最も被害をもたらしたランサムウェアであるロックビットに対する国際オペレーションの日本警察としての広報、都道府県警察のサイバー捜査に関する基本方針の打ち出し、新たな捜査手法の研究などを、知恵を絞り、関係省庁と調整しながら実施しています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
この国のサイバー警察を牽引すること。サイバー警察は日本警察のフロンティアなので何をしようにも全て後世の前例となります。それはすなわち、自分がやるべきだと思ったことを実現し続けることのできる場であり、それが求められている場です。サイバー空間の脅威に対処するために必要な体制は何か。新しい捜査手法は作れないか。どこの国と協力して捜査していけば良いか。アイデアと実行、そのらせんの中で自己実現することになります。
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◇ ある1日のスケジュール |
9:15 登庁
10:00 最高検察庁との新たな捜査手法の打合せ
11:00 上記について課長と方針の相談
11:30 課長からの指示を受け、庁内関係各課と調整
12:00 昼食(食堂が開いた時間を見計らいランチ)
13:00 サイバー警察局長に事件広報の相談
14:00 ユーロポールと広報内容について調整
15:00 他課からの作業依頼(既存の刑事法制の中でのサイバー警察の位置づけの検討等)を処理
19:00 退庁
20:00 帰宅、夕飯
21:30 語学勉強
23:0
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
法律科目の勉強は大変でしょうが、仕事に役立つことも多いです。頑張ってください。
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経済
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金融庁
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金融庁監督局銀行第一課企画係長
2021年 金融庁総合政策局総合政策課企画係
2022年 金融庁総合政策局総務課国際室国際企画係
2023年 現職
日々変化する金融システムの在り方を常に考えていく責任感と面白さ
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2021年採用 総合職試験(経済) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
大学時代、経済学部で経済学や公共政策などを学んでいました。漠然とした金融業界への興味がある中で金融庁の説明会に参加し、金融制度の企画立案や事業者のモニタリングを通じ、経済活動の根幹である金融システムに制度面から関われる点に魅力を感じました。
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◇ 記憶に残っている業務 |
新潟で開催されたG7財務大臣・中央銀行総裁会議のサイドイベントを担当した際、各国の政府当局や国際機関からの高官や民間の高名な有識者を招くという重要なイベントの開催に向け、アジェンダの検討からレセプションの内容まで幅広い内容の調整を微に入り細を穿ちながら行いました。会議が滞りなく進み成功裏に終わったときの感動と達成感は今でも昨日のことのように鮮明に覚えています。
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◇ 日々の仕事 |
課の取りまとめ担当として、日々発生する作業依頼に対し、課としての回答が円滑に作成できるように調整業務を行っています。また、月に一回程度行われる業界との意見交換会の担当として、業界側の担当者との調整も行っています。個別行の監督も担当しているため、銀行が決算を行う際や新しいビジネスを企画した際には、その内容についてヒアリングを行います。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
銀行を監督するにあたっては、法律や国際的な規制などに関する広い知識が必要となります。規制官庁の業務はルーティーン的だというイメージを持たれがちですが、金融システムは日々進化しているため、実際にはむしろ目新しく前例のない事例に直面することもあり、日々学ぶことが多いのが最大の魅力です。同じ部署には弁護士や会計士、IT分野に詳しい方がいらっしゃるため、そういった方の知見をお借りしながら対応しています。
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◇ テレワークの経験 |
オンライン会議などが多い日はテレワークを活用しています。金融庁はテレワークを積極的に導入しているため、出勤よりもテレワークのほうが多い職員もいるなど、職員個々人が自らの業況や業務内容に応じ柔軟に勤務形態を選ぶことができます。
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◇ フレックスの経験 |
フレックス制度を利用し、始業を10時にしています。朝早い時間に業務が発生する際は、逆に始業時間を早く申告して勤務時間帯を前倒しし、早く退庁することもあります。
【フレックス勤務のある一日のスケジュール】
10:00 登庁(フレックス制度を活用し10時始業に)
11:00~12:00 銀行へのヒアリング
12:00~13:00 ランチ(同期や後輩、他省庁の友人と食べに行くこともあります)
13:00~15:00 作業依頼対応
15:00~15:30 次週開催する業界との意見交換会に向けた事前打ち合わせ
15:30~18:45 幹部説明資料作成等
18:45 退庁
19:00~ 飲み会(過年度の部署の上司や同僚と旧交を温めることができました)
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
困難に直面することもあるかもしれませんが、公務員として働くという目標を目指して頑張ってください。
