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記者会見

令和4年8月8日 人事院勧告・報告における川本総裁記者会見の概要

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【冒頭発言】
 川本裕子でございます。本日はおいでいただきまして、ありがとうございます。
 
 先ほど、国会と内閣に対しまして、国家公務員の給与の改定を勧告し、本勧告どおり実施していただくよう要請をいたしました。私から岸田総理大臣に直接お渡ししてきたところです。
 本年の給与勧告においては、月例給・ボーナスともに、民間が公務を上回っていたため、3年ぶりに引き上げることにいたしました。
 月例給について、初任給や若手に重点を置き、30歳台半ばまでの俸給月額を引き上げるとともに、ボーナスを0.10月分引き上げ、年間4.40月分としております。
 
 社会情勢が急速に変化し、行政課題は複雑化・高度化しています。その中にあって、世界最高水準の行政サービスを国民の皆様にお届けするためには、行政を支える公務組織が、国民本位の、能率的で活力のある組織であり続けなければなりません。
 こうした使命に応えるために、給与勧告と併せて行った 「公務員人事管理に関する報告」では、昨年の報告で整理した人事行政が直面している課題と対応策の進展の状況を振り返り、取組を更に前進させるための次の一手を示しています。加えて、昨今の公務を取り巻く状況を踏まえ、これから本格的に改革に着手すべき分野における課題と対応策も明示しています。
 私は、今後の日本の経済社会の最重要課題は『人』だと思っています。組織を支える人材、組織のミッションを実現させる人材をいかに確保し、育てていくのか。そして、組織構成員がWell-beingの実現を図り、パフォーマンスをあげられるような環境を整備し、実績をあげた際には適正に処遇をしていく。これらの視点は、今の公務組織に特に必要なものだと思っています。今回の報告文で示した課題と対応策は、いずれも行政の担い手となる『人』をどうするか、という点に行き着くものであります。
 
 本日は、この会見の場を通じて、次の4点について、課題や対応策に対する私の思いも含めまして、お話ししたいと思います。
 ① 1点目は、人材の確保
 ② 2点目は、公正な人事評価と『人』への投資
 ③ 3点目は、勤務環境の整備
 ④ 4点目は、給与制度のアップデート
です。
 
 まず、1点目の公務における人材確保ですが、危機的な状況にあり、喫緊の国家的課題だと思っています。従来の採用戦略、採用手法を踏襲していては、事態は好転しない、大胆に変えていくことも必要です。そこで、今回の報告文では、国家公務員採用試験の改革について、「いつ」、「何をやるのか」、具体的なメニューを示しました。実現に向けて、既に検討に着手しております。
 
 また、複雑化・高度化する課題の解決には、公務部内で育成した人材だけでは対応しきれません。公務外から人材を一定程度取り込むこと、つまり「クリティカルマス」が極めて大事だと思っています。このため、各府省がタイムリーかつスピーディーに民間人材を採用できるように、この1年間で2回にわたって採用円滑化の措置を講じました。今後、給与についても、民間経験を適切に評価した設定や、高度な専門性や業績に応じた設定を行えるよう、各府省を支援し、民間人材の採用をさらに後押ししたいと考えています。
 
 次に、本日のお話の2点目、公正な人事評価と『人』への投資についてです。
 新卒採用、経験者採用を問わず、多様な人材に活躍していただくためには、組織として明確なビジョンやミッション、これに沿った行動規範が必要となるほか、公正な人事評価がなされることが不可欠です。また、若手職員からは、「成長実感がない」という話をうかがいますが、成長とは人に評価されて実感できるものです。誰もが信頼し、成長を実感できる人事評価を実現するためにも、管理職員のマネジメント能力の向上、さらには若手職員のキャリア形成支援の充実が必要であり、公務における『人』への投資を積極的に進めてまいります。
 
