第1編 人事行政

第2部 グローバル社会を切り拓く国家公務員を育てるために

第3章 国際人材の確保・育成に向けた方策

第1節 求められる国際人材と人事管理の在り方

4 管理職員の適切なマネジメント

前記「2 計画的な人事管理の推進」や「3 職員の自律的なキャリア形成」を推進していくためには、日々の業務や人事評価における面談などを通じて、管理職員と職員が円滑なコミュニケーションを取り、業務の位置付けや意味付け、業務を通じて期待される成長などを上司から職員本人に具体的に伝えていくことが欠かせない。経験豊富な先輩職員が部局に関係なく助言やアドバイスできる機会を意識的に作ることも有効である。

また、行政の複雑・高度化が進展する一方で、人員面で厳しい状況に置かれているため、政策に係る意思決定に時間的余裕がなく、上司から一方的に指示を行い、若手職員に意見を述べさせる機会が少なくなっている傾向が指摘されている。こうした仕事の進め方は業務処理の迅速化などの長所もあるが、いわゆる指示待ちタイプの職員を生み出すことにもなりかねない。国際社会においては、会議や協議の場で自らの意見を積極的に発言し、更に案件によっては議論をリードしたり調整していくことが求められる。日頃から各職員が自由に意見を述べ、積極的に提案や議論する機会を管理職員が設けていくことにより、職員の発信力を高めていくことが重要である。また、職員の適性や希望を踏まえながら、重要な会議への出席や国内外への出張などの機会をできるだけ付与できるよう業務計画を立てていくことも求められる。

さらに、職員のキャリア形成においては、育児や介護など多様な事情を抱える職員の意向や家庭生活の実情にも配慮できるよう、日頃から職員と信頼関係を築き、コミュミケーションを取っていく必要がある。

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