職 員 紹 介
  
         
竹内謹治   根本優   藤岡ゆかり
   
海上保安庁交通部整備課   海上保安庁 装備技術部船舶課   国土交通省 総合政策局 海洋政策課
平成20年採用 Ⅰ種(理工Ⅰ)   平成26年採用 総合職(工学)   平成24年採用 Ⅰ種(理工Ⅰ)
 
         
住吉昌直   西村一星    
     
海上保安庁 技術・国際課 海洋情報技術調整室 海洋情報期技術官   海上保安庁 海洋情報部 技術・国際課 海洋研究室 研究官    
平成25年採用 Ⅰ種(理工Ⅲ)   平成23年採用 Ⅰ種(農学Ⅳ)    
  

  
竹内謹治
 
海上保安庁交通部整備課
 
平成20年採用 Ⅰ種(理工Ⅰ)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
情報工学
 
◇ 志望動機は?
 私が就職活動を行っていた10年前は、映画・ドラマ「海猿」や漫画「トッキュー!!」など、海上保安官による人命救助がメディアを賑わせていた時代でした。海上保安庁を訪問した際、技術の力で彼らの負担を減らす、つまり船の事故を減らすことができる仕事があると知り、漠然とした興味を持ち、採用面接を受けた結果、幸運にも採用していただきました。 
 
◇ 採用後の経歴は?
 採用後、海上交通安全のための施設(航路標識)の整備や新技術の開発のほか、東日本大震災からの復興や海上保安体制の強化にも携わりました。また、船舶の運航を学ぶために世界一周航海研修に参加したほか米国の大学院に2年間留学する機会をいただき、科学技術政策や官民連携政策を学びました。現在は、海上交通安全のための新しい情報提供システムの構築や航路標識整備における官民連携のあり方に関する検討等を行っています。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 海上交通安全政策は、海の安全を守る警察としての現場の視点、政策立案者としての視点、政策を支える技術者としての視点のどれが欠けても上手く動きません。海上保安庁はそれぞれの視点を持つ職員が混在している職場であり、私は技術の分かる行政官として、現場の目線を最大限踏まえつつ、技術を政策に反映させることを心がけています。 
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 航路標識に関する新技術は情報工学に基づくものも多く、学生時代の専門は国内外専門家との技術的な議論に非常に役立ってます。学生時代の研究等で培われた論理的な思考は、どの行政分野においても非常に有益だと思います。
  
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 国としての立場で物事を検討できるスケールの大きさは、民間企業にはない、国家公務員の大きな魅力だと思います。 
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 私は必要のない残業は一切行わない主義なので、災害や事案等、対応が必要な場合を除き、仕事と生活の両立で困ったことはありません。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 船舶事故の傾向を分析し、海上交通安全政策に反映させるには、高度な統計学の知識が必要となり、技術行政官の真価が発揮される仕事だと思っています。将来的にはそのような仕事に携わりたいと思います。
  
 (平成30年1月)

  
根本優
 
海上保安庁 海上保安庁 装備技術部船舶課
 
平成26年採用 総合職(工学)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
伝熱工学
 
◇ 志望動機は?
 海上保安庁は、少数精鋭ながら、現場を持ち、自分の担当した仕事が目に見える形で反映されることに魅力を感じました。また、巡視船や航路標識に関する技術を扱うとともに、政策の面からも貢献できる海上保安庁は自身の工学的な知識経験を生かせるとともに、規模の大きな仕事が出来るのではないかと思い、志望しました。
  
◇ 採用後の経歴は?
 1年目は船舶が安全に航行できるように設置されている航路標識の保守業務を担当しました。発生した事故状況を取りまとめ、事故を減らすための提案を行ったり、実際に灯台に赴いて点検を行ったりしました。2年目は当庁の大きな政策の一つである、東京湾の一元化な管制を効率的に実現するための法律改正といった業務を行いました。3年目は国際業務を担当し、ASEAN諸国における技術支援や欧米諸国との新技術の開発を行いました。現在は、新たな巡視船の建造に関する検討や巡視船の故障対応など、現場第一線で活躍している巡視船を技術的な面からサポートする業務を担当しています。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 法律改正担当の際には、庁内及び庁外の関係者と調整を行い、当庁の政策の方向性を決定するとともに、これらを関係団体や国会議員へ説明し、政策の実現に寄与しました。国際担当の際には、海外の担当者と英語でやりとりを行うとともに、国際会議に出席して国際的なルールの策定に寄与しました。現在は、巡視船を建造する造船所と技術的な観点から検討を行うとともに、現場で活躍する巡視船で発生する問題を実際に現場に赴いて確認し、問題解決のための政策を提案しています。
  
