障害者を対象としたステップアップの枠組みについて
(平成30年12月21日閣人人第887号、人企―1426)

(内閣官房内閣人事局人事政策統括官、人事院事務総局人材局長発)
 
 「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」(平成30年10月23日公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議決定。以下「基本方針」という。)4.(3)イ.に基づき、非常勤職員として勤務した後、選考を経て常勤職員となることを可能とするステップアップの枠組みについて、その具体的な方法等を下記のとおりお示しします。
各府省等におかれては、これを踏まえ、適切な対応をお願いします。
 
 
1 ステップアップの枠組み
非常勤職員として勤務する者が選考を経て常勤職員となるためには、各府省等において、人事院規則8-12(職員の任免)(以下「規則」という。)に基づき広く募集を行うことや筆記試験等の能力実証をすること等を原則的取扱いとしている。 
 しかしながら、今般、基本方針において、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)に沿って公務部門における障害者の雇用を着実に進めるため、多様な任用形態の確保を図ることとされたことを踏まえ、障害者である職員が非常勤職員としての勤務を経て常勤職員としての勤務を希望する場合には、それまで培われた職務能力や勤務環境への適応の状況を考慮した任用となるよう、選考において非常勤職員としての勤務実績等を着実に反映できること等に配慮した枠組みを設けることとする。
 
2 具体的な方法
非常勤職員を常勤職員に任用するに当たっては、規則第47条第1項による方法又は規則第21条による方法があるが、いずれの場合であっても(1)のとおりの公募の手続及び(2)のとおりの能力実証の方法とすること。

 
(1)公募の手続について
規則第22条では、常勤官職の選考に当たっては、できる限り広く募集を行うこととされているが、現に非常勤職員として一定期間勤務する障害者を対象とした常勤官職への任用に係る公募を、各府省等内に限って実施できることとすること。この場合、各府省等における募集の範囲については、採用予定の常勤官職の業務や公正な任用の確保等を勘案したものとするよう留意すること。
また、募集の告知においては、募集の対象となる者に対し十分な情報提供がなされるよう留意すること。
 
(2)能力実証の方法について
規則第21条による選考を適切に実施すること。能力実証の方法として同条第1号には、「筆記試験」、「論文試験」、「作文試験」のほか、「これらに代わる適当な方法」が定められているが、基本方針4.(1)において、各府省等は、個々の障害者がその障害の内容及び程度に応じて能力を発揮できる具体的な職域・職種・業務を把握し、その用意を行うこととされていることも踏まえ、採用予定の常勤官職の業務等によっては、「これらに代わる適当な方法」として、官職に必要とされる技能の確認を行うことも可能であること。
また、規則第21条第2号に定める「過去の経歴の有効性についての経歴評定」の実施の際には、非常勤職員としての勤務実績を適切に考慮すること。

 
3 その他
(1)本枠組みの対象は、基本方針4.(3)ア.を踏まえ、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳等により障害を有することが確認された者とすること。
 
(2)非常勤職員としての勤務経験を積む中で、将来常勤職員として勤務することを希望する障害者に対しては、業務内容や業務量、勤務時間等の設定を柔軟に見直す等の配慮に努めること。その際には、本人と十分にコミュニケーションを取り、その希望、体調等を踏まえるとともに、必要に応じ相談員、就労支援機関、主治医等の意見も聴いた上で行うこと。
 
(3)当該ステップアップの枠組みによる任用に当たっては、その公正性を確認する観点からの人事院との事前相談を行うものとすること。
 
以 上

 
 
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