人事院規則11―10(職員の降給)の運用について
(平成21年3月18日給2―26)
(人事院事務総長発)
最終改正:令和4年2月18日事企法―37
人事院規則11―10(職員の降給)の運用について下記のとおり定めたので、平成21年4月1日以降は、これによってください。
記
第4条及び第5条関係
1 第4条第1号イ及び第5条の「人事院が定める措置」は、次に掲げるいずれかの措置とする。
(1) 職員の上司等が、注意又は指導を繰り返し行うこと。
(2) 職員の転任その他の当該職員が従事する職務を見直すこと。
(3) 職員の矯正を目的とした研修の受講を命ずること。
(4) その他職員の矯正のために必要と認める措置をとること。
2 第4条第1号イ若しくはハ又は第5条の勤務実績又は適格性を判断するに当たっては、例えば次に掲げる客観的な資料によるものとする。
(1) 職員の人事評価の結果その他職員の勤務実績を判断するに足りると認められる事実を記録した文書
(2) 職員の勤務実績が他の職員と比較して明らかに劣る事実を示す記録
(3) 職員の職務上の過誤、当該職員についての苦情等に関する記録
(4) 職員に対する指導等に関する記録
(5) 職員に対する分限処分、懲戒処分その他服務等に関する記録
(6) 職員の身上申告書又は職務状況に関する報告
3 第4条第1号ロの医師の「診断」は、職員が次のいずれかに該当する場合に行うものとする。
(1) 3年間の病気休職(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第79条第1号の規定による休職をいう。以下同じ。)の期間が満了するにもかかわらず、心身の故障の回復が不十分で、職務を遂行することが困難であると考えられる場合
(2) 病気休職中であって、今後、職務を遂行することが可能となる見込みがないと判断される場合
(3) 病気休暇又は病気休職を繰り返してそれらの期間の累計が3年を超え、そのような状態が今後も継続して、職務の遂行に支障があると見込まれる場合
(4) 勤務実績がよくない職員又はその職務の級に分類されている職務を遂行することについての適格性を欠くと認められる職員について、それらが心身の故障に起因すると思料される場合
4 第4条第1号ロの医師の「診断」を命ずるに当たり、文書を交付して行う場合は、当該文書には次に掲げる文言を記載するものとし、別紙1を参考に、適宜の様式によるものとする。
(1) 各庁の長が指定する医師2名の診断を受け、診断書を提出するよう命ずる旨
(2) 受診命令が第4条第1号ロに該当する可能性があるか否かを確認することを目的とするものである旨
(3) 正当な理由なくこの受診命令に従わない場合には、国家公務員法第78条第3号の規定による免職が行われる可能性がある旨
5 第4条第1号ハの「適格性を欠く」場合とは、当該職員の容易に矯正することができない持続性を有する素質、能力、性格等に基因してその職務の円滑な遂行に支障があり、又は支障を生ずる高度の蓋然性が認められる場合とする。
6 第4条第1号ハの「人事院が定める措置」は、第1項に掲げるいずれかの措置のほか、職員が行方不明の場合における当該職員の所在が明らかでないことの確認等適格性を欠いた状態が改善されないことを確認するために必要と認められる措置とする。
7 第4条第1号イ若しくはハ又は第5条の規定により職員を降格させ、又は降号するに当たっては、各庁の長は、警告書を交付した後、弁明の機会を与えるものとする。ただし、職員の勤務実績不良の程度、業務への影響等を考慮して、速やかに処分を行う必要があると認められる場合は、この限りでない。
8 前項の警告書には、次に掲げる文言を記載するものとし、別紙2を参考に、適宜の様式によるものとする。
(1) 勤務実績の不良又は適格性の欠如と評価することができる具体的事実及びその状態の改善を求める旨
(2) (1)の状態が改善されない場合には、降格又は降号が行われることがある旨
9 各庁の長は、第4条第1号イ又は第5条の「全体評語が下位又は「不十分」の段階である場合」に該当するときは、職員に対して、人事評価の基準、方法等に関する政令(平成21年政令第31号)第10条又は第11条(同令第14条及び第18条第2号において準用する場合を含む。)に規定する評価結果の開示又は指導及び助言に当たり、勤務実績不良の状態が改善されない場合には降格又は降号の可能性があることを伝達するものとする。
第6条関係
1 臨時的職員及び条件付採用期間中の職員については、第4条及び第5条の規定は適用されない。
2 この条の第1項第1号イ又は第2項の勤務実績を判断するに当たっては、例えば第4条及び第5条関係第2項に掲げる客観的な資料によるものとする。
第7条関係
1 職員の降給は、この条に規定する通知書(以下「通知書」という。)を交付した時(この条のただし書に該当する場合には通知書の交付に代わる方法による通知が到達した時)にその効力が発生する。
2 この条の規定により交付する通知書の「異動内容」欄の記入要領は、次のとおりとする。ただし、これによっては特に支障がある場合には、これによらないことができる。
(1) 降格させる場合
「国家公務員法第75条第2項及びアの規定によりイに降格させる。ウを給する。」と記入する。
