第1編 《人事行政》

【第2部】 次世代の行政の中核を担う30代職員の育成と公務全体の活性化 〜意識調査を通じて課題と対策を探る〜

第3章 課題と対応の考察

第1節 今回調査等から見えるもの

5 全体の奉仕者としての意識の維持・向上やチャレンジ精神の更なる高揚

平成28年度報告においては、前回調査の結果から明らかになった公務職場の魅力として、国民や社会に奉仕できることや、挑戦を通じて成長できるという仕事のやりがい、コンプライアンス等の面で職場環境が良好であることを挙げており、このことは、今回調査でも、仕事のやりがいや社会への貢献の意識が仕事のモチベーションとして上位にあることから確認できる。

一方で、30代職員のおよそ4人に1人が、仕事に対するモチベーションを特に低下させたことのあるものとして「行政や公務員への批判」(24.4%)を挙げている。

公務における不祥事は、ごく一部の職員によるものであっても、他の職員のモチベーションに多大な悪影響を及ぼすほか、公務職場の魅力低下にもつながり、公務への有為の人材確保に影響を及ぼすことが懸念される。

また、今回調査では、多くの30代職員が日々の業務で新たな提案・チャレンジをしていると回答しているにもかかわらず、上司である課長級職員は、約4割が30代職員の主体性、チャレンジ精神に物足りなさを感じていることが分かった。課長級職員が自らの30代当時の勤務環境や時代背景を基準に評価していることから差異が生じているとも考えられるものの、昨今はトップダウンで仕事が決まることが増えているという声が聞かれることからすれば、そのような勤務環境では、30代職員をはじめとする国家公務員の一部が、様々な課題について自ら問題意識や疑問を持ち、主体的に判断するということもなく、上司の指示に漫然と従うような傾向にある可能性も否定できない。

これらのことからすると、公務職場の魅力の維持のためにも、いかに、30代職員が、全体の奉仕者としての意識を持ちつつ、自主性を発揮し、チャレンジ精神を更に高めていくかは、喫緊の課題であると考えられる。