第1回(令和5年9月25日)
人事行政諮問会議の開催に当たり、森田委員が座長に選出された後、人事院総裁から森田座長に対して以下の内容が諮問された。
公務を取り巻く環境が大きく変化し続け、不確実性を増していく時代にあっては、これまでの延長線上での対応では公務員人事管理の課題に対する解を見いだすことは困難である。また、優秀な人材を公務に誘致するためには、社会情勢の変化やデジタル化が更に進展し、人材戦略の重要性が増大する新たな時代を見据え、国家公務員の在るべき姿などについて明らかにするとともに、人材マネジメントのグランドデザインを構築することが急務となっている。そのためには、公務員人事管理の在り方について、聖域を設けることなく骨太にかつ課題横断的に議論する必要がある。
これを踏まえ、公務人材マネジメントの抜本的なアップグレードを実現し、多様で有為の人材を確保・育成するために、人事行政・人事管理の在り方に関し審議し、提言することを求める。
また、本会議事務局から、公務を取り巻く状況を説明した後、委員から、公務をめぐる諸課題や採用・処遇・働き方といった公務員人事管理に関する問題意識の共有及び意見交換がなされた。
第2回(令和5年10月30日)
第1回で各委員から示された課題意識の下、今後の会議において、以下の4つのテーマに分類し議論を深めていくことで一致した。
① 国家公務員の在り方及び国家公務員に対する規律
② 処遇も含めた、戦略的人材確保の在り方
③ 多様な属性の職員が生き生きと働き続けられる環境整備の在り方
④ エンゲージメント向上につながる評価・育成の在り方
続いて、1 つ目のテーマである「国家公務員の在り方及び国家公務員に対する規律」について議論が行われた。現在の公務組織において組織マネジメント面に課題が生じていること、経験者採用などによる多様な背景を持つ職員の増加や共働き世帯の増加等、国家公務員の属性が多様化しており、適切なマネジメント行動が必要となること、さらに、複雑・高度な行政課題への対処に当たって職員の自律的な思考や行動を促すことが求められること、といった課題認識を踏まえ、現行の行為規制のみならず、望ましいマネジメント行動も含めた「個々の国家公務員に積極的に期待される行動」の明確化等について、委員間で意見が交わされた。
第3回(令和5年12月5日)
2つ目のテーマである「処遇も含めた、戦略的人材確保の在り方」について議論が行われた。試験申込者数が減少傾向に、若年層を中心とした離職率が増加傾向にあり、人材のターゲットごとに課題要因を特定して求める人材を安定的に充足させる方策を講じていくことが急務であること、採用関連制度・運用の改善に加えて、人事制度・運用全体について、人材確保に資するよう総合的な対応を図ることが求められること、といった課題認識を踏まえ、今後どのような能力を有する人材が特に求められるか、その確保・選抜方法、民間企業との採用競合があり人材確保が難しい場合にどのような給与水準が望ましいか等について、委員間で意見が交わされた。
第4回(令和5年12月19日)
「多様な属性の職員が生き生きと働き続けられる環境整備の在り方」について議論が行われた。若年層が自律的に自身の働き方を決定したいと考えるようになっていること、共働き世帯の増加や育児参加に対する意識の変化に対応できる人事管理が求められること、といった課題認識を踏まえ、多様な属性を持つ職員が自律的かつ、生産的に働くことができるような環境整備として、兼業規制の見直し、勤務時間の柔軟化及び勤務地域の選択制、その他Well-Being実現に当たって必要な事項等について、委員間で意見が交わされた。
第5回(令和6年1月23日)
「エンゲージメント向上につながる評価・育成の在り方」について議論が行われた。国家公務員の人材確保をめぐる状況や公務を取り巻く社会情勢が大きく変化する中、公務においても職務や実績に応じた処遇の推進、成長の実感につながる評価やキャリア形成支援が求められるといった課題認識を踏まえ、ポストと職務の級や給与を厳格にリンクさせるべき職員層、ポストに求められる役割等の明確化、評価者と被評価者との間のコミュニケーションの在り方、実効的なキャリア形成支援、国家公務員のスキル・専門性の向上の支援等について、委員間で意見が交わされた。
第6回(令和6年2月28日)
経済産業省、国土交通省、公務員労働組合連絡会、日本国家公務員労働組合連合会を招いてヒアリングを実施した。
各組織から、これまでの人事行政諮問会議における議論のテーマ(①国家公務員の在り方及び国家公務員に対する規律、②処遇も含めた、戦略的人材確保の在り方、③多様な属性の職員が生き生きと働き続けられる環境整備の在り方、④エンゲージメント向上につながる評価・育成の在り方)に関する事項の現状や課題について説明があり、その後、委員からの質疑が行われた。
第7回(令和6年3月25日)
これまでの議論を踏まえ、事務局より中間報告の骨子案が提示され、当該骨子案について委員による意見交換が行われた。その後、委員からの意見を踏まえて、当該骨子案をたたき台とし、座長の下で中間報告案を作成し、次回の会議で議論することが了承された。
第8回(令和6年4月22日)
第7回会議を踏まえ作成された中間報告案について委員による意見交換が行われた。その後、中間報告案の内容は了承されるとともに、座長に一任され、座長と事務局で相談して中間報告を確定することで了承された。