第1編 《人事行政》

【第2部】 在職状況(年齢別人員構成)の変化と人事管理への影響

第2章 民間企業等の在職状況の実例と取組

第2節 地方公共団体における在職状況の実例と取組

1 地方公共団体全体の在職状況

地方公共団体の一般行政職職員(教育公務員、警察官、臨時職員、特定地方独立行政法人職員及び特定地方独立行政法人臨時職員に該当する職員以外の常勤の職員のうち、税務職、医師・歯科医師職、看護・保健職、福祉職、消防職、企業職、技能労務職等のいずれにも該当しない職員)について、総務省の地方公務員給与実態調査に基づき、全団体の平成26年における年齢階層別人員構成を平成17年と比較したのが図18である。

図18 地方公共団体(地方公務員)の年齢別在職状況(一般行政職)
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平成17年の時点では若年層(32・33歳)をピークとする山と高齢層(54・55歳)をピークとする二つの山が存在していた。これらの山が、平成26年の時点で、前者は中堅層(40~43歳)をピークとする山にシフトし、後者は定年退職を迎えて山がなくなっている。この間に、全団体の一般行政職職員の数は約10万3,000人減少し(平成17年937,116人→平成26年834,129人)、平均年齢は0.3歳(43.1歳→42.8歳)低下している。

第1章で見た平成27年の国家公務員(全組織(行政職俸給表(一)))の在職状況と地方公共団体における一般行政職職員の平成26年の在職状況を比べると、中堅層(40~43歳)をピークとする山が生じている点は共通しているが、地方公共団体では高齢層の山はなくなり、46~57歳の在職者が大幅に減少している。また、国と同様に28~37歳の職員は大幅に減少しているものの、27歳以下の職員は増加している。全体の平均年齢も低下しており、地方公共団体においては、定年退職等により抜けた人員を、新規採用を中心に補充している実情にあると考えられる。

このように、地方公共団体全体として年齢別人員構成はおおむね平準化してきているが、この間に職員数は10万人超減少しており、採用者数も従前の水準まで回復しているわけではない。これは地方公共団体において定員の適正化に取り組んできた結果が大きい。一方で、住民サービスの充実の要請に応えるため、各団体では、窓口業務の見直しや庶務業務の集約化など事務・事業の見直し、ICTの活用等による業務の効率化、民間委託等の推進や地方独立行政法人制度の活用、指定管理者制度やPFIの活用、嘱託職員や非常勤職員の活用などの取組を進めてきている。これらに加え、市町村合併等による行政組織の統廃合も行われている。

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