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教養
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財務省
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財務省理財局国債企画課企画係長
2019年 財務省採用 財務省大臣官房文書課
2021年 高松国税局 調査査察部
2022年 現職
未来を見据え、市場に向き合う
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2019年採用 総合職試験(教養) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
学生時代は法学部に所属していました。政策の立案や実施をする上で、法令上の建付けや法令の趣旨を意識することは重要であり、学生時代の学びが仕事に活きていると感じています。他方、例えば私の現在の仕事は、経済学やファイナンスの知見が非常に重要ですが、省内の研修や勉強会に出席したり、自身で勉強したりと、社会人になってからも学びを深める機会は沢山あります。学生時代の専攻が何であれ、活躍できる職場だと思います。
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◇ 記憶に残っている業務 |
国債の年間発行予定を示す「国債発行計画」の策定です。国債は、国にとっては資金調達の手段ですが、投資家目線では資金運用の手段です。そのため、投資家のニーズを踏まえながら発行予定を決定し、必要資金の確実かつ低コストでの調達を目指していくことになります。市場関係者との対話や経済状況等の分析を重ね、チームで活発に議論しながら、どのような発行が最適か?を考えていく過程は、責任もやりがいも非常に大きいものでした。
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◇ 日々の仕事 |
国債管理政策の企画立案に携わっています。国債の発行予定の調整・決定から中長期的な検討まで、取り組む案件は様々ですが、最新のマーケット動向や関係部局からの情報を欠かさずチェックし、同僚や上司と相談・議論しながら資料作成や対応方針の決定を行っていきます。また、国債で調達した資金は様々な会計の歳出に充てられるので、他省庁の担当者とも頻繁にミーティングを実施し、必要な資金を円滑に調達できるように努めます。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
10年後、50年後、社会はどのように変化しているでしょうか。誰もが予測はできませんが、日々、将来の財政に影響を与える国債の発行に携わる中で、現在の政策運営と将来の社会は繋がっている、と感じています。財政という軸の下、想像力を膨らませながら、より良い未来をつくるために何ができるのか、何をすべきなのかに真摯に向き合うことができる点が、財務省の仕事の魅力だと思います。
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◇ テレワーク |
資料の確認など集中して作業する必要があるときに、また、時間の都合に応じて、テレワークを活用しています。電話対応や対面での会議など業務の性質によって調整は必要ですが、上手に工夫しながら、テレワークを活用している職員は多くいます。
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◇ ある1日のスケジュール |
9:30 登庁、朝のミーティングで情報収集
10:00 他省庁と国債発行予定の打合せ
11:00 他省庁との打合せを受けて、課内で今後の方針を相談
12:00 同僚とランチ
13:00 省内幹部説明用の資料作成
16:00 市場関係者へのヒアリングに出席
17:00 省内幹部への案件説明に出席
19:30 退庁、友人と食事へ
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
様々なバックグラウンドの方が活躍できる職場です!
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環境省
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環境省大臣官房総合政策課企画評価・政策プロモーション室
2016年 環境省入省。総合政策課・地球温暖化対策課に所属し、主に国内の温暖化対策のとりまとめを担当
2018年 厚生労働省健康局に出向。難病対策・移植医療対策を担当。
2020年 同省新型コロナウイルス感染症対策推進本部において、専門家会議のためのデータ収集や資料作りを担当
2020年 福島地方環境事務所出向。放射性物質に汚染された廃棄物の処理に係る法的整理等を担当
2021年 福島県大熊町に駐在。環境省と町との間に立ち調整を担当。
2023年 現職
「会議室」と「現場」を一気通貫する難しさとやりがい、責任感。
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2016年採用 総合職試験(教養) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
学生時代は教育政策学を専攻しており、「AO入試の優良事例」というテーマで卒論を書きました。一見すると今の業務内容に関係ないように見えますが、今思えば、「与えられたデータ群から課題を探し出す」「関係者へのヒアリングを通じ解決策を検討する」「自分の考えを整理・文書化し説明する」といった役人の業務の基礎の基礎の部分が自然と鍛えられた気がします。
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◇ 記憶に残っている業務 |
1つ目は厚生労働省コロナ本部での業務です。専門家の議論や政策判断に必要な情報(感染状況や海外の政策動向等)の収集・整理を担当しましたが、国民生活に直結する議論を支えているという責任感・やりがいは相当なものでした。
