記者会見

令和8年6月17日 令和7年度年次報告書に関する川本総裁記者会見

【冒頭発言】

 川本でございます。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
 本日、令和7年度の人事院の業務に関する年次報告、いわゆる「公務員白書」を国会と内閣に提出しました。
 今回の白書では、令和7年度の人事院業務を振り返るとともに、特別テーマとして「転勤」を取り上げ、これからの転勤の在り方と施策を提案しています。

 まず、令和7年度の業務を振り返ります。
 激しい人材獲得競争の中で、公務が「選ばれる」職場となるよう取組を進めてきました。具体的には、公務のブランディング、職務・職責をより重視した給与、月100時間を超える超過勤務の最小化、採用手法の更なる見直しといった、様々な施策を展開してまいりました。
 
 3月には、公務のブランドメッセージとして、「国のミライをつくる、唯一無二の挑戦がある」を策定し、公表しました。このブランドメッセージは、社会全体に公務の本来の有り様を伝えるためのもので、様々な府省の職員が公務の仕事の価値や魅力について議論を重ね、生まれたものです。このメッセージを活用しながら、公務の仕事の価値を発信していき、少しでもポジティブな面が伝わると良いなあ、と思います。

 この春実施の総合職試験、一般職大卒程度試験の申込者数は、いずれも増加しており、明るい兆しが見られました。
 一方で、優秀な人材の確保・定着に向けては、なお一層の対応が必要と考えております。職員が挑戦し続けられる公務職場であるために、現在の施策を加速するとともに、新たな取組に着手し、人事院は引き続き改革に取り組んでまいります。
 この夏の人事院勧告・報告にも、ぜひ注目いただければ幸いです。

 次に、本年の特別テーマである「転勤」についてご説明いたします。
 転勤は、職員の生活と人生設計に直結するものです。これまで長い間、転勤は職員に受け入れられてきたわけですが、働き方やライフスタイルが多様化し、官民を問わず、転勤を避けたいと考える人が増えているとの指摘があります。転勤は、人材確保の観点から議論すべき重要な課題となっています。
 
 今回、人事院は、職員アンケート、各府省、民間企業、諸外国へのヒアリングを通じて、実態を把握しました。
 職員アンケートの結果、5割程度の職員が転勤に否定的な意識を持っていることがわかりました。転勤に「できれば行きたくない」とする理由としては、「金銭的負担」が最も多い結果となりました。属性別に見ると、単身者や、育児や介護を行っていない場合でも、半分の職員が転勤に否定的な意識を持っています。
 一方で、配偶者がいて就業している場合でも、4割を超える職員が転勤に肯定的な意識を持っていることも明らかになりました。また20代の方が、他の世代に比べて転勤に肯定的な意識を持っていることもわかりました。
 
 こうした結果から、各府省では、実際には転勤が可能な者や希望する者を十分に把握できていない可能性があります。
 また、「転勤は大変」というイメージが先行している場合もあります。職員自身にとっても、転勤を自らのキャリアの中でどのように位置づけるのかを考えることが必要であり、そのための情報提供が十分かという課題もあります。
 
 今後は、各府省において人材マネジメント全体を見直す中で、個々の職員の意向や事情を踏まえつつ、転勤を行う目的や必要性について、改めて検討することが重要ではないか、という示唆が得られました。
 
 その上で、今後の施策としては、大きく2点考えられます。
 1点目として、転勤についての情報提供とコミュニケーションを増やすことです。各府省が、転勤の目的や必要性を職員に丁寧に説明し、可能な限り個々の職員の事情や考え、転勤できるとすればその条件などに配慮していくことが考えられます。それと同時に、職員自身が、転勤をキャリアの中でどう位置づけるのか、深く考えられるような仕組みが重要です。
 2点目は、転勤に係る負担を軽減することです。負担は金銭的なもの、時間的なもの、いろいろですが、例えば、引っ越し準備に必要な時間の確保や宿舎不足への対応、少なくとも経済的にマイナスにならないこと、さらに、新たな金銭的インセンティブを創設することが考えられます。
 特に、金銭的インセンティブについては、人事院として、今後の勧告・報告で具体的な対応をお示しできるよう、検討を進めてまいります。
 各府省においても、今回の特集を、転勤の意義・必要性について考える一助としていただければと思います。

 最後になりますが、公務のブランドメッセージにもあるように、公務の仕事には、「国のミライをつくる、唯一無二の挑戦がある」と思います。
 職員の皆さんが、やりがいを実感しながら挑戦できる環境を作り、職員の皆さんの挑戦にしっかりと報いるため、人事院として全力で取り組んでまいります。
 改めて、この夏の人事院勧告・報告にも注目いただければと思います。
 
私からは以上です。
 

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