第1編 人事行政

第2部 グローバル社会を切り拓く国家公務員を育てるために

おわりに

この報告では、人事院が実施している在外研究員制度などについて紹介するとともに、各府省における国際化の進展やそれらに対応した人材の確保・育成に関する実情を探り出した。また、これらの状況を踏まえて考えられる取組についての整理を試みた。

諸外国を相手に、複雑・高度化する課題に取り組んでいくためには、単なる語学の習得だけでなく、国際的な経験を継続的に積み重ね、我が国とは異なる様々な考え方や価値観、文化を柔軟に受け入れることができる国際感覚をかん養するとともに、自らの考えを主張し、相手にも理解させるコミュニケーション能力を向上させていくことが必要となる。また、そのためには、行政官として担当職務に関する専門性を日頃から高める努力を続けるとともに、使命感を持って職務に取り組んでいくことが重要である。

この報告で記載した取組を進め、多くの国家公務員がグローバル社会を切り拓けるようになることは、国際貢献や専門知識をいかした活躍を考えている有為な人材が、実際に国際的な業務に意欲を持って取り組むことにつながる。また、将来国際的な業務に従事することに関心を有する学生等の多くが、公務を目指すことにもつながっていく。

各府省において、これからのグローバル社会に対応するために職員のキャリア形成を考慮しながら人材を確保・育成していくことを期待するとともに、人事院としても、各種の対策を検討し、支援・実施していきたい。

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