記者会見

令和6年6月19日 令和5年度年次報告書に関する川本総裁記者会見

令和5年度年次報告書に関する川本総裁記者会見の様子
【冒頭発言】 

 川本でございます。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。
 令和5年度の人事院の業務に関する年次報告、いわゆる「公務員白書」を、本日、国会と内閣に提出しました。
 
 今回の白書では、昨年夏の「公務員人事管理に関する報告」で示した3つの柱、
 ・1点目は、公務組織を支える人材の確保
 ・2点目は、職員の成長と組織パフォーマンスの向上
 ・3点目は、多様なワークスタイル・ライフスタイルの実現とWell-beingの土台となる環境整備
 を軸に、この1年で取り組んだ主な施策をコンパクトにまとめています。また、昨年秋から開催している、人事行政諮問会議の議論の経過や中間報告についても紹介しています。

 
 これまで、今の時代環境に即した公務員人事制度とするために、例えば人材確保の観点では、数年にわたっての採用試験制度の改革や、民間人材の誘致などの採用チャネルの拡大を進めてきました。
 総合職試験では専門試験を課さない「教養区分」について受験機会を拡大したこともあり、応募者も増えています。
 職員の成長支援の観点では、キャリア支援に関する研修の拡充や好事例の提供などを行ってきました。
 また、職場環境の整備の観点では、フレックスタイム制を見直し、週に3日お休みが取れるような仕組みを一般の職員にも拡大したり、夏季休暇、つまり夏休みの取れる期間を広げたり、より柔軟な働き方の実現に向けて取り組み、そして、重要課題である長時間労働の是正に向けた取組も進めてきました。
 
 このように、ここ数年、公務員人事制度のアップデートを進めてまいりました。しかしながら、将来を見据えたときに、環境変化のスピードが速まる中、日本が世界の中で存在感を示していくために、何がベストの公務員人事制度なのか、真剣に考える時期にあります。これまでの延長線上の対応でよいのか、抜本的なアップグレードが必要ではないか、ということで、昨年秋から有識者の方々にお集まりいただき、人事行政諮問会議を開催してきたところです。
 
 先月、この会議から中間報告をいただきましたが、将来の公務員人事の制度や運用の「青写真」が示されたと思っており、非常に画期的だと受け止めています。
 今後は、いただいた御意見を実現すべく、実際に現場で運用できる制度に落とし込んでいくことが人事院の最重要課題であると痛感しています。
 人事院としましては、スピード感をもって、先んじて着手できる施策に関しては、この夏の人事院勧告時に表明できるよう、精力的に検討を進めているところです。
 
 最後になりますが、国家公務員の仕事は、本来、国家の屋台骨を支える、本当にやりがいのある、日本の中でもオンリーワンの仕事です。そういう観点からの情報発信にも力を入れながら、『人』が組織の担い手であり、最大の資本である、との認識のもと、公務組織に『人』をいかに惹きつけるか、その方々の価値をいかに引き出すか、そして組織のパフォーマンスをいかに最大化させるか、これからも力を注いでまいります。
 
 私からは以上です。

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