第1編 人事行政

第1部 人事行政この1年の主な動き

第2章 働き方改革と勤務環境の整備

1 長時間労働の是正

国家公務員の超過勤務については、平成31年4月から、規則15-14(職員の勤務時間、休日及び休暇)により、超過勤務命令を行うことができる上限を、原則、1年について360時間、他律的業務の比重が高い部署(以下「他律部署」という。)においても720時間などと設定しており、各府省においては、この人事院規則等の規定内容の下で、超過勤務の縮減に取り組んでいる。

重要な業務であって特に緊急に処理することを要する特例業務に従事する職員に対しては、これらの上限の時間を超えて超過勤務を命ずることができることとしているが、その場合には、各省各庁の長は、上限設定の単位となる1年間の末日の翌日から起算して6か月以内に、上限を超えて超過勤務を命じた要因の整理、分析及び検証を行わなければならないこととしている。

各府省において上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員について、令和元年度の状況を人事院が把握したところ、他律部署では6,189人(他律部署の定員の8.7%)、他律部署以外の部署では13,389人(他律部署以外の部署の定員の6.6%)であった。このうち、本府省の他律部署においては5,652人(本府省の他律部署の定員の15.7%)が上限を超えて超過勤務を命ぜられていた。

職員が従事した主な特例業務としては、台風第15号や台風第19号などの大規模災害への対処、重要な政策に関する法律の立案、G20大阪サミット及び関係閣僚会合や日米貿易協定などの他国又は国際機関との重要な交渉、新型コロナウイルス感染症対策業務、国会対応業務、予算・会計・人事関連業務等があった。

各府省においては、上限を超えて超過勤務を命じることを回避するため、職員の超過勤務時間を課室長等が日々把握するとともに、定期的に幹部職員まで超過勤務の状況を報告し、管理職の意識を高める取組等が行われていた。また、超過勤務の増加が見込まれる場合には、当番制による国会対応、同一部署内又は部署をまたいだ業務分担や人員配置の見直しなど、柔軟に勤務態勢を構築している例が見られた。

人事院としては、把握した各府省の状況を踏まえ、必要な指導や情報提供を行ったところであり、引き続き、令和2年度における各府省の超過勤務の上限に関する制度の運用状況を把握し、必要に応じて各府省を指導するとともに、関係機関と連携しつつ、各府省における超過勤務の縮減のための取組を支援していくこととしている。