第1編 人事行政

第3部 令和2年度業務状況

第2章 人材の育成

第3節 派遣研修

1 在外研究員制度

(1)行政官長期在外研究員制度

本制度は、行政の国際化が進展する中で、国際的視野を持ち、複雑・多様化する国際環境に的確に対応できる行政官の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を2年間諸外国の大学院に派遣し、研究に従事させる制度である。

派遣される研究員は、在職期間が10年未満の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査及び大学院の選考を経て決定している。

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、渡航中の研究員の十分な安全確保を図るとともに、新たな渡航予定者については、各府省が個別の状況に応じて適切な選択を行えるよう、インターネットを用いた研究従事や渡航時期の延期を可能にするなどの柔軟な対応を行った上で122人を派遣した。派遣先内訳は、表2-6のとおりである。

表2-6 令和2年度行政官長期在外研究員派遣状況
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昭和41年度の制度発足以来、令和2年度までに派遣した研究員の総数は4,047人で、昭和62年度以降着実に増加しており、各年度の新規派遣者数は、平成5年度には50人、平成12年度には100人を超えた。平成26年度以降令和元年度までの新規派遣者数は140人以上で推移している(図2-2)。

図2-2 行政官長期在外研究員新規派遣者数の推移
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派遣した研究員の総数を派遣先国(地域)別の内訳で見ると、アメリカ2,907人、イギリス705人、フランス182人、ドイツ87人、カナダ52人、オーストラリア38人、中国24人、オランダ16人、シンガポール15人、韓国5人、スウェーデン5人、その他11人となっており、各国大使館、シンガポール国立大学などの海外大学院等と連携し、派遣予定者、各府省に対する情報提供や留学支援を行っているほか、留学希望者向けに国別説明会を開催する等、派遣先国の多様化に努めている。

本制度の修了者は、帰国後、留学中に得た知見、人的ネットワークをいかし、国際会議、国際交渉、海外勤務等国際的な業務に従事したり、国内にあっても、国際的視野に立った行政施策の企画・立案等の業務を担っているなど、我が国行政の国際対応という点で大きな役割を果たしている。

(2)行政官短期在外研究員制度

本制度は、諸外国において専門的な知識、技能等を習得させることにより、増大する国際的業務に適切かつ迅速に対処し得る人材の育成を図ることを目的に、各府省の行政官を6か月間又は1年間、諸外国の政府機関等に派遣する制度である。

派遣される研究員は、在職期間がおおむね6年以上で、かつ、職務の級が行政職俸給表(一)の3級以上(他の俸給表についてはこれに相当する級)の行政官で、各府省の長が推薦する者のうちから、人事院の選抜審査を経て決定している。研究員は、諸外国の政府機関、国際機関等の派遣先でそれぞれの課題について調査・研究活動に従事している。

昭和49年度の制度発足以来、令和2年度までに派遣した研究員の総数は1,538人で、派遣先国(地域)別の内訳でみると、アメリカ726人、イギリス309人、オーストラリア100人、フランス70人、ドイツ62人、カナダ55人、その他216人となっている。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、渡航中の研究員の十分な安全確保を図るとともに、新たな渡航予定者については、渡航時期の延期を可能にするなどの柔軟な対応を行った上で4人を派遣した。派遣先内訳は、アメリカ2人、シンガポール2人である。

本制度の修了者は、帰国後、国際的視野をいかした業務に携わるなど各方面で活躍をしており、研究員が帰国後に提出する研究報告書は、海外の制度、実情に関する最新の情報として、関連する行政分野で活用されている。