第1編 《人事行政》

【第2部】 次世代の行政の中核を担う30代職員の育成と公務全体の活性化 〜意識調査を通じて課題と対策を探る〜

第3章 課題と対応の考察

第1節 今回調査等から見えるもの

2 キャリア形成等に関する不安の解消等

30代職員調査において、約8割が自分の適性や将来のキャリア形成等について、「よく考える」又は「たまに考える」としており、今後については、約7割が不安を感じていることが明らかとなった。

あわせて、キャリア形成に当たって、30代職員は自分の専門性や強みを高めていきたいと考えている一方、自分の適性や将来のキャリア形成の内容について現時点でイメージが定まっていない者が多いことも分かった。30代職員には、目前の業務を処理することのみを考えていた時期を脱する一方で、自らが今後の進む方向性について確たる思いを持つには至っていない者が多く、これがこの世代の不安につながっているとも考えられる。このため、職員が自らの適性の見極めとキャリア形成イメージを確立させるようにすることが必要である。

また、クロス集計の結果から、人事当局との相談機会の頻度は職員のキャリア形成の上での安心感に影響していることがうかがえる一方、現状では、キャリア形成に関する人事当局と職員間でのコミュニケーションが不足している場合も少なくないことが明らかとなった。

さらに、今回調査をみると、30代職員、課長級職員とも、人事配置は人事当局の業務であるとして、上司による部下職員のキャリア形成への関与をそれほど重視していないのではないかと考えられる。他方、30代職員の多くが昇進よりも仕事のやりがいをモチベーションとしているという事実からは、今後、職員の業務へのモチベーションや主体的な能力開発意欲を高めていくためには、職員に対し、仕事の面白さややりがいを積極的に伝えていくことが必要となると考えられる。そのためには、職員それぞれの適性に応じて、能力・専門性や仕事への意欲を伸ばすように、職員と日々身近に接して業務上の指導を行う管理職員の果たす役割が重要となる。管理職員には、局や課の専門人材の育成という面からも人事当局と連携しながら部下職員を育成し、その将来的なキャリア形成に関わっていくことが求められている。