修学等のための早出遅出勤務の円滑な運用に関する指針について
(平成18年4月25日職職―157)
(人事院事務総局職員福祉局長発)
 
 複雑・高度化する行政課題に対応するため、職員一人一人の能力を最大限に発揮させることが求められている中で、職員の修学等を支援することは、職員個人の能力・資質を伸ばし、長期的には公務能率の維持・向上に寄与するものと考えられます。
 このような観点から、各府省が必要に応じて修学等を支援するための方策として、早出遅出勤務を活用することが考えられますが、これに関し、各府省に統一的な運用を確保するための指針を定めましたので、公務の運営に特段の支障が生じない限り、これに基づき内部規定の整備その他の運用に努めてください。
 
 
1 修学等のための早出遅出勤務の適用に当たっての基本的考え方
 (1) 修学等のための早出遅出勤務をさせる場合、修学等の範囲や勤務時間帯の設定は、各府省の職場と職員の事情に応じて設定するものであること。
 (2) 1日の正規の勤務時間が7時間45分とされている職員に、修学等のための早出遅出勤務をさせる場合には、公務能率と職員の健康・福祉の観点から、始業の時刻を午前5時以後とし、かつ、終業の時刻を午後10時以前とすること。この時間帯においては、各府省の職場の事情に応じて勤務時間を割り振ることが可能であること。
 (3) (2)の割振りに当たっては、育児又は介護を行う職員の早出遅出勤務と同様、職場と職員の事情に応じて柔軟に対応できるよう、あらかじめ訓令等により設定した複数の勤務時間帯の中から職員が選択することが基本となること。
 
2 修学等のための早出遅出勤務における勤務時間の割振りについて
  修学等のための早出遅出勤務における勤務時間の割振りについては、次の(1)~(3)のいずれかの方法によるものとし、さらに(1)~(3)において、あらかじめ設定した勤務時間以外についても柔軟に割り振ることができるよう、例えば、人事担当課と協議の上で設定時間帯以外の勤務時間を別途割り振ることができる旨の規定を設けることも可能であること。
 (1) 育児・介護、疲労蓄積防止等の早出遅出勤務以外に、別途、修学等のための早出遅出勤務をさせるため、新たに複数の勤務時間帯を設定して、その中から勤務時間を割り振ること。
 (2) 育児・介護、疲労蓄積防止等の既存の早出遅出勤務の枠組を活用し、修学等を新たに利用目的に追加して、その中から勤務時間を割り振ること。
 (3) (1)、(2)のように新たに早出遅出勤務の枠組を設けず、時差通勤のための勤務時間帯を利用して、時差通勤職員として職員に勤務時間を割り振ること。
 
3 修学等の範囲について
 (1) 公務能率の維持・向上の観点から、修学等の範囲については無限定とすべきでなく、夜間大学の課程や職務に何らかの関連性のあるセミナー、資格講座等に限定することが基本であること。この場合、必要に応じて、各省各庁の長の判断により、職務に密接な関連性のあるものに更に限定することは可能であること。
 (2) 職務との関連性の判断は、職場のみならず府省等を単位として考えることも可能であること。
 
4 対象職員について
 (1) 任期付職員や臨時的職員など一定期間内に必要な職責を果たすことを目的として採用される職員は、その性質上対象とはならないこと。
 (2) 役職、職種等により対象を限定しないことを基本とすること。
 (3) 必要に応じて、最低勤続年数、利用回数等を要件として設定することが可能であること。
 
5 手続等について
 (1) 2(1)及び(2)における修学等のための早出遅出勤務の請求手続等は、育児・介護のための早出遅出勤務の例に準じて行うことを基本とするが、必要に応じて異なる手続きとすることも可能であること。
 (2) 2(3)については、時差通勤職員として取り扱うものであるため、職員からの請求を要件とする必要はないこと。ただし、育児・介護、疲労蓄積防止等他の早出遅出勤務の場合と同様の手続又は異なる手続を要件として設けることも可能であること。
 (3) (1)及び(2)において、育児・介護、疲労蓄積防止等他の早出遅出勤務と異なる手続を設ける場合は、手続の相違点等について職員への周知を徹底すること。
 (4) 修学等のための早出遅出勤務は、希望する勤務時間に変更することを請求できることとするものであり、職員が自由に勤務時間を設定することを認めるものではないこと。
 (5) 修学等のための早出遅出勤務は、職員個人の事情を契機とする割振りの変更であることから、各省各庁の長は、公務運営の支障の有無、他の職員への影響等、各職場における状況を十分把握した上で、早出遅出勤務の適用の可否について判断するものであること。
 (6) 必要に応じて入学証明書、在学証明書等の提出を求めることが望ましいこと。
 
6 その他
 (1) 各省各庁の長は、早出遅出勤務において、職員はあくまでも正規の勤務時間すべてを勤務するものであることに留意し、その活用が進むよう、制度の周知・徹底を図るなど、職場における上司及び同僚の理解を得られるような環境整備を行うこと。
 (2) 長時間勤務が慢性化した職場など活用が難しい職場もあるものと考えられるが、修学等のための早出遅出勤務が職員個人の能力の向上及び公務能率の維持・向上につながることを考慮して、請求があった場合には、例えば、週1日であっても活用の可能性を探るなど、職務に対する職員の士気の維持・向上に努めること。
 (3) 早出遅出勤務の活用に当たっては、職場内の他の職員の負担が増大することのないよう、また、制度の活用が一部の職員に偏ることにより職員間で不公平感が生じないよう、十分に留意すべきこと。
 (4) 修学等のための早出遅出勤務をさせる場合には、授業等の開始時刻及び通学等に要する時間を勘案した上で職員の勤務時間を割り振るよう努めること。
 
(参考例)
早出遅出請求書( PDF
早出遅出通知書( PDF
状況変更届( PDF
 
以   上
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