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 学生時代に学んできた理系的な物事のアプローチが、初見の点も多い海上保安庁の幅広い業務を処理する上で非常に生かされています。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 自分の担当した業務が第一線で活躍する海上保安官や巡視船の業務に直結することや、事故数の削減などの目に見える数字で反映されることが仕事の面白みややり甲斐になっています。
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 法律改正担当の際に、膨大な業務を限られた期間でこなすことを通じて、仕事を効率よくこなすことができるようになりました。また、庁内に限らず多くの人々と接し、協力して作業を行ったことで仕事に関するネットワークが広がるとともに、問題解決の引き出しが広がりました。 
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 体を動かすことが好きな私は、昼休みに皇居周辺を走ったり、職場の仲間とフットサルをするなどして、仕事以外の面でも充実した生活を送っています。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 今後は警備救難分野などの自身がまだ携わっていない当庁の業務や、航空や鉄道等の安全分野の政策についても関わっていきたいと考えています。
 
 (平成30年1月)

  
藤岡ゆかり
 
国土交通省 総合政策局 海洋政策課
 
平成24年採用 Ⅰ種(理工Ⅰ)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
表面物性
 
◇ 志望動機は?
 春の霞が関OPENゼミで、海上保安庁海洋情報部のブースがまるで理系の研究室のような打ち解けた雰囲気だったことから、海洋情報部に興味を持ちました。さらにその後の官庁訪問で、面接官の方から業務について熱の入った説明をして頂いたこと、部の業務とはまるで異なる分野の研究内容であっても真剣に聞いてくださったことから、自分に合っていると感じ、海洋情報部を志望しました。
  
◇ 採用後の経歴は?
 入庁後に配属された大陸棚調査室では、測量船に乗って海底地形や海底下の地殻構造を調査したり、得られたデータを解析する業務に携わりました。現在は、国土交通省総合政策局海洋政策課で、海洋政策に関する国土交通省の窓口業務を担当しています。
  
◇ 日々の仕事の様子は?
 海洋政策に関する省内意見の取りまとめを行っています。国際案件については、会議文書の分析や資料作成、国際会議への出張、我が国の対応に係る関係省庁及び業界団体間の意見調整、各国政府機関とのやり取りを行っています。
  
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 海洋情報部は技術的、専門的な内容の業務が多いため、分野こそ異なるものの、大学の講義や研究活動での経験が測量機器の原理の理解やデータ解析に活きる場面が多々ありました。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 一口に海洋といっても省庁や業界によって様々な立場や視点があることを知りました。そのため、調整に苦労することもあるものの、視野が広がったと感じています。 
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 英語が不得意であったため、当初は外国機関とメールでやり取りする際に逐一上司の確認を頂き文面を修正されていましたが、回数を重ねるうちに慣れていき、今では一任されるようになったことです。 
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 所属課では副担当制を採用しており、万一の場合でも関係者間で業務をカバーする体制になっているため、概ね両立できていると思います。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 本省での業務を通じて、海洋における調査・観測に関する他省庁や他機関の取り組み、限られたリソースの中での努力を知る機会が多くありました。また、それ以外の海洋政策における課題に関する案件にも携わりました。海上保安庁海洋情報部に戻った際には、これらの経験が生かせるような業務に関わっていきたいと思います。
 
 (平成28年11月)

 
住吉昌直
 
海上保安庁 技術・国際課 海洋情報技術調整室 海洋情報技術官
 
平成25年採用 Ⅰ種(理工Ⅲ)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
宇宙物理学
 
◇ 志望動機は?
 海洋情報部の先輩方のお話を説明会等を通して聞く中で、「海という未知の世界をマッピングしたい」「自然科学の力で世の中の役に立ちたい」という思いを強く抱くようになり、海洋情報部を志望しました。
  
◇ 採用後の経歴は?

・水路測量(海の深さを測ること)に関する技術導入
 1年目から、海の深さを面的に測るマルチビーム音響測深機の一斉更新という大きな仕事に関わることができました。導入時の機器テストのため測量船を訪れ、良好なデータを取得できたときには、現場に貢献できた喜び・安心感でいっぱいでした。

・南極地域観測隊への参加
 3年目には、氷に覆われた南極地域において、海底地形調査・潮汐観測を行ってきました。研究機関・他省庁・民間出身の様々な背景を持つ南極観測隊員と相互に助け合いながら、極地での観測を無事完遂できたことは、人生のかけがえのない貴重な経験となりました。

・米国ニューハンプシャー大学への留学
 4~5年目には、水路測量の最新技術を1年間余りじっくり学ぶ機会が得られました。多様性のある留学生と一緒に学ぶことにより、自分の視野が自然と広がったように感じています。米国留学で得られた専門的な知見をもとに、新技術の導入へ向けた議論を進めることができたことは、幸せなことだと今でも思っています。

・無人海底地形調査の国際大会を通じた最先端の研究技術開発
 5~6年目には、国際大会"Shell Ocean Discovery XPRIZE"を通じて、深海域を詳細にマッピング可能な無人システムを国際チームで新たに開発しました。この大会で、無人の水中ロボット・調査船を用いて深海 4000 m の海底地形を広域かつ高精細に捉えるという、極めて困難な調査技術を実証することができ、見事世界一となることができました。

 # 海底探査技術の国際競技大会受賞者等による表敬
     <https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201909/18kaitei.html>

◇ 日々の仕事の様子は?
 日頃は、庁舎のPCに向かって海のデータに関する新しい技術について導入検討・研究開発をしています。国内外における出張へ行く機会もあり、国際での学会発表(写真はAGU Fall Meeting 2019での発表)、調査航海への参加、地方へ出向いての専門的な技術支援等も経験してきました。
  
