第1編 人事行政

第2部 グローバル社会を切り拓く国家公務員を育てるために

第3章 国際人材の確保・育成に向けた方策

第1節 求められる国際人材と人事管理の在り方

1 国際人材に求められる姿

今日、世界的な動向が国内外の様々な行政分野に影響するようになっており、その傾向は今後ますます顕著になると考えられる。第1章で見てきたように所掌行政に関し国際関係業務が増加しつつある中で、国内外の政策の企画・立案に関わる職員は、公務員としての使命感や高い専門性だけでなく、幅広い領域にわたる国際感覚を兼ね備えることが欠かせなくなっている。

また、国際的な交渉を含め国際関係業務に主に従事することが求められる職員には、語学力のみならず、一人一人の職員が自らの専門性と国際感覚を磨きながら、海外勤務を含む国際関係業務の経験等を通じ、自らの意見を積極的に述べ、相手の理解と信頼を得て国内外の様々な人的ネットワークを保持・拡大できるようコミュニケーション能力を向上させることが必要となる。さらに、重要な国際交渉業務に従事したり、国際機関で活躍することが期待される職員には、関連する国際業務の経験を積み重ねることにより、その専門性を国際的な舞台でも通用するように一層深めていくことが求められる。

このような職員を育成するために、以下のとおり、各府省の人事当局は今後必要となる資質・能力を見据えて職員の意向も踏まえながら計画的に人事管理を行う必要がある。併せて一人一人の職員が自らのキャリアを自律的に考える姿勢を持つとともに、管理職員が職員の成長を促進するマネジメントを行っていく必要がある。

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