第1編 人事行政

第2部 人材確保に向けた国家公務員採用試験の課題と今後の施策

第1章 採用試験の実施状況

第1節 総合職試験

1 申込者数の推移

総合職試験申込者数の推移について、属性別に分析し、それぞれの傾向を以下提示する。

(1)申込者数推移(全区分、事務系・技術系1

全区分について2012年度と2021年度を比較すると30.7%の減少となっており、2017年度以降は一貫して減少している。また、同期間における事務系・技術系別の減少率は、事務系が25.7%、技術系が44.9%となっている(図1-3)。

図1-3 事務系・技術系
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(2)男女別の申込者数推移

【全区分】

2012年度と2021年度を比較すると、女性の申込者数が8.7%の減少となっているのに対し、男性の申込者数は40.4%減少している。

女性より男性の減少率が大きいため、申込者に占める女性の割合は上昇しており、2021年度には40.3%となっている(図1-4)。

図1-4 男性・女性
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【事務系・技術系別】

2012年度と2021年度を比較すると、技術系・男性の減少率が49.4%と最も大きい。二番目に減少率が大きいのが事務系・男性の36.6%、三番目は技術系・女性の29.2%となっており、事務系・女性については4.0%の減少にとどまっている(図1-5図1-6)。

(3)学歴別の申込者数推移

【全区分】

学歴別(「大学院」、「学部既卒・中退」、「学部卒見・在学」の3種類)の申込者数推移に注目すると、「大学院」2と「学部既卒・中退」3は一貫して減少傾向にある。2012年度と2021年度を比較すると「大学院」では60.4%の減少、「学部既卒・中退」では66.5%の減少と、いずれも大きく落ち込んでいる。

受験者層の多くを占める「学部卒見・在学」はほぼ同水準を保っているが、ここ数年は横ばい又は減少傾向にある(図1-7)。

図1-7 全区分(学歴別)
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【事務系・技術系別】

2012年度と2021年度を比較すると、事務系では「学部卒見・在学」が14.0%増加しており、「学部卒見・在学」全体の申込者数の堅調さを支えていた(図1-8)。また、技術系で申込者の多くを占めていた「大学院」について、2012年度と2021年度を比較すると55.2%減少している(図1-9)。

(4)「教養区分」の申込者数推移

2012年度と2021年度を比較すると、172.0%増加している。

年齢別4に見ると、特に20歳と21歳の申込者数の増加傾向が顕著であり、22~29歳層では31.4%増であるのに対し、20歳については524.2%増、21歳については231.0%増となっている。申込者数全体に占める割合で見ると、20歳・21歳が占める割合は39.9%から70.9%に上昇している(図1-10)。

これらのデータから、「教養区分」における受験年齢の若年化傾向が進んでいることが分かる。同区分が他区分試験より早期に受験でき合格を得られる点に、大学3年生を中心とする志望者が魅力を見いだしている可能性がある。

図1-10 教養区分(年齢別)
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1本節の事務系と技術系の内訳は以下のとおり。
  • ・事務系:院卒者試験(行政、人間科学、法務の各区分)
    大卒程度試験(政治・国際、法律、経済、人間科学、教養の各区分)
  • ・技術系:上記以外の区分
2本稿の「大学院」には、大学院生、大学院修了者、大学院中退者が該当し、かつ、外国の大学院も含む。
3本稿の「学部既卒・中退」には、大学卒業後に民間企業に就職した者や就職・進学の準備をしている者、大学中退者が該当する。
4年齢は各年度の4月1日時点における申込者の年齢である。
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