 本日のお話の3点目、勤務環境の整備についてです。
 多様な人材に公務を志望していただくためには、公務職場の働き方に対するマイナスイメージを払拭し、公務の魅力を高める取組も急務です。例えば、長時間労働の是正に関しては、本年4月、人事院に「勤務時間調査・指導室」を立ち上げ、既に各府省への調査を実施しております。各府省の超過勤務時間、在庁時間のデータを把握し、不適切な事例に対してはしっかりと指導し、是正を求めていくこととしています。
 各府省には、業務改革や必要な人員配置など長時間労働の是正に向けた取組を進めていただくことは当然ですが、人事院としても、定員管理を担当する部局に対して必要な働きかけを行ってまいります。また、国会対応業務による超過勤務縮減の観点から、昨年に続き、国会を始めとする関係各方面の御理解・御協力をお願いしていきたいと考えています。
 また、働き方に関する価値観やライフスタイルが多様化する中、職員の希望や事情に応じた働き方が可能となるよう、フレックスタイム制を速やかに柔軟化します。こうした取組とともに、健康管理体制の充実を図ることで、職員一人一人の能力発揮やWell-beingの実現を後押しします。これらにより、国家公務員の働き方改革を強力に推進してまいります。
 
 最後の4点目は、給与制度のアップデートです。
 今回の報告では、給与制度についても、社会と公務の変化に応じたアップデートに向けて取り組んでいくことを明記しております。これまで申し上げた公務をめぐる様々な課題も念頭に置きつつ、現在の給与制度が、果たして時代に合ったものなのか、職員一人一人が躍動できる公務組織の実現にふさわしいものになっているのか、公務全体のあるべき給与水準や給与カーブも含め、検証してまいります。来年夏には、具体的な措置の骨格案を示したいと思っております。
 
 ただいま御紹介したような、公務員人事管理に関する幅広い分野において、大胆な改革を実行することで、公務が一層魅力的になり、政府の課題解決能力もアップし、その結果として政府や公務員への国民の信頼が高まると期待しています。
 
 本日、給与勧告と「公務員人事管理に関する報告」を岸田総理大臣にお渡ししました。
 プレスの皆さんが退室された後の懇談の場で、次のようなお言葉をいただきました。
 「民間からの円滑な人材確保やフレックスタイム制の柔軟化などの取組に加えて、骨太方針で示したデジタル時代にふさわしい政府への転換をしっかり進めるためにも、デジタル技術を活用した働きやすい職場環境や勤務形態の柔軟化、リスキリングなどの人材の育成について、関係機関が連携して積極的に取組を進め具体化していただきたい。」
とのことでした。
 また、松野官房長官におかれては、会見において、民間からの円滑な人材確保に関する取組、フレックスタイム制の柔軟化など、今回の「報告」について、「前向きな取組方針が示された」との御発言があった、と伺っております。
 牧島デジタル担当大臣からも、デジタル臨調で検討の御要請をいただいていた「民間人材の採用手続や給与決定の柔軟化など、これまで以上に踏み込んだ取組方針が示されたことを歓迎している」、「公務職場がより魅力的になるよう、引き続き人事院などと連携・協力していきたい」との御発言があった、とのことです。
 さらに、こども政策や女性活躍などを担当されている野田大臣からは、こども家庭庁の創設も見据えて、「民間人材の積極的な登用は大事だ」との御認識を示されるとともに、長時間労働の是正や出生サポート休暇など、公務における率先した取組が、日本全体の働き方改革をリードしていくことを期待している、との御発言があった、と伺っております。
 このような御期待にしっかり応えるべく、スピード感をもって対応してまいります。
 
 最後になりますが、冒頭で申し上げたとおり、世界最高水準の行政サービスを国民の皆様にお届けするためには、行政の担い手となる『人』が最重要課題だと思っています。残念ながら、一部の公務員の不祥事により、公務員全体、公務組織全体がネガティブに捉えられてしまうこともありますが、ほとんどの公務員は、国民の安心・安全を確保し、国民生活をより良いものとすべく、日々の職務に邁進しています。そのような公務員の皆さんに、感謝と同時に、敬意を表します。

 公務員一人一人が生き生きと働くことができるよう、また公務組織としてパフォーマンスを最大限発揮し、より一層、国民の皆様に貢献できるよう、関係機関とも連携して、着実に前進させていきたいと思っております。
 