もう1つは福島県大熊町での駐在です。東日本大震災・原発事故からの復興を目指す町において、住民のニーズを汲み取り一つ一つ課題を解決していくのには、コロナ本部とはまた違った難しさを感じました。それと同時に、復興事業の進展や住民の方の感謝の言葉という形で、業務の成果がわかりやすく現れるのはやりがいでした。
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◇ 日々の仕事 |
現在所属する企画評価・政策プロモーション室では、環境省全体の政策の取りまとめ、PR担当として、骨太の方針や成長戦略等の政府の重要文書への打ち込み、環境省の重点施策の取りまとめ、環境基本計画の策定等を担当しています。他省庁、国会議員、自治体、企業、環境に興味のある人、ない人、様々な立場や考え方を持つ方々に環境問題を自分事として捉え、行動してもらうには、どのように伝えるのが効果的か、日々苦心して考えています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
国家公務員として働くことの醍醐味は、「会議室」と「現場」の両方をフィールドにできる点だと思います。現場で発生する事案を把握し、会議室での議論を経て政策に落とし込み、現場に持ち帰り運用する。これらを一気通貫して取り組めることこそ、この仕事の難しさであり、やりがいであり、それを任されているという意味において責任ある仕事なんだと感じています。
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◇ テレワーク |
一人きりになって集中したいとき、テレワークはうってつけだと思います。最近だと環境基本計画の執筆を担当していた際はよく活用(週一程度)していました。他方で、関係者や同僚と対面で打ち合わせることで見えてくる課題・解決策もあり、業務内容やスケジュールに応じ、テレワークと出勤をバランスよく組み合わせることが重要と思っています。最近担当している来年度の重点施策の検討については、対面での打合せで新しいアイディアが見えてくることも多く、出勤する日が多くなっています。
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◇ フレックス |
フレックスとは異なりますが、環境省の時差出勤制度を利用して、通常、本省の職員は定時が9:30~18:15の方が多い中で、私は1時間前倒しして8:30~17:15を定時としています。元々朝が強く夜が弱いのと、地方に出向した際の定時に体が慣れてしまったので、本省に戻ってからもそのままの勤務時間にしました。朝は人が少なく作業に集中できるのと、比較的夕方早く帰れているのが良い点ですね。
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◇ ある1日のスケジュール |
8:30 登庁。室内に、抱えている業務の進捗状況や、本日の業務内容をメールで報告。
10:00 外部有識者と環境基本計画に関する打合せ。
12:00 昼食(天気のいい日は日比谷公園を散歩)
13:30 民間企業に環境省の主要な予算事業を説明。意見交換。
16:00 来年度の環境省の重点施策について、省内有志とフリーディスカッション。
19:00 退庁(国会対応その他の他律的業務がない日(年の8割程度)の平均退庁時間)
※帰宅後はジム、サウナ、Mリーグ視聴、翌日の弁当作り等。
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
専門に関係なく「国家公務員」を選択肢にできるのが教養区分のいいところ。様々な方に興味を持ってもらいたいです。
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人間科学
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法務省
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法務省矯正局少年矯正課少年院第一・二係
2016年 法務省矯正局採用 愛光女子学園法務教官
2018年 榛名女子学園法務教官専門官
2019年 法務省法務総合研究所研究部研究官補
2021年 法務省保護局更生保護振興課地域連携・社会復帰支援室社会復帰支援係長
2023年 現職
人と向き合い、安心安全な社会の実現を目指す
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2016年採用 総合職試験(人間科学) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
大学では心理学を専攻し、発達障害をもつ子どもたちに対する支援について学びました。少年院にいる少年の中にも発達上の課題を抱える者が一定数おり、それぞれの特性を踏まえた処遇の在り方を考える必要があることから、学生時代に学んだことが生かされています。また、施策の企画・立案に当たっては、その必要性や効果をデータで示すために統計の分析を行うこともあるのですが、大学で身に付けた統計分析の基礎的な知識が役に立っています。
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◇ 記憶に残っている業務 |
採用後3年間は少年院で法務教官として勤務しました。少年院にいる少年たちはさまざまな事情や問題等を抱えており、指導は一筋縄ではいかないことばかりでしたが、法務教官として自分ができることは何かを日々悩みながら、職員一丸となって少年たちの処遇を行っていました。少年一人ひとりと向き合い、一進一退を繰り返しながらも成長する少年たちの姿を間近で見られたことは、自分自身の成長にもつながったと感じています。
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◇ 日々の仕事 |
