第26回(平成25年) 人事院総裁賞「職域部門」受賞

国土交通省 関東地方整備局 東京港湾事務所 

特定離島港湾プロジェクトチーム

  沖ノ鳥島・南鳥島において、海洋資源の開発等のための活動拠点を整備。多数の台風が通過するなど過酷な気象・海象条件下において職員が長期間滞在し作業を実施していることが認められました。

沖ノ鳥島の荷捌施設建て込み作業

☆特定離島港湾プロジェクトチームの業務の内容をお聞かせ下さい

日本最東端の「南鳥島」、そして最南端の「沖ノ鳥島」は、東京からそれぞれ1,700㎞~1,900㎞離れた国境に位置する絶海の孤島で、島周辺に莫大な埋蔵量があると言われている海洋資源の開発・利用・海洋調査等のための船舶が係留、荷さばきなどを行うことができる活動拠点の整備を進めています。
 プロジェクトチームメンバーは、この二つの島に船舶が係留する施設を整備するため良質で効率的かつ安全に工事が進むように「工事の監督業務」に当たっています。。

☆沖ノ鳥島及び南鳥島における港湾施設等の整備の状況についてお聞かせ下さい。

沖ノ鳥島では、平成二四年度から船舶が係留する岸壁施設の築造工事を開始しています。平成25年8月には今後の拠点施設となる大規模な荷捌施設を、初めて島の西側に建て込みました。
 南鳥島では、平成23年度から船舶が係留する岸壁施設の工事を行うとともに船舶が停泊できる深さまで海底の堀込み工事を実施しています。平成27年度に船舶の係留が可能となるよう引き続き整備を進めていきます


過酷な気象・海象条件下における洋上での長期にわたる作業であり、生活面でのご苦労もあると思われますが、特にご苦労の多い点をご紹介下さい。
  沖ノ鳥島の事業は、島に隣接した南方の洋上での事業であり、生活は船上になります。外洋性の波浪の中、小型船舶で約4日間かけて渡島し、波浪により動揺する作業母船に長時間滞在して業務を実施しますが、係留する施設がなく、沖合での滞在を余儀なくされるため、非常に揺れます。日本で唯一の熱帯気候であり、気温が高いため熱中症対策が必須で、鋼板からなる作業現場の床は、灼熱の太陽による輻射で60℃を超過するなど厳しい作業環境にあります。さらに、台風が発生したり、通過したりする海域であり、一たび発生すると急速に発達しながらたちまち近づいてきて、大きな波が発生し、船体が大きく揺れる中での避難生活になり、体調が悪化することが常です。
  南鳥島には、月一便の自衛隊貨物機で四時間かけて渡島し、亜熱帯域の気象条件の中の作業で、島には医師が不在のため、有害生物(毒アリ等)に気を配りながら実施しています。また、両島とも、テレビ、インターネット、携帯電話等の内地では誰もが当たり前のように使用できるものが基本的に使えない環境におかれています。家族への連絡が困難な上、普通の単身赴任と異なり週末に帰宅することもできないため、寂しい思いをすることもあります。

☆今後の業務への抱負をお聞かせください。

南鳥島、沖ノ鳥島の両島とも、事業が本格化しました。より早くに港湾施設が活用できるように、整備を進めて行きます。
 今回の受賞は、公務を担うものとして大変名誉なことと切に感じています。この表彰を糧として、より良質な施設を整備するためにさらなる努力をしていきたいと思います


☆最後に国民の皆様へメッセージをお願いします。

特定離島港湾プロジェクトは、この島の周辺の排他的経済水域内の海洋資源の探査及び開発、海洋環境の保全などの活動の拠点づくりに資する事業です。
 関係者一丸となって、この事業を進めてまいりますので、今後ともご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

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