第1編 《人事行政》

【第2部】 次世代の行政の中核を担う30代職員の育成と公務全体の活性化 〜意識調査を通じて課題と対策を探る〜

第3章 課題と対応の考察

第1節 今回調査等から見えるもの

3 マネジメントに関する意識の改善等

30代職員調査では、回答者の4人に1人以上がモチベーションを特に維持・向上させているものとして「上司からの評価」(25.3%)を挙げており、反対に、モチベーションを特に低下させたことがあるものの上位には、「上司等からの支援の欠如」(31.4%)、「上司からの否定的な評価」(27.0%)が挙げられており、30代職員のモチベーションに上司の果たす役割が大きいことが確認された。

しかしながら、30代職員の約3割がこれまでに目標とする上司がいないと回答しており、また、態度が高圧的、責任を取ろうとしないなどの理由で、約8割が強い不満を感じた上司がいたと回答し、さらに、上司からパワー・ハラスメント又は不満を感じるような厳しい指導を受けたとする者も一定数存在していることも明らかとなった。上司は、30代の部下職員からこのように見られることがあるということを認識して指導等を行う必要がある。

また、一方で、課長級職員の4割以上が、部下がやる気を失う不安があるなどとして、指導すべき場面で指導を躊躇したと回答していることは、技能・ノウハウを継承する上でも課題となる。

さらに、近年の傾向として、30代職員が大きな政策決定に関与する機会が少なくなって事務的な作業が増加しているとの指摘もある中で、仕事のやりがいや社会への貢献意識が30代職員の業務への大きなモチベーションであることからすれば、上司等から業務の意義や目的等について十分な説明が与えられない場合には、更なる満足度の低下につながると考えられる。

なお、30代職員調査では、約半数の30代職員が部下はいないと回答した。これは、将来、管理職員となった際に部下を指導するための執務を通じた訓練(OJT)が職場においてできていないことを意味しており、キャリア形成上の将来の不安要素に「マネジメント能力」が挙げられていること、部下がいる職員においても約4割が部下への指導を躊躇した経験があることからすると、将来的に管理職員となることを見据えて部下への指導・育成等に係る能力をどのように向上させるかも大きな課題である。