第1編 人事行政

第2部 人材確保に向けた国家公務員採用試験の課題と今後の施策

第3章 就職活動を終えた学生を対象とする意識調査

第2節 調査結果

5 就職先を決定した決め手

就職先を決定した決め手について、決め手となった理由の上位三つを選択した回答を集計したところ、表3-6のとおりとなった。

表3-6 就職先を決定した決め手
表3-6 就職先を決定した決め手のCSVファイルはこちら

就職先を決定した決め手は「業界・業務に興味関心があるから」(59.2%)、「将来のキャリアを充実できそうだから」(32.1%)、「給与・待遇が良いから」(29.0%)の順になっている。

また、国家公務員への志望状況別に見ると、「国家公務員採用試験の勉強をしていたが、やめた」グループにおいては、「若手から活躍できる環境があるから」(40.5%)を決め手とする回答が他のグループと比べ多い。国家公務員に一定の関心を有し情報収集をしていた者から、公務がこのような環境がある職場として見られていない可能性が窺える。

【コラム】若年層の退職状況

2020年度における採用後10年未満の総合職試験採用職員23の退職者数は109人となっている。在職年数別(採用後1年未満、3年未満、5年未満及び10年未満)の退職者数の推移を見ると、1年未満は横ばいである一方、3年未満、5年未満及び10年未満の退職者数が年々増加しており、特に5年未満の退職者数が大きく増加している(図3-1)。

在職年数5年未満の職員については、採用後二つ目のポストに異動している可能性や係長級のポストに昇任している可能性が高いことから、異動や昇任時における不安やストレスを早期に把握する仕組み(例えば、メンター制度、職場環境改善、昇任時面談等)を推進するとともに、公務の魅力を直に感じられる仕事やキャリアパスに繋がる業務を通じて、国家公務員を志望した当初の高い資質と使命感を維持していけるよう、計画的な人材育成を行う必要がある。

図3-1 採用後10年未満の在職年数別の退職者数
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23調査の対象は、総合職試験採用職員(人事院が行う総合職採用試験からの採用者のみ。旧Ⅰ種試験名簿からの採用者を含む。)における2021年3月31日までの状況(人事院「総合職試験採用職員の退職状況に関する調査」(2022年5月))
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