現在は、少年院の運営に係る企画立案や管理を行う部署で勤務しており、少年院で実施している矯正教育のプログラムの作成・管理に関する業務、職員研修の計画や実施に向けた調整業務、現場施設や関係機関との協議会に関する企画調整業務等を担当しています。プログラムの作成に当たっては、プログラムの効果検証を行う部署と協議を重ね、現場施設での調査を行ったり、外部の専門家と打合せをしてアドバイスを受けたりしています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
現場での勤務と行政職としての勤務を両方経験することができ、現場で実際に経験して課題に感じたことを施策の立案や規程の改正という形で改善するプロセスに携わることができるところにやりがいを感じます。また、さまざまな経験や知識を持つ上司・同僚や関係機関の方々と共に、それぞれの知見を活かしながら協働して仕事を進めており、仕事を通して多種多様な考え方や価値観に触れることができる点が面白みの一つだと思います。
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◇ テレワークの経験 |
週に一回程度、テレワークを実施しており、集中して取り組みたい資料作成や文書作成の業務をテレワークの日に行うことが多いです。テレワークの日は通勤に時間を取られないため、家事や自分の趣味のための時間をいつもより多く確保できるのがメリットだと感じています。
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◇ ある1日のスケジュール |
9:30 登庁
10:00 現場施設からの問合せに対応
11:00 照会対応
12:00 昼食
14:00 少年院の処遇プログラムに関する打合せ
16:00 事務連絡の作成
19:00 退庁
20:00 帰宅、お酒を飲みながらゆっくりする
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
人間科学の知見を活かすことができる仕事です。
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デジタル
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総務省
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総務省総合通信基盤局電波部移動通信課新世代移動通信システム推進室
2023年 総務省採用 総合通信基盤局 電波部 移動通信課 新世代移動通信システム推進室
2024年 現職
日々の生活に必要不可欠な通信を支える
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2023年採用 総合職試験(デジタル) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
学生時代は電気電子工学科に所属し、回路の配線問題を専攻していました。必修授業として無線通信を受けており、国家公務員に興味を持った際に通信を担当している省庁ということで総務省を志望していました。
現職は無線通信が中心のため、学生時代の研究内容とは直接的には関係しませんが、研究室での経験は、事業者や大学の方と研究開発に関連して一緒に仕事をするための前提知識として大いに役立っています。
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◇ 記憶に残っている業務 |
入省した4月の末に行った委員会の事務局業務が最も印象に残っています。学生時代には見たことがない量のメールのやり取りを通して外部に依頼を行ったり、省内の内部調整を進めつつ、上司へと適宜情報共有を行うなどの業務を通して「あぁ、自分はいよいよ社会人になったのだな」と不思議な感動をしたことを今でも覚えています。
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◇ 日々の仕事 |
大きく分けて「比較的新しい通信システム」と「自動運転車の通信システム」の2つに関わる業務を担当しています。
具体的な業務としては、該当するシステムについて民間企業や大学などに研究開発を委託するための事務作業や、制度改正を行うための会議の運営、免許局申請の対応、国際会議への出席などに携わっています。(この文章も、スイスのジュネーヴから書いています!)
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
その分野の最先端に触れることになるため、前提知識の勉強などが必要になることは大変でもありますが、日頃の業務が形になり国の成果や考え方として公表される時が、民間企業ではできない国家公務員ならではの瞬間であり、最も大きなやり甲斐を感じます。
また、異動や外部への出向が非常に多く次から次へと新しい分野に挑戦できるため、飽き性の自分であっても嫌気がさすことなく楽しめています。
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◇ テレワークの経験 |
週1日程度を目安にテレワークを行っています。片道1時間半弱の距離で一人暮らしを行っているため、テレワークの日は通勤時間の分まで長めに睡眠を取ったり、家事の時間にあてています。また、満員電車を利用しないですむため体力・気力の温存にもつながっており、上司に気軽に相談できるよう整えられた環境と相まって、通常業務と同等以上に業務に集中して取り組めているように思います。
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◇ ある1日のスケジュール |
9:15 登庁、メールチェック
10:00 実験試験局について、事業者との打合せ
11:00 実験試験局について、省内関係者と相談・調整
12:00 昼食(同期とランチ)
13:00 委員会を開催、事務局業務を行う
15:00 委託事業に関する事業者からの質問に対応
16:00 委員会開催後の書類作成
19:30 退庁、大学時代の友人と飲み会へ
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
様々な分野でDXが進む昨今、デジタルに知見のある皆さんの力を求めてます!
