第1編 人事行政

第2部 人材確保に向けた国家公務員採用試験の課題と今後の施策

第4章 人事院として取り組むべき採用試験見直し

第1節 2022年度中を目途に方針を打ち出すべき施策

1 総合職春試験の実施時期の前倒し

第3章の学生向け意識調査結果でも示されているとおり、国家公務員志望度が高い学生ほど、卒業・修了前年度の8月以前に民間企業での内々定を獲得する傾向にある。また、各府省からも、総合職試験合格者は民間企業等との競合が激しいため、これらの者をつなぎ止める観点から総合職春試験の実施時期を前倒ししてほしいとの声が多い。

こうした状況を踏まえ、人事院としても、総合職春試験の最終合格者発表日後に行われる各府省への官庁訪問24について、民間企業の内々定解禁日(6月1日)と同時期に行える環境を整備することが不可欠と考える。そのためには、総合職春試験の実施時期を前倒しし、最終合格者発表を5月下旬(現行6月下旬)に行えるようにすることが必要となる。今後の総合職春試験の実施時期前倒しについて、早急に具体化に向けた検討を進めることとしたい。

24国家公務員の採用は、採用試験に最終合格しても必ずしも採用されるものではなく、各府省において実施される面接等である「官庁訪問」を受ける必要がある。
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