職員を昇任させる場合は、それぞれの職制段階で人事評価の結果等に基づいて能力・適性の認められた者を昇任させることが制度上求められており、行政運営に与える影響の大きい管理職員・幹部職員については、特に厳正に評価を行った上で能力・適性に応じた選抜を行うことが求められる。
旧Ⅰ種採用事務系職員については、多くの府省において企画官級への昇任前まで同一採用年次の者をほぼ一斉に昇任させる人事運用がみられるところであるが、課長補佐級への昇任段階から、人事評価の結果等を活用して、その時点で能力が劣り適性を欠くと認められる者を同時には昇任させないなどの人事運用の見直しを進めることについて検討が必要である。
また、特に本府省課長級への昇任段階においては、能力・適性を欠くと認められた者は、それ以上の段階へは昇任させないという厳正な登用選抜を行う必要がある。これにより優秀な者については、一定の早い昇進ペースを確保することができることとなる。
選抜の際には、選抜の公正性、納得性を高めるため、選考の透明性を確保する一定の手続を設けることが必要である。
このほか、採用後早い段階で管理職員・幹部職員の要員としての適性がないことが判明した職員に対しキャリアカウンセリングを行って転身を促すことや、育成段階で専門職としての適性がより認められた職員についてはスタッフ職として活躍させるなど、複数の人事コースを用意することなどの人事施策についても取り組んでいくことが考えられる。