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工学
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会計検査院
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会計検査院第3局国土交通検査第1課
2022年 現職
会計検査を通して見える、より良い社会への道筋
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2022年採用 総合職試験(工学) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
大学では建築学を専攻しました。現在は、国土交通省が所管する補助金の会計検査を担当しています。補助金を活用した公共工事を検査する際には、大学で身につけた知識が直接的に活きてきます。検査においては、担当者の説明をよく聞き理解することが基本となるため、知識が検査の質の向上に寄与します。特に、専門分野としての着眼点から質問することができたときは、専攻が実務に役立っていると実感します。
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◇ 記憶に残っている業務 |
採用1年目に携わった会計実地検査が記憶に残っています。実地検査とは、事業を実施している現場へ赴いて行う検査のことです。検査会場に着くと、自分1人に対して10人以上の担当者が準備を整えて待機しており、とても緊張したことを覚えています。検査が始まると、事業の概要や当時の状況などの説明を受けたのち、不明点について質疑を行います。書面を見るだけでは分からない実態があるのだと、身をもって実感しました。
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◇ 日々の仕事 |
現在は、国土交通省が所管する補助金の会計検査を担当しています。検査は、庁舎内で書類等を確認する「在庁検査」と、出張して行う「実地検査」に分かれます。前者では、事業者から設計図書や補助金の交付申請書類を借用するなどして、事業内容を把握します。後者では、事業の成果を自身の目で確かめ、疑問点は担当者へ質問することで、事業が適正かつ合理的に実施されていることを確認します。経済性のみならず、幅広い観点から検査を行うよう心掛けています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
政策を実現する過程では、往々にして意図せぬ出来事が起こります。会計検査では、帳簿上の数字を追うだけでなく、こうした不測の事態や不合理な現状がないかを探します。必要があれば相手とともに改善策を作り上げていく、創造的な仕事でもあります。
日本全国の現場へ赴き、自身の目で事業を検査するからこそ見えてくるものがあります。政策の理念と実態をつなぐ橋渡し。会計検査院にしか担えない役割がそこにあります。
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◇ テレワークの経験 |
書面での検査を行う際などにテレワークをしています。在庁勤務では、課員と協力して業務に取り組める反面、黙々と書面に向かう時間を思うように確保できないことがあります。ですので、検査対象となっている事業のリサーチや検査結果の集計といった単独で取り組む作業は、テレワークを活用し集中してこなすようにしています。業務内容に応じた適切な働き方を選択することが、作業効率の向上につながっています。
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◇ ある1日のスケジュール |
8:20 登庁
9:00 メールチェック
10:00 会計実地検査に向けた班会議
12:00 昼食
13:30 受検庁とのWeb会議
15:30 Web会議の内容をとりまとめ、上司へ報告
16:30 受検庁から借用した書類の確認
17:15 退庁
20:00 友人との夕食後、帰宅
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
技術系の皆様の挑戦を、心よりお待ちしています
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気象庁
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気象庁情報基盤部気象衛星課運用管理班
2019年 気象庁採用 総務部企画課防災企画室防災調整係
2020年 総務部企画課企画係
2021年 沖縄気象台予報課
2023年 現職
業務が国民の皆様の生活に直結していることを実感できる点です。
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2019年採用 総合職試験(工学) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
私の専攻は現職に直接的に関係するものではなかったのですが、個人的な興味もあって個別に勉強していました。私の学生時代には、線状降水帯による豪雨災害や、これまで大きな地震に見舞われることがなかった地域での地震災害が多発したことが強く印象に残っています。それらの予測精度を向上させることはもちろん、適時適確な情報発信を行うという観点でも、国民の皆様の生命や財産を少しでも守る術はないかを考えることに興味を持ち、現職に至ります。
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◇ 記憶に残っている業務 |
採用当時の部署では、自然災害発生時の国の防災対応に資するよう、気象庁窓口として昼夜問わず連絡調整を行った時期もありました。沖縄気象台では、沖縄県の天気予報や注意報・警報等を実際に発表するという、まさに天気予報の最前線で交代制勤務に従事しており、大変印象的な仕事でした。現在は気象庁の一大プロジェクトとも言える気象衛星の後継機運用開始に向けた予算要求・計画立案に携わっており、日々の業務を通じてそのスケールの大きさを実感しています。
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◇ 日々の仕事 |
主な業務は、気象衛星の後継機整備のために必要な予算に関する計画を検討・立案し、政府予算案決定に向けて財務省を含む関係部署等と予算要求に係る折衝を行うことです。また、そのために付随して必要となる業務として、予算要求額を精査するための関係機関・関係事業者等との打合せや、気象衛星運用事業者へのヒアリング・モニタリング等も実施しています。そのほか、現在運用中の静止気象衛星の運用管理に係る業務も定常的に実施しています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
現職では気象衛星の後継機の整備に必要な予算の要求作業が主な業務ですが、限られた財源の中で如何にして私たちが成し遂げたい政策を実現していくかということを考えることが、決して簡単ではないからこそやり甲斐を感じられます。沖縄気象台に所属していた頃の業務は、天気予報というまさに国民の皆様の生活に直結するものでしたので、やり甲斐と同時にその責任の重さも実感しました。
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◇ テレワークの経験 |
他律的な業務が多いため定期的にテレワークを実施しているというわけではありませんが、業務予定に応じてテレワークを実施しています。資料作成はもちろんのこと、ちょっとした打合せも今では簡単に実施できる環境が整っていますので、テレワークの実施が困難だと感じたことはそれほどありません。
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◇ フレックス勤務の経験 |
私にはフレックス勤務の経験はありませんが、私の周囲にはフレックス勤務を実施している職員の方がいらっしゃいます。
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◇ ある一日のスケジュール |
9:30 登庁
10:00 課内の打合せ
11:00 気象衛星に関する勉強会
12:00 昼食
13:00 関係事業者との打合せ
14:00 予算要求のための資料作成
16:00 経理担当との打合せ
17:00 予算要求のための資料作成・スケジュール管理
20:00 退庁
22:00 読書・語学・リラックス
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
どんな分野の人材も貴重なので、自分の強みを存分に発揮しましょう!
