前(節)へ 次(節)へ

第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第4章 能力・実績に基づく人事管理


(1)能力・実績に基づく人事管理の推進のための取組

行政課題の複雑化、困難化に対応するとともに、雇用と年金の接続に伴う高齢層職員の増加など一層の在職期間長期化の中で組織活力を保つためには、採用年次や採用試験の種類にとらわれず、真に能力・実績に基づく人事管理を推進することが極めて重要である。

このような認識の下、平成24年8月の給与勧告時の報告において、今後の取組の方向として、人事評価の適正な実施、採用試験の再編の趣旨を踏まえた幹部人材育成・研修の在り方の検討、職員の意向を踏まえた計画的な人事配置等によるキャリアパスの多様化の必要性について言及するとともに、人事評価結果の任免、給与等への適切な活用が図られるよう、各府省に対し必要な指導や支援を行うことを表明した。

また、各府省に対しては、平成23年度に引き続き、人事管理官会議総会等の機会を用いて、能力・実績に基づく人事管理の推進に向けた問題意識の共有や意識啓発に努めたところであり、今後とも能力・実績に基づく人事管理の推進に向けて取り組んでいくこととしている。

(2)人事評価の実施と人事管理への活用
ア 人事評価の実施及び結果の活用の支援

公務員のモラールを高め、行政運営の効率化を図っていくためには、能力・実績に基づく人事管理を進めていく必要があり、その基礎となる重要なツールとして、平成21年4月から新たな人事評価制度が導入され、同年10月から能力評価及び業績評価による人事評価が全府省において実施されている。人事院は、人事評価制度の導入に合わせて、人事評価の結果を任免、給与等に活用するための基準を定めた人事院規則等を整備した。

各府省においては、平成22年度以降、人事評価結果の任免、給与等への活用を順次行ってきており、平成23年度からは勤勉手当(ボーナス)及び昇給について、地方出先機関等の職員を含む全ての職員への評価結果の活用が行われている。また、複数年の評価結果を活用することとなる昇任及び昇格についても、平成24年度からは地方出先機関等の職員を含む全ての職員について、それまでに得られた評価結果に基づいて行われることとなった。

人事院としても、各府省における人事評価の適正な実施を求めるとともに、評価結果の活用が適切に行われるよう、各府省等から意見・要望等の聴取を行い、その活用状況等を引き続き把握し、各府省に対し必要な指導や支援を行っていくこととしている。

イ 評価に関する研修面での取組
(ア) 評価能力向上研修

人事評価が適切に機能するためには、評価者の評価能力の向上が肝要である。人事院では、各府省において人事評価が適正に実施されることを支援するため、平成20年10月から開始した「評価能力向上研修」を平成24年度においても本院及び全国の地方事務局(所)において実施するとともに、各府省が主催する部内の評価者研修にその要請に応じて職員を講師として派遣した。

(イ) パーソネル・マネジメント・セミナー

各府省における人事評価の人材育成への活用の取組を支援・促進する観点から、評価者である管理者が部下の能力発揮等の改善に取り組む際に留意すべきポイントを確認し、また、管理者同士が経験を共有し相互に啓発する機会を提供する研修として平成22年度から「パーソネル・マネジメント・セミナー」を開始している。平成24年度においても本院及び全国の地方事務局(所)において実施した。

なお、人事院としては、人事評価に関し、制度や手続、個々の評価結果、評価結果の任免・給与等への活用についての相談に、迅速かつ適切に対応していくこととしている。


前(節)へ 次(節)へ
©National Personnel Authority
Back to top