第1編 人事行政

第3部 令和2年度業務状況

第1章 職員の任免

第3節 任用状況等

5 女性職員の採用・登用の拡大

国の行政への女性の参画は、男女共同参画社会実現のために政府全体として積極的に取り組むべき重要な課題である。

令和2年12月25日に「第5次男女共同参画基本計画」が閣議決定され、政府全体としての成果目標が定められた。具体的には、採用については、国家公務員採用試験からの採用者に占める女性の割合を毎年度35%以上、国家公務員採用総合職試験からの採用者に占める女性の割合を毎年度35%以上、国家公務員採用試験(技術系区分)からの採用者に占める女性の割合を2025年度までに30%とする目標が定められた。登用については、国家公務員の各役職段階に占める女性の割合を2025年度末までに、それぞれ本省係長相当職を30%、本省係長相当職のうち新たに昇任した職員を35%、地方機関課長・本省課長補佐相当職を17%、本省課室長相当職を10%、指定職相当を8%以上とする目標が定められた。

一方、人事院においては、第5次男女共同参画基本計画に国家公務員に関する取組としてハラスメントの防止対策などが新たに盛り込まれたことを踏まえ、令和3年2月1日、「女性国家公務員の採用・登用の拡大等に向けて」(平成27年12月25日人事院事務総長通知)について各府省のハラスメント防止対策の支援や研修の実施などを加える一部改正を行った。

女性職員の採用・登用の拡大については、内閣人事局長を議長に全府省の事務次官等で構成される「女性職員活躍・ワークライフバランス推進協議会」において、具体的な施策を盛り込んだ「国家公務員の女性活躍とワークライフバランス推進のための取組指針」(令和3年1月改正)に基づき、政府全体で取組が進められている。

このような状況の中、2020年度国家公務員採用試験の申込者に占める女性の割合については、総合職試験(法務・教養区分を除く。)で38.1%、一般職試験(大卒程度)で38.7%と、いずれも平成24年度の試験見直し以降最高値となった。採用については、図1-6のとおり、令和2年度の採用者に占める女性の割合は35.5%であり、令和3年度の採用内定者は34.2%となっている。今後とも、優秀な女子学生等を公務に誘致するために、各府省と協力して行う人材確保策を強化していくことが重要である。

図1-6 Ⅰ種試験・総合職試験の申込者・合格者・採用者に占める女性の割合の推移
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また、管理職等への登用については、図1-7のとおり、各役職段階において、女性の占める割合が調査開始以降最高値となっている。今後とも、女性の採用拡大が女性職員の登用拡大につながるよう、各府省におけるより一層の取組強化が必要である。

図1-7 各役職段階に占める女性の割合(行政職俸給表(一)、指定職俸給表)
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人事院では、各府省と連携して、地方も含めた効果的できめ細かい募集活動に取り組むとともに、管理職等へのアプローチや女性職員へのアプローチを通じて、意識改革のための研修や女性職員が働きやすい勤務環境の整備等を行っている。

こうした取組を通じて、今後とも、女性職員の採用・登用の拡大に向けた各府省の具体的な取組を支援していくこととしている。

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