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数理科学・物理・地球科学
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経済産業省
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経済産業省商務サービスグループ消費流通政策課
2015年 経済産業省採用 資源エネルギー庁総務課需給政策室・戦略企画室
2016年 資源エネルギー庁電力ガス事業部 原子力政策課 原子力国際協力推進室
2018年 貿易経済協力局通商金融課 課長補佐
2020年 米コロンビア大学国際公共政策大学院留学
2023年 現職
第一線の現場を学び、中立の立場で思考・行動する、稀有な仕事。
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2015年採用 総合職試験(数理科学・物理・地球科学) 院卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
エネルギー工学を専攻していたため、これまで希望して携わった原子力政策やエネルギー関連インフラの海外展開支援については、直接的に自分の知識を生かせる場面も多々ありました。現在担当している物流問題は、専攻内容と直接の関係はないものの、現実世界で起きている事象の根本的な原因や背景を探り、参考事例や既往の対策等を調べつつ、新たな対応を考えるアプローチは、研究の姿勢に通じるものがあると感じています。
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◇ 記憶に残っている業務 |
貿易局において、日本と中国の途上国におけるインフラ整備協力を担当。7年ぶりの首相の公式訪中の機会に、大掛かりなフォーラムを両国政府で共催することとなり、具体的な協力案件組成に取り組みました。国内外の非常に困難な調整を伴いましたが、途上国の債務問題等の論点に対する日本の立場を堅持しつつ、最終的に、両国首脳の前で多くの協力プロジェクトを紹介し、深いレベルでの情報交換を行う両国関係への進化に貢献出来たと感じられました。
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◇ 日々の仕事 |
物流の2024年問題が懸念される中で、企業による設備投資の支援策の設計や、最新のデジタル技術を活用した共同輸配送等の実証プロジェクトの組成・必要となる新たなルール整備等を担当しています。様々な資料を読み勉強しつつ、所管業界や関連業界の方々や、学識者等と意見交換させていただき、実際に現場にも足を運び、現状や課題、あるべき姿について省内外で議論を重ね、具体的な施策に落とし込んでいます。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
現職は、国に明確な権限が必ずしもあると限らない世界です。しかし、民間だけではあるべき方向に進みにくいことも有り得ます。そういう場合、1つのプレイヤーとして国が果たせる・果たすべき機能をどう見出していくかという慎重な議論から始めることになります。そこが常に難しくもあり面白いところであり、国の施策や働きかけをきっかけに現実世界での変化が次々と生まれていくような時、やり甲斐を感じられます。
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◇ テレワークの経験 |
現職では、育児中でもあり、昼休みの時間は短縮し、保育園への送り迎えを毎日しています。限られた勤務時間を前提にしっかりと成果は出したい中で、毎日の通勤時間の存在が非常に惜しいと感じることもあり、積極的にテレワークを活用しています。省内外の打合せや資料作成等、ほとんどの業務を特段の支障なく実施しています。対面でのコミュニケーションが重要な場面は登庁する等、柔軟な使い分けも出来ています。
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◇ フレックス勤務経験 |
繁忙期において、子供の寝かしつけ後に一部資料の作成・確認等を自宅からリモートで行うため、フレックス勤務制度を活用しました。個人のライフスタイルや業務の状況に応じた働き方を容易に選択できるようになっています。そうした柔軟な働き方の下、生み出した時間を、自己研鑽に当てること等も出来ており、個人として働きやすい・成長しやすい場づくりは進んでいると実感しています。
【フレックス勤務のある一日のスケジュール】
月(10:00~17:30,21:00-22:00)週半ばの会議に向けて資料作成・チェック
火(10:00~17:30,21:00-22:00)昼は会議関係者との調整、夜は残務整理
水(9:30~17:45)会議無事終了、定時退庁
木(9:00~18:00)テレワーク(普段は週2~3回)でタスク整理・打合せ
金 計画年休(月1回は月イチ休暇取得。家族旅行等でリフレッシュ。)
※ ()内は割り振られた勤務時間を記入。
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◇ ある1日のスケジュール |
9:30 テレワーク開始
10:00 実証委託先企業との打合せ、終了後概要メモ作成
11:30 課内の定例会議で進捗報告
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12:00 昼食(同僚とランチ)
13:00 他省庁との連絡会議、省内への報告
15:00 公表資料の作成
18:00 テレワーク終了
18:15 保育園お迎え、公園で遊んだりして夕飯の支度・寝かしつけ等
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
「何故そうなるか?」と何度も問いながら進める点は、一緒です。
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化学・生物・薬学
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原子力規制庁
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原子力規制庁原子力規制部原子力規制企画課
2023年 原子力規制庁採用 長官官房総務課
2024年 現職
人々の生活に密接に関わる原子力の規制を通じて、人と環境を守る