注1 「ア」の記号をもって表示する事項は、根拠となる条項とする。この場合には、第4条に定める事由により降格させるときは、同条に定める事由のうち該当する事由を規定する条項を記入し、国家公務員法第81条の2第1項に規定する降給をさせるときは、「第81条の2第1項」と記入する。
2 「イ」の記号をもって表示する事項は、一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号。以下「給与法」という。)に規定する職務の級とする。この場合には、「職務の級」の表示は「○○俸給表○級」とする。
3 「ウ」の記号をもって表示する事項は、給与法に規定する号俸とする。この場合には、「号俸」の表示は「○号俸」とする。
(2) 降号する場合
「国家公務員法第75条第2項及び人事院規則11-10第5条の規定により降号する。アを給する。」と記入する。
注 「ア」の記号をもって表示する事項は、給与法に規定する職務の級及び号俸とする。この場合には、「職務の級」の表示は「○○俸給表○級」と、「号俸」の表示は「○号俸」とする。
3 各庁の長は、職員を降給させる場合(国家公務員法第81条の2第3項に規定する他の官職への降任等に伴う降給の場合を除く。)においては、当該職員が現に任命されている官職の任命権者(人事院規則8―12(職員の任免)第4条第12号に規定する任命権者をいう。ただし、当該各庁の長である任命権者を除く。)にその旨を通知するものとする。
第8条関係
この条に規定する説明書の写しの提出は、職員を降給させた日から1月以内に行うものとする。
その他の事項
1 第4条及び第5条関係第4項の文書又は同関係第7項の警告書の交付は、「人事院規則11―4(職員の身分保障)の運用について(昭和54年12月28日任企―548)」第7条関係第6項の文書又は同条関係第9項の警告書の交付と同時に行う場合であって、これらの文書に第4条及び第5条関係第4項又は第8項に掲げる文言を適宜記載するときは、省略することができる。
2 外務公務員法第2条第5項に規定する外務職員として人事評価が実施された職員に対する第4条第1号イ、第5条、第6条第1項第1号イ及び第2項並びに第4条及び第5条関係第9項の規定の適用については、外務職員の人事評価の基準、方法等に関する省令(平成21年外務省令第6号)第6条第1項に規定する全体評語を第4条第1号イに規定する全体評語と、同令第16条第1項に規定する特別評価の全体評語を第6条第1項第1号イに規定する特別評価の全体評語と、同令第10条及び第11条に規定する評価結果の開示又は指導及び助言を第4条及び第5条関係第9項に規定する評価結果の開示又は指導及び助言とみなす。
以 上
別紙1(HTML形式による表示上、正しいレイアウトとなっていません。 PDFも御参照ください。)
受診命令書 |
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(氏名) |
(現官職) |
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(内容) 1 あなたに対し、 年 月 日までに、次の医師2名の診断を受け、診断書を提出するよう命じます。 指定医師① . 指定医師② . 2 これは、人事院規則11―10第4条第1号ロに該当する可能性があるか否かを確認することを目的とするものです。 3 あなたが正当な理由なくこの受診命令に従わない場合は、国家公務員法第78条第3号に該当するものとして、分限免職が行われる可能性があります。 |
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年 月 日 各庁の長 |
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別紙2(HTML形式による表示上、正しいレイアウトとなっていません。 PDFも御参照ください。)
警告書 |
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(氏名) |
(現官職) |
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(内容) 1 あなたには、次のとおり、勤務実績の不良又は適格性の欠如と評価することができる事実が認められますので、その改善を求めます。 2 今後、これらの状態が改善されない場合は、アが行われる可能性があります。 |
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(勤務実績の不良又は適格性の欠如と評価することができる具体的事実) |
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年 月 日 各庁の長 |
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(記入要領)
「ア」の記号をもって表示する事項は、次のとおりとする。
(1) 降格の場合
国家公務員法第75条第2項及び人事院規則11-10第4条第1号イ又はハに基づいて降格
(2) 降号の場合
国家公務員法第75条第2項及び人事院規則11-10第5条に基づいて降号