記者会見
令和7年6月6日 令和6年度年次報告書に関する川本総裁記者会見

【冒頭発言】
川本でございます。本日はお集まりいただき、本当にありがとうございます。
本日、令和6年度の人事院の業務に関する年次報告、いわゆる「公務員白書」を、国会と内閣に提出しました。
今回の白書では、令和6年度の人事院業務を振り返るとともに、特別テーマとして「公務のブランディング」を新たな方向性として示しています。
まず、令和6年度の業務を振り返りますと、持続可能な公務組織とするために施策を総動員すべく、採用手法の更なる見直し、超過勤務の縮減、両立支援の仕組みの拡充、給与制度のアップデートをはじめ、様々な施策を展開してまいりました。
本年度の一般職大卒程度試験の申込者数が3年ぶりに増加するなど、人材確保では少し明るい兆しもございます。しかし、人材獲得競争がし烈さを増す中で、歩みを緩めることはできません。
このような中で、本年3月には、各界の有識者で構成される「人事行政諮問会議」から最終提言をいただきました。新たな時代にふさわしい人材マネジメントを推し進めていくための貴重なご意見やご提案を頂戴しました。人事院としてこの提言をしっかり受け止め、スピード感を持って、全力で改革を進めてまいります。
私は、国家公務員の皆さんのお仕事を「オンリーワン」と言ってまいりました。国家公務員の仕事は、国家の屋台骨を支える、大変重要で、かつ、やりがいのあるものと感じています。
しかし、実際に働く職員の皆さんをはじめ、公務の内外にそれが伝わっていなければ、非常にもったいないことと感じます。
国家公務員ならではのやりがい、魅力を言語化して、分かりやすく伝えていく。そこでカギになるのは、「公務のブランディング」です。
今回の白書では、「公務のブランディング」を特集しています。
国家公務員に対するイメージ調査や民間企業へのヒアリングなどを行いながら、公務職場だからこそ提供できる価値や魅力を明らかにし、公務内で働いている職員への浸透と、公務外への発信を一体的に、かつ、効果的に展開するための取組を提言しています。
「公務のブランディング」は、人事院が表明・周知し、各府省とも緊密に連携しながら、あらゆるチャネルを通じて、継続的に取り組んでいくことが必要です。そこで、今回は、ブランディングのための府省横断チームを立ち上げることも提言しています。「公務のブランディング」を表明することも、この分野の府省横断チームを結成することも、いずれも初めての試みです。
特集でも述べていますが、「国」という視点で社会をリードし、社会に新たな価値を生み出せること。そして、法令や政策の企画立案を通じて、社会問題を解決し、国民生活の向上に貢献できること。これは、「国家公務員の仕事ならでは」と言えます。
そして、公務職場は、使命感に満ちた行政のプロフェッショナル同士で切磋琢磨しながら、スケールの大きい、困難な課題に挑むことで、一人ひとりの大きな成長を可能にする場でもあります。
このブランディングの取組に、是非、注目していただければと考えています。
もう一つお伝えしたいこととして、行動規範のことがあります。
5月15日に、人事院は、人事行政諮問会議の提言を踏まえ、「国家公務員行動規範」を策定し公表しました。
・①「国民を第一」に考えた行動、
・②「中立・公正」な立場での職務遂行、そして、
・③「専門性と根拠」に基づいた客観的判断。
これらを柱として、職員が日々の仕事に取り組む上で拠り所となる、国家公務員に求められる積極的な行動を、新たに示したものです。
組織の理念や価値観を具体的に共有することは、個人の適切な行動と、組織全体の活性化には不可欠です。
各府省においても、この行動規範を踏まえながら、それぞれの目指す姿に応じて、組織のミッションやバリューを具体化することが期待されます。
「国家公務員行動規範」は、国家公務員が最も大切にする価値を分かりやすく世に示すことを通じて、ブランディングにも直結する、大切なものです。
最後になりますが、職員の皆さんが、国家公務員として働くことに誇りを持ち、やりがいを実感しながら職務にまい進できるように。そして、そうした姿からも、社会全体に公務の魅力が伝わるとともに、国民の皆さんから信頼を得られるように。
人事院は、公務職場の魅力の向上と、その発信を車の「両輪」として、更なる取組を全力で進めてまいります。
私からは以上です。