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2023年採用 総合職試験(化学・生物・薬学) 院卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
私は学生時代、放射性医薬品というがん等の疾患の診断を行う、いわば"病気を見つける"ための医薬品の研究に取り組んでいました。原子力規制庁の仕事は、私の学生時代の研究に関係するものもありますが、原子力発電所の安全性に関しては学生時代に直接勉強することはありませんでした。今でも業務については新たに学ぶことばかりですし、常に勉強の日々です。
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◇ 記憶に残っている業務 |
昨年度携わった、庁内の内規改正業務です。報道でも取り上げられたGX脱炭素電源法に関連した改正や、様々な課室の所掌部分の改正をまとめて行うもので、上司をはじめ多くの方と何度も打合せや資料の修正を行いながら進めました。改正内容を通して業務知識を深めることにもつながりましたし、複数の課室の担当者と調整しながら一つの業務を完遂するという貴重な経験ができました。何よりも、多くの方から助けていただき、様々なアドバイスをいただけたことがとてもありがたく、印象に残っています。
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◇ 日々の仕事 |
現在、現行の原子力規制制度における規制基準などについて検討する仕事をしています。日々、原子力事業者や関連企業、他省庁との面談・会議などを行っており、これらを通じて、原子力発電所に係る技術知見の情報収集、現状の安全管理状況の聞き取りなどをしながら、規制基準の改定等に向けた検討を重ねています。私はこれらの会議運営や関連資料作成・とりまとめなどを担当しています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
原子力の規制に関する仕事は奥が深く、勉強の日々ですが、新しいことを知る喜びや面白さが常にあります。原子力規制庁として取り組んだことがそのままニュースで流れているのを見ると、人々の生活と密接に関わっている影響の大きい仕事だと感じますし、それがやり甲斐につながっています。また、国家公務員の仕事は、庁内だけでなく他省庁や民間など様々な方と連携しながら進めるので、学びも多く、非常に楽しいと感じています。
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◇ テレワークの経験 |
テレワークの最大のメリットは「通勤時間がゼロになること」だと思います。その分、睡眠時間や朝食の時間を長く取ることができるので体調を整えやすいです。また、工夫次第で職場と同じような環境で業務を行うことができると感じます。打合せ等もwebで行うことができますし、メール・チャット等では意思疎通が図りにくい場合や、急を要する場合は、職場用携帯を使用して口頭でやりとりすることで、円滑に業務を進めることができました。
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◇ ある一日のスケジュール |
9:30 登庁、メールチェック
10:00 他省庁・事業者等との調整業務
11:30 午後の打合せ準備
12:00 昼食(同期とランチ)
13:00 契約等の資料作成
15:00 他課室との打合せ
16:00 事業者との面談
18:00 面談録作成、当日中〆切業務の仕上げ
19:00 退庁 退庁後は、まっすぐ帰宅して休むこともありますが、時間が合えば同期と外食する日もあります。
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
幅広い理科系の知識は将来きっと役に立ちます。応援しています。
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厚生労働省
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厚生労働省医薬局医療機器審査管理課
2017年 厚生労働省採用 医薬・生活衛生局総務課
2018年 厚生労働省 医薬・生活衛生局医薬品審査管理課化学物資安全対策室
2020年 文部科学省 研究振興局 ライフサイエンス課
2022年 厚生労働省 医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課
2024年 現職
世界の規制当局と協働し、医療機器における薬事規制調和を目指す
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2017年採用 総合職試験(化学・生物・薬学) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
学生時代は薬学を専攻していました。薬剤師になることを目指し、最終年度の終盤は国家試験対策を通して医薬品関係の法律や化学等は満遍なく勉強していたと思います。そのおかげか、薬系技官として入省した現在でも、各部署で学ばないといけない点は数多くありますが、学生当時に学んでいた分野に触れる機会も多く、企業対応等に生かせる場面が多いように思います。
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◇ 記憶に残っている業務 |
入省1年目に取り組んだ薬剤師国家試験関係業務です。入省する前までは薬剤師国家試験を受験する学生の立場であったため、入省して間もなく問題を作成する側に身を置くことになり、当時は責任の重大さに身が引きしまる思いでした。また、当時の試験委員に教鞭をとっていただいていた先生がおり、学生時代とは立場が異なる形で再会した時はとても感慨深いものを感じました。
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◇ 日々の仕事 |
現在の部署では、医療機器に関する国際業務を担当しており、厚生労働省の関係各課やPMDAと連携しながら、医療機器規制の国際調和に向けた業務を行っています。海外の規制当局との対面会合や、ステークホルダーとの合同ワークショップやフォーラムに参加することで、日本発の医療機器が海外で早期に実用化されることを期待しながら、日々業務に取り組んでいます。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
