第2編 国家公務員倫理審査会の業務

第3章 倫理法等違反への厳正かつ迅速な対応

2 倫理法等に違反する疑いがある行為に係る調査及び懲戒の状況

(1)調査及び懲戒処分等の件数

令和元年度に倫理法等に違反する疑いのある行為に関し新たに調査が開始された事案は14件であり、前年度から継続して調査が行われた事案は1件であった。これらのうち、倫理法等に違反する行為があることを理由として懲戒処分が行われたものは6件で合計10人(免職1人、停職1人、減給1人、戒告7人)(後掲(2)参照)であり、各府省の内規による訓告・厳重注意等の措置(以下「矯正措置」という。)が講じられたものは11件で合計164人であった(1件の事案の中で複数の職員が違反行為を行い、懲戒処分、矯正措置の両方が行われたものは3件あり、懲戒処分件数及び矯正措置件数のそれぞれに計上している。)。また、令和元年度の調査が令和2年度に継続された事案はなかった。

これらを前年度(平成30年度)と比べると、新たに開始された調査件数は4件減少し、処分等件数は2件減少した(表4)。

表4 調査及び懲戒処分等の件数等の推移
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(2)倫理法等違反事案の概要

令和元年度において、倫理法等に違反する行為があることを理由として懲戒処分が行われた事案の概要及び処分内容は表5のとおりである。

表5 令和元年度における倫理法等違反により懲戒処分が行われた事案の概要等

また、倫理法等に違反する行為の態様等に照らし、矯正措置が講じられた事案は、11件で合計164人であり、これらの違反行為は、次のとおりである。

  • ・ 贈与等報告書を提出しなかったもの(倫理法第6条第1項違反)2件4人
  • ・ 利害関係者以外の者から社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待を受け又は他の職員が贈与等報告書を提出しなかったもの(倫理法第6条第1項、倫理規程第5条第1項違反)1件2人
  • ・ 利害関係者から物品の贈与を受けたもの(倫理規程第3条第1項第1号違反)2件3人
  • ・ 利害関係者から無償で役務の提供を受けたもの(倫理規程第3条第1項第4号違反)3件148人
  • ・ 利害関係者から無償で役務の提供及び供応接待を受けたもの(倫理規程第3条第1項第4号、第6号違反)1件1人
  • ・ 利害関係者から供応接待を受けたもの(倫理規程第3条第1項第6号違反)2件5人
  • ・ 利害関係者から物品の贈与を受け、共にゴルフをしたもの(倫理規程第3条第1項第1号、第7号違反)1件1人

(注)上記矯正措置が講じられた事案には、1事案について調査結果報告が複数回行われた事案が含まれているため、その件数は、表4の「矯正措置件数」と一致しない(表4(注)4参照)

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