第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第3章 多様な人材の確保・育成等

2 人材の育成

(1)行政研修における取組

初任行政研修においては、研修受講者数の大幅増(平成30年度:641人、令和元年度:678人)に対応するため、周辺自治体の協力を得て現場訪問先の追加等を行って研修受講者の受入可能数を増加させる一方、引き続き少人数でのグループ討議を重視するなど研修の質の維持に努めた上で、着実に研修を実施した。

東日本大震災の被災地で活動する現地のNPO法人や、官民で連携した地方創生の活動に取り組むNPO法人等へ研修員を派遣する「被災地復興・地方創生プログラム」では、新たに福島県富岡町の「とみおかプラス」を加え、全国11団体への派遣を行った。

初任行政研修以外の行政研修においても、それぞれの研修コースごとにニーズを見極め、新たな講師や派遣先の開拓、カリキュラムの見直し等を行った。例えば、課長補佐向けの研修において、マネジメント能力の向上に特化したコースを設けた。3年目フォローアップ研修では、外部機関が提供している体験型プログラムのうち、企業などからも高い評価を得ており、行政研修の趣旨に適うものについては積極的に取り入れ、カリキュラムの充実に繋げた。また、各種行政研修で実施している公務員倫理や組織マネジメントをテーマとした科目についても、倫理観や使命感の一層のかん養に資するよう教材の開発や改善を行い、着実に実施した。

(2)テーマ別の研修等における取組

昨今の公務員に対する国民の信頼を大きく損なう事態を踏まえ、令和元年度においても引き続き、職員の模範となるべき各府省幹部職員を対象とした研修を実施した。具体的には、本府省の新任審議官級職員に対して従来から実施している昇任時相談窓口等体験研修の事後研修の実施機会に併せて、国民全体に奉仕するという公務員の使命等を改めて認識させることなどを目的として、事務次官経験者が自らの経験に基づいた公務員としての在り方等についての講義を行った。また、本府省の新任局長を対象に、組織管理の在り方等を組織統括者が自らの問題として捉え、いかに対応すべきかを考えさせる研修を実施した。さらに、令和元年度は、ハラスメント防止において幹部・管理職員に求められる役割や行動様式等を再認識させるための研修を新たに実施した。

キャリア形成支援に資する取組としては、平成28年度及び平成29年度の年次報告書第2部において行った職員意識調査結果等を踏まえ、キャリア形成支援の観点から、30歳台の係長級職員を対象に、これまでの自身の職業キャリアを振り返り、今後のキャリア形成を考える機会を提供する「キャリア開発セミナー30」を、昨年度に引き続き実施した。

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