霞ヶ関で勤務しながらも世界を俯瞰して職務に没頭できる点が面白いと思います。医療機器という世界を中心に移り変わっていく国内外の関心・懸案事項に対応していくスピード感と、二国間・多国間の関係において「長い目で見て何が大事か」を常に考え医療機器政策に反映していく長期的かつグローバルな視野との両方が必要とされるため、やりがいを感じます。
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◇ テレワークの経験 |
国際会議は、早朝か深夜に開催されることが多く、そんな日はテレワークにさせていただいております。
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◇ ある一日のスケジュール |
9:30 登庁
10:00 PMDAとの打合せ、終了後概要メモ作成
12:15 昼食(同期とランチ)
15:00 企業との面談
20:00 海外規制当局とのテレビ会議
22:00 退庁(帰宅までの道中は語学勉強)
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
化学・生物・薬学の区分を受けると、その分専門知識を生かせるチャンスが増えると思います。
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農業科学・水産
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特許庁
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特許庁審査第三部樹脂審査官
2019年 特許庁採用 審査第三部 プラスチック工学 審査官補
2023年 審査第三部 プラスチック工学 審査官
2024年 現職
「世界最速・最高品質」の審査を目指し、イノベーションの促進に寄与する
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◇ 採用年・採用試験(区分)院卒・大卒 |
2019年採用 総合職試験(農業科学・水産) 大卒
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◇ 学生時代の専攻と現在の仕事との関係 |
学生時代は、イネの植物病理を専攻していました。現在審査を担当しているのは樹脂関連の技術ですので、自身の専攻との直接的な関係はありません。しかし、出願書類を読む中で書類に記載された実験結果を理解し考察する際や、先行技術文献調査において学術論文を読む際には、学生時代の、自身の実験結果を考察した経験や論文を読んだ経験が役に立っていると感じます。
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◇ 記憶に残っている業務 |
出願人企業様の工場見学をさせていただいたことが印象に残っています。特許審査は原則書面で行われるため、文字での説明のみでは作業工程を具体的に想像するのが難しいこともありますが、実際に目で見ることで、担当技術分野への理解をより深めることができました。また、開発担当者の方から、開発での苦労や権利化への熱い想いを直接伺い、質の高い特許審査を行うことの重要性を改めて実感する機会にもなりました。
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◇ 日々の仕事 |
現在は、高吸水性ポリマーや繊維強化プラスチック等、樹脂に関する分野の特許審査業務を担当しています。特許審査業務は具体的には、出願書類を読んで審査する発明の内容を理解し、検索システムで先行技術文献を調査し、調査結果を基に特許性の有無を判断する、という手順で行います。案件によっては、他の審査官と案件協議を行うこともあります。また、出願人企業の方との意見交換会や、担当技術分野への理解を深めるための研修、工場見学等も定期的に行っています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐 |
特許審査において様々な分野における日本の最先端技術に触れることができる点が、この仕事の魅力の一つではないかと思います。日々進化していく科学技術に対応するためには、常に新しい技術を勉強し知見を深め続ける必要があります。それは大変な作業ではありますが、同時に審査の醍醐味だとも思います。そして、自分の付与した特許権が、研究開発に尽力した人や企業が正当な対価を得るための一助となれば、それこそがやり甲斐だと思います。
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◇ テレワークの経験 |
現在、週に1~2回程度テレワークをしています。テレワーク用の審査システムや文献精読用タブレットを使用することにより、公開された案件であれば家でも審査をすることができます。自宅からオンライン会議に参加することももちろん可能です。テレワークにより通勤時間がなくなるので、その時間を通院や銀行での手続き等に有効活用できて便利です。また、登庁時よりも睡眠時間を多く取ることができるため、体力的な面でもとても助かっています。
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◇ フレックス勤務の経験 |
フレックスタイムを利用しています。特許審査においては、基本的に一つの案件を一人の審査官が担当するため勤務時間の融通が効きやすい、という点で、特許審査官は比較的フレックス勤務との相性がよい職種だと思います。私は、月末の忙しい時期には勤務時間を長めに設定する、勤務終了時間を早めに設定して夕方以降は趣味の時間に充てる、といった形で利用しています。
【フレックス勤務のある一日のスケジュール】
月(8:00~16:45) 登庁。未公開案件の審査。20:00退庁。
火(10:00~18:45) 登庁。翌日のテレワークに向け、公開済案件を審査するための下準備を行う。21:00退庁。
水(8:00~16:45) テレワーク。検索外注機関から調査結果報告を聞き、拒絶理由通知書を作成。
木(8:00~17:45) 登庁。前日のテレワークで作成した書類を提出。未公開案件の審査。
金(7:30~15:15) テレワーク。勤務終了後は残業せずに趣味の演劇鑑賞へ。
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◇ 執筆者と同じ試験の区分を受験しようとする人に向けてのメッセージ |
これまでの学びを国のために生かしてみませんか?
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農業農村工学
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