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 観測対象は「海」と「宇宙」で違っても、観測技術や原理は似た部分が多く、大学・大学院で培った科学的な勘が非常に役立っています。
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 新しい技術の導入後、「素晴らしい水深データが取得できるようになった」「調査成果を素早く作成できるようになった」といった嬉しい声を現場から聞こえてくると、やり甲斐を感じます。
 普段は目で見ることができない未知の海底地形を可視化することは、とても面白いです。何の変哲もない海でも、実は、起伏に富んだ海底地形だったり、沈船や漁礁等が見えることは非常に魅力的です。 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
  多様な専門技術を持った様々な人々と関わりながら、ひとつの目的に向かってチームで進んでいくのは刺激的で、仕事の考え方・進め方など多くのことを日々学んでいます。このような中で、効果的なアイデアを徐々に提案できるようになってきたことは、自己の成長を感じています。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 仕事も家庭も楽しく過ごせています(妻のおかげです)。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
  広い海を面的に測ることは、安全な船舶交通や防災等のために重要ですが、現代の技術水準でも、大変な時間・労力が必要です。より良いデータを素早く得られるよう、今後も新技術の導入に関わっていきたいと思います。また、水路測量分野における産官学連携を更に進めていく必要性も感じています。
 (令和2年11月)

  
西村一星
 
海上保安庁 海洋情報部 技術・国際課 海洋研究室 研究官
 
平成23年採用 Ⅰ種(農学Ⅳ)
 
◇ 学生時代の専攻分野は?
海洋物理
 
◇ 志望動機は?
 海洋というフィールドに対する職員のチャレンジ精神と現場力に魅力を感じて、入庁を志望しました。
  
◇ 採用後の経歴は?
 「船舶による観測」以外での海洋における流れ等の観測の実施・技術開発
例:人工衛星、海洋短波レーダー
                  ↓
 流れが速く、通常の観測機器では観測が難しい海域における流況情報をシミュレーションにて作成し、公開する業務
例:来島海峡における潮流シミュレーション情報の提供
                  ↓
 海上保安庁全体の政策の企画立案、国会対応、海上保安レポートの作成
※海上保安レポートとは?→海上保安業務に関する最新の情勢と今後の展望を国民に対して分かりやすく紹介している毎年発刊される刊行物(http://www.kaiho.mlit.go.jp/doc/hakkou/report/top.html)
                  ↓
 世界最先端の「自律型海洋観測装置(AOV)」による海洋観測の実施
※自律型海洋観測装置(AOV)とは?→太陽光パネルを搭載し、燃料を用いずに1年以上、海面をオペレーターの指示通り移動し、長期観測を行うことのできる観測機器。データをリアルタイムに陸上に送信することも可能。
(H.28 11/25現在、利用可能なAOVデータ
http://www.kaiho.mlit.go.jp/KAN7/aov/index.html
http://www.kaiho.mlit.go.jp/KAN10/kaisyo/AOV/aov_index.html) 
 
◇ 日々の仕事の様子は?
 世界的にも最新技術である「自律型海洋観測装置(AOV)」の運用を担当しています。具体的な業務としては、機器業者との打合せや、現場での各種データの検証観測の実施、関連学会での情報収集、論文の執筆など、多岐に渡っています。機器の安定的な運用のために、日々奔走しています。
 
◇ 専門性はどのように活かされていますか?
 海洋の流れの観測を実施するには、自分が勉強してきた海洋物理学の知識が直接活かされています。また、全般的に、応援団に力を入れた大学時代の経験を通じて得られた忍耐力やコミュニケーション力、ごく稀に上下関係への理解が、仕事をする上で非常に役立っています。 
 
◇ 仕事の面白み、やり甲斐は?
 未知の部分が多い「海洋」に対し、科学と行政という両輪をもって進んでいるところに、非常に面白みがあるとともにやり甲斐を感じています。
 
◇ 自己の成長を実感したエピソードは? 
 主に理系の知識を用いる業務に携わった後に、企画・立案・法律・国会というこれまで全く経験したことのない仕事を担当することになった際、最初は上手くいかないことが多かったのですが、仕事に対して正面から向き合うことで徐々に慣れていったことです。最終的には責任ある仕事も任されるようになり、確実に遂行できたことが自信につながりました。
 
◇ 仕事と生活(家庭、趣味、地域活動など)の両立は?
 休みの日は、家族で近くの公園や旧友宅に出かけてBBQをしたり、気の合う職場の仲間と登山・遠泳大会出場・地方の祭り巡りを楽しむなど、仕事と家庭の間に垣根がなく充実した時間を過ごせています。
 
◇ 今後関わっていきたい政策課題などは?
 「海洋」は未知な部分が多いため、これからも観測技術等に関する開発が進んでいくものと思われます。今後は、分野の垣根を越えた相互連携に関する政策に携わり、常に「海洋観測」分野で日本がトップを走れるよう貢献したいと考えています。 
 
  (平成28年11月)

  
  
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