 公務における人的資源管理に関する各種の難題に対して、お二人の人事官、そして人事院事務総局の職員が一丸となって、スピード感を持って果敢に取り組み、物事を大きく前進させ、人事行政に好循環を生み出していきたい、そう思っております。

 

令和4年6月10日 令和3年度年次報告書に関する川本総裁記者会見

【冒頭発言】
 川本でございます。本日はお越しいただき、ありがとうございます。
 人事院は、先ほど、国会と内閣に対し、令和3年度の年次報告書、いわゆる白書を提出いたしました。また、私が人事院総裁を拝命したのが昨年6月で、間もなく1年となりますので、このような節目のタイミングに当たり、私から直接メディアの皆様へ、そして皆様から情報を受け取る多くの方々に、人事院が何をやってきたか、これからどういう方向に進むか、私がどういうことを考えているか、についてお伝えしたいと思っています。

 国家公務員の使命とは何かを考えた場合、様々な御意見があると思いますが、私は、「世界最高の行政サービスを国民の皆様にお届けすること」、これが国家公務員の使命だと思っています。この使命を果たすためには、行政の担い手となる人材を確保すること、そして公務組織を魅力ある職場とすることが鍵となります。
 この観点から、人事行政分野における、この1年の取組を見ましても、公務人材の確保、長時間労働の是正など、解決が困難な課題に直面していました。今回の年次報告書でお示ししたとおり、長時間労働の是正に関しては、年度が替わって本年4月に、「勤務時間調査・指導室」を新たに設置し、各府省への助言や指導などを強化しているところです。
 公務人材の確保については喫緊の課題であり、さらに言えば危機的状況であると認識しています。公務を志す方々が減り、その一方で、若手職員の離職が増加しています。さらには、デジタル人材も含め、専門人材が不足している状況です。これまでの採用戦略、採用手法を維持しているだけでは、事態は好転しません。

 そこで、昨年度、官民の垣根を超えた人材を誘致して、民間人材が活躍できるよう、各府省限りで採用できる任期付き職員の範囲を拡大しました。当然のことながら、「この取組で終わり」、ではありません。公務組織の活性化、機能強化のためには、民間人材、中途採用の方々を、一定程度取り込むこと、つまり「クリティカルマス」が大事だと思っています。
 民間人材を大いに活用しなければ、現在の日本の行政は十分に機能しない状況になるという懸念もあります。人事院としては、民間人材の採用円滑化に向けた取組をさらに加速させたいと考えています。

 本日の主題として、採用試験の見直しに向けた施策についてお話します。
 先ほど申し上げたとおり、公務人材の確保は危機的状況であり、人事院としても、「何とかしなければ」という強い思いで、「採用試験の課題と今後の施策」を、今回の年次報告書の特集として取り上げました。
 人事院として初めて実施した、公務員を志望しなかった学生も対象に含めた意識調査、大学の教職員の方々や各府省の方々へのヒアリングなどから、学生の間での採用試験に対する負担感を指摘する意見が多く聞かれたところです。さらに、民間企業の採用活動の早期化が進む中、採用試験の時期を早めるべきとの御意見も多くございました。
 こうした調査結果や関係者からの御意見も踏まえ、今回の年次報告書では、採用試験の課題を整理し、人事院として取り組むべき方策について検討の方向性を示したところです。具体的には、採用試験をより早期に受験できるようにしたり、多様な人材が受験しやすいように、採用試験の間口を拡げる施策です。「今年度中を目途に方針を打ち出すべき施策」、「その他検討を行うべき施策」のそれぞれについて、具体的な項目を示しています。
 これらの施策について、スピード感を持って取り組み、公務員志望者の増加につなげていきたいと考えております。

 本日は、公務人材の確保を中心にお話させていただきました。人事行政については、もちろん本日お話ししたことだけではなく、長時間労働の是正などの働き方改革や、人事評価制度の見直しを通じた能力・実績主義の推進などの分野でも、課題は山積しています。
 これらの課題に対し、回避しようとしたり、思考停止に陥ったりせず、関係機関とも連携し、人事院においては、お二人の人事官、そして事務総局の職員が一丸となって、状況改善、課題解決に向けて取り組んでまいります。
 

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