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諸星 雄二 |
林野庁 企画課 企画調整第1係長
平成20年採用 Ⅱ種(林学) |
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◇ 学生時代の専攻分野は? |
海洋生物学
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◇ 志望動機は? |
昔から生き物が好きで、自然に関われる仕事をしたいと思っていました。
林野庁は国有林という「現場」をもっており、森林の中に入って仕事をすることが多く、直接自然に触れながら仕事ができるところに魅力を感じました。
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◇ 採用後の経歴は? |
採用から6年半ほどは四国各県の出先機関を異動しながら、実際に森に入り森林の育成や管理、木材の生産、森林教室、普及活動、ニホンジカ対策、登山道の整備などの仕事に携わりました。大学の専攻とはまったく分野の違う業務なので、経験を積むために毎日現場に出かけていましたが、天然林・人工林それぞれについていろいろなことを学べました。また、山の中で業者の方やNPOの方と一緒に作業することも多く、一方的に指示をするのではなく、よい山にするためにどうしていくのかを一緒に考えながらやっていました。
その後は林野庁勤務となり、現在は関係者間の調整などの業務をしています。
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◇ 日々の仕事の様子は? |
林野庁の推進する政策や法案について、庁内や外部の関係者との調整や会議開催の事務局などを担当しています。そのため、庁内の担当者や幹部のほか、外部の関係者との打合せ、会議の準備などが多いです。裏方の仕事ですが、国の政策ができあがるプロセスなどを間近で見ることができ、勉強になっています。
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◇ 専門性はどのように活かされていますか? |
生物多様性が森林の重要な機能の1つとされており、動物に関する知識などが業務を進める上でのバックボーンになっています。
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◇ 仕事の面白み、やり甲斐は? |
国有林の現場で直接仕事をすることはとても楽しかったです。山での仕事は全てやり方に基準がありますが、よりよい森林にするためにそれぞれの場所にあわせて仕事をする必要があり、自分の判断で工夫できる点が面白いです。
本庁の仕事では直接自然に触れることはないですが、国有林に加え民有林行政も担うことになります。民有林行政については木材の利用や新しい技術の開発など、国有林の現場では扱わない分野もいろいろとあり、仕事の幅が広いと感じています。
例えば、木材利用の分野では木造のビルを建てるために必要な材料の開発への支援や、それらの材料の製造施設の建設への支援、木造ビルを建てるために必要な制度改正を他省庁と協力して行う業務、国産材を利用してもらうために住宅メーカーの方など民間事業者の方々と一緒に取り組む仕事などがあり、こういったことは本庁での仕事の醍醐味ではないでしょうか。
こうした取組の結果、日本各地に木造の大きな建築物が増えていますし、木材の自給率も上がってきています。国産材の利用が増えることは森林に手が入り健康的なよい状態になることになり、ひいては地球温暖化の対策など環境保護に繋がっていくと思いますのでやりがいを感じています。
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◇ 自己の成長を実感したエピソードは? |
本庁では日々森林や林業に関する日本全国の最新情報が共有されています。例を挙げると、ニホンジカ対策、早生樹、保育コスト低減の研究、新たな木質部材の開発、木質バイオマスの利用、セルロースナノファイバー、キノコ、SDGsなど、自分の担当外やまったく知らない分野の情報に触れる機会が多々あります。いろいろな分野について知識を蓄えることができ、総合力が上がっていると感じています。
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◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は? |
私はやっていませんが、人によってはテレワークで自宅勤務をしていたり、子どもの学校などに合わせて出勤時間を変更したりと、各自の事情に合わせて勤務の形を柔軟に変更することができる点は便利だと思います。
また、山好きの同僚が多いので、お薦めの山などについて情報交換しています。
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◇ 今後関わっていきたい政策課題などは? |
国有林の現場は様々な業務に取り組まなければなりませんが、同時にそれぞれについて高い専門性も必要となっていますので、しっかりとした知識・技術を身につけて実践できる部署に関わっていきたいと考えています。
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(平成30年10月) |