第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第5章 新型コロナウイルス感染症をめぐる対策

 新型コロナウイルス感染症については、我が国においては令和2年1月15日に最初の感染者が確認された後、感染拡大が見られるようになった。政府は、新型コロナウイルスへの対策は危機管理上の重大な課題であるとの認識の下、様々な対策を講じており、人事院においても必要な措置を実施している。

 新型コロナウイルス感染症の発生状況等を踏まえ、柔軟に時差出勤を行うことができるよう、令和2年2月25日に、休憩時間の特例に関する事務総長通知を発出した。
また、同年3月1日に、新型コロナウイルス感染症拡大防止において出勤することが著しく困難であると認められる場合の休暇の取扱いに関する職員福祉局長通知を発出した。

 職員が新型コロナウイルス感染症に係る対応の作業に従事した場合に特例的に防疫等作業手当を支給できるよう、令和2年3月18日に、規則改正を行った。

(1)休憩時間の特例及び休暇の取扱いに係る通知発出

新型コロナウイルス感染症の発生状況等を踏まえ、通勤混雑緩和の観点から、各府省においてより柔軟に時差出勤を行うことができるよう、令和2年2月25日に「一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第6条第2項の規定により勤務時間を割り振る場合の休憩時間の特例について」(令和2年事務総長通知)を発出し、午前11時30分から午後1時30分までの時間帯に休憩時間を置く場合には、連続する正規の勤務時間を最大6時間までとすることができることとした。

また、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針(令和2年2月25日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)及び令和2年2月27日の新型コロナウイルス感染症対策本部において内閣総理大臣から出された小学校等の臨時休業の要請等を踏まえ、同年3月1日に「新型コロナウイルス感染症拡大防止において出勤することが著しく困難であると認められる場合の休暇の取扱いについて」(令和2年職員福祉局長通知)を発出し、検疫法(昭和26年法律第201号)第16条第2項に規定する停留の対象となった場合、職員若しくはその親族に発熱等の風邪症状が見られる場合又は小学校等の臨時休業その他の事情により子の世話を行う必要がある場合で勤務しないことがやむを得ないと認められるときは、出勤することが著しく困難であると認められる場合の有給の休暇の対象として差し支えない旨を通知した。

さらに、同通知について、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律(令和2年法律第4号)が公布・施行されたこと等を踏まえ、「出勤することが著しく困難であると認められる場合」として取り扱って差し支えない場合に、職員又はその親族が、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第44条の3第2項に規定するいわゆる外出自粛要請の対象となり、勤務しないことがやむを得ないと認められる場合を加える等の改正を令和2年3月27日に行った。

(2)特殊勤務手当の特例に係る規則改正

新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、大規模な体制による国内感染拡大防止対策が実施され、著しい特殊性を有する業務が臨時的に発生していることから、同感染症流行地域からチャーター機で帰国した邦人への対応や感染者が発生したクルーズ船に係る対応の作業について防疫等作業手当の支給対象及び手当額の特例を設けるため、規則9-129(東日本大震災及び東日本大震災以外の特定大規模災害等に対処するための人事院規則9-30(特殊勤務手当)の特例)の一部を令和2年3月18日に改正(同年1月27日に遡及して適用)し、当該作業の実情を踏まえ、作業に従事した日1日につき3,000円(感染者等の身体への接触を伴う作業等に従事した場合、1日につき4,000円)を支給できることとした。

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