第1編 《人事行政》

【第1部】 人事行政この1年の主な動き

第4章 人事行政分野における国際協力及びIT化の推進

1 国際協力・国際交流

(1)主要国政府幹部職員等招へい事業

人事院は、人事行政の専門機関として、各国人事行政機関との交流を通じて人事行政分野における協力を推進するとともに、我が国の公務員制度が直面する課題に関し、各国の経験や取組から示唆を得ることを目的として、毎年、主要国の人事行政機関の幹部職員等を招へいし、人事行政の最新の実情について意見交換を行っている。平成22年度からは、日本行政学会との共催により、2か国から政府幹部職員等を同時に招へいし、国際講演会等を実施している。

平成29年度においては、我が国における人材確保・人材育成に係る課題を検討する上での参考とするため、米国及びフランスから政府幹部職員等を招へいし、平成28年度に引き続き、「公務における人材確保と人材育成・キャリア形成」をテーマとした国際講演会を11月に開催した。

講演会においては、米国人事管理庁長官補(人事政策担当)のマーク・ラインホルド氏より、同国における公務の魅力に対する国民の認識、採用及び募集活動に関する取組、能力開発のための諸施策、トランプ政権における最新の人事管理施策等について、パリ政治学院公共政策大学院院長のヤン・アルガン氏より、フランスにおける公務の人材確保の方法、公務の魅力の変化、人材開発における課題、マクロン大統領による諸改革等について説明があった。

本講演会には各府省職員、研究者、学生等110人以上が参加し、被招へい者に対し、多くの質問が寄せられた。

(2)アジア諸国人事行政担当機関職員招へい事業

経済成長や政治の民主化を進めるアジア諸国においては、専門能力を持つ士気の高い公務員が行政を担うよう、欧米型の近代的な公務員制度を範としつつ、公正で能率的な仕組みの構築に向けた改革が進められており、人事行政分野の改革においては、我が国の公務員制度に強い関心が寄せられている。

こうしたニーズを踏まえ、アジア諸国の公務員制度改革を継続的に支援し、人的ネットワークを構築するため、平成29年度から、アジア諸国の人事行政機関の専門家を招き、公務員人事管理の現状や公務員育成に関する意見交換を実施することとした。

平成29年度は、インドネシア人事委員会副委員長、マレーシア公務員庁調査・企画・調整課長、フィリピン人事委員会第11地域事務局局長代理、シンガポール退職積立基金委員会首席人事担当官及びタイ人事委員会上級人事専門官の5人の専門家を招き、公正な選考プロセスの確保、業績管理の推進や人材の長期的な育成などに関する意見交換を行った。

(3)日中韓人事行政ネットワーク

人事院は、平成16年11月の日中韓首脳会議において承認された「日中韓三国間協力に関する行動戦略」に基づき、人事行政分野における協力枠組みとして、平成17年1月に、中国人事部(現:人力資源・社会保障部)及び韓国中央人事委員会(現:人事革新処)との間で日中韓人事行政ネットワークを発足させ、現在まで各種協力事業を実施するなど、日中韓協力の一翼を担っている。

本ネットワークにおいては、2年に1度、三国の中央人事行政機関の局長級職員による会談を実施しており、平成29年度は、松尾恵美子人事院事務総局総括審議官、郝斌中国人力資源・社会保障部国際合作司長及び趙誠宙韓国人事革新処国家公務員人材開発院リーダーシップ開発部長による第8回局長級会談を12月に中国・北京市において実施し、これまでの協力事業の成果を確認するとともに、2年間の協力枠組みとなる第8次協力計画を策定した。

第8次協力計画においては、三国の行政官の交流、人事行政に関する三国共催シンポジウム、人事行政に関する定期的な情報交換等について、引き続き実施していくことのほか、平成31年に次回の局長級会談を韓国で実施し、その後、同年に三国の人事行政機関の長によるトップ会談を我が国において開催することを決定した。