「超過勤務を命ずるに当たっての留意点について」に定める早出・遅出勤務の活用について
(平成31年2月1日職職―23)
(人事院事務総局職員福祉課長発)
「超過勤務を命ずるに当たっての留意点について(通知)」(平成31年2月1日職職―22)において、職員の超過勤務による疲労の蓄積を防ぐため、早出・遅出勤務等の弾力的な勤務時間の割振りについてお願いしているところですが、各府省における早出・遅出勤務のより円滑な運用の促進を図るため、別添のとおり、参考となるモデルを設けました。平成31年4月1日以降、御活用ください。同勤務についての規定を定めていない場合や、同勤務についての手続等が十分に周知されていない場合は、必要な措置を講じていただきますよう、お願いします。
なお、これに伴い、「「超過勤務の縮減に関する指針について」に定める早出・遅出勤務の活用について」(通知)(平成25年10月21日職職―333)」は、廃止します。
以 上
(参考)
超過勤務を命ずるに当たっての留意点について(通知)(平成31年2月1日職職―22)(抄)
1~6 (略)
7 早出・遅出勤務の活用
各省各庁の長が勤務時間の割振りを行うに当たっては、超過勤務による職員の疲労の蓄積を防ぐため、公務の運営に支障を来さない範囲内で、業務の繁閑に応じて勤務時間の始業時刻を日ごとに弾力的に設定するいわゆる早出・遅出など、弾力的な勤務時間の割振りを必要に応じ実施すること。
(別添)
○ 早出・遅出勤務の場合の勤務時間の割振りを行う際の参考モデル
〔例1〕 早出・遅出の「組」のパターンに合わせて、特定日の勤務時間の割振りを変更する場合
〔例1の1〕 一定の要件の下で、管理者(各省各庁の長又は権限の委任を受けた者。以下同じ。)が割振りを変更する方式
(1) 要件
(例a:業務の例示を定めない場合)
・ 管理者は、連日にわたり超過勤務により夜間に退庁することを余儀なくされる職員につき、当該職員の負担の軽減に資すると認めるときには、通常よりも遅い始業時刻を指定することができる(なお、遅出勤務の場合、通常よりも終業時刻が遅く指定されていることから、管理者は、当該職員の負担の軽減に資するよう、できる限り終業時刻を超えて超過勤務を行わせないように努めるものとする。括弧書きは、例a・例bで共通)。
(例b:業務の例示を定める場合)
・ 管理者は、国会関係、国際関係、法令協議、予算折衝等の業務により深夜に退庁することを余儀なくされた職員につき、当該職員の負担の軽減に資すると認めるときには、通常よりも遅い始業時刻を指定することができる。
・ なお、管理者は、(例a)又は(例b)に掲げるような職員について、業務上、やむを得ず通常よりも早い時刻から勤務する必要がある場合で、かつ、勤務時間の割振りを変更することにより通常より早い時刻に退庁させることができる場合には、当該職員の負担の軽減に資するよう、できる限り勤務時間の割振りをその早い時刻から開始するよう変更して、通常より早い終業時刻で退庁させるよう努めるものとする。
・ あわせて、その場合の具体的な勤務時間(早出・遅出の勤務時間)の割振り(休憩時間を含む。)のパターン(組)をあらかじめ定める(表1)。
(2) 手続
① 割振り方法
・ 管理者は、職員のこれまでの超過勤務の状況(特に遅出勤務を指定する前日の超過勤務の状況)、体調、業務の状況等を考慮した結果、当該職員の翌日の勤務時間を通常より遅い始業とすることが適当と判断した場合には、遅出勤務を指定する前日中に当該職員に対して翌日の勤務時間をどの組にするかにつき口頭で通知する。
・ 管理者が職員より早く退庁する等により職員の退庁時刻を直接把握することができない場合には、退庁時刻が○時以降のときは翌日の勤務時間はⅣ番、○時以降のときはⅤ番とするなどの条件付の割振りを口頭で通知する(あくまでも職員の任意による組の選択ではないことに留意する。)。
・ なお、当該職員を翌日に早期始業・早期退庁させる場合には、翌日の勤務の状況に応じて、あらかじめ定められたパターン(組)から選択して、その都度割振りを行う。
② 確認方法
早出・遅出勤務が指定された職員は、当該指定された日の登庁後、氏名、前日の退庁時刻(条件付割振りの場合)、変更後の勤務時間(組)、その始業時刻までに登庁したことなどを管理簿等に記入し、管理者の確認を受けた上で、これを勤務時間管理員に提出する。
③ 割振りの効果
職員の勤務時間は、原則として、通知の翌日に限り変更された勤務時間とする。
(表1)勤務時間の参考モデル
通常の勤務時間(時差通勤)
勤務時間 | 休憩時間 | |
A番 | 8:30~12:00,13:00~17:15 | 12:00~13:00 |
B番 | 9:00~12:00,13:00~17:45 | 12:00~13:00 |
C番 | 9:15~12:00,13:00~18:00 | 12:00~13:00 |
D番 | 9:30~12:00,13:00~18:15 | 12:00~13:00 |
早出の勤務時間
勤務時間 | 休憩時間 | |
Ⅰ番 | 7:00~12:00,13:00~15:45 | 12:00~13:00 |
Ⅱ番 | 7:30~12:00,13:00~16:15 | 12:00~13:00 |
Ⅲ番 | 8:00~12:00,13:00~16:45 | 12:00~13:00 |
遅出の勤務時間
勤務時間 | 休憩時間 | |
Ⅳ番 | 10:00~12:00,13:00~18:45 | 12:00~13:00 |
Ⅴ番 | 10:30~12:00,13:00~19:15 | 12:00~13:00 |
Ⅵ番 | 11:00~12:30,13:30~19:45 | 12:30~13:30 |
Ⅶ番 | 13:00~18:00,19:00~21:45 | 18:00~19:00 |
〔例1の2〕 前日の終業時刻に着目して、管理者が翌日の割振りをあらかじめ定められたパターン(組)で変更する方式
(1) 要件
・ 管理者は、国会関係業務への対応等により、深夜・早朝に退庁することを余儀なくされた職員につき、当該職員の負担の軽減に資すると認められるときには、あらかじめ定められた勤務終了時刻に応じて、翌日の始業時刻を指定することができる(表2)(なお、当該職員を翌日に早期始業・早期退庁させる場合には、あらかじめ定められたパターン(組)によることができないので、翌日の業務の状況に応じて、その都度割振りを行う。)。
(2) 手続
・ 管理者は、職員と当日の終業見込み時刻や翌日の業務等の予定に関する打合せを行い、遅出勤務とすることが必要であると認められる場合には、あらかじめ定められた組の勤務時間で翌日の勤務を行うよう指定する。
・ 早出・遅出勤務をした職員は、出勤後、氏名、前日の退庁時刻、変更後の勤務時間(組)、その始業時刻までに登庁したことなどを管理簿等に記入し、管理者の確認を受けた上で、これを勤務時間管理員に提出する。
(表2)退庁時刻と翌日の勤務時間の参考モデル
退庁時刻 | 翌日の勤務時間 |
23時まで | 通常の勤務 |
23時以降24時まで | Ⅳ番(10:00~18:45) |
24時以降25時まで | Ⅴ番(10:30~19:15) |
25時以降26時まで | Ⅵ番(11:00~19:45) |
26時以降 | Ⅶ番(13:00~21:45) |
*具体的な勤務時間の割振りについては、表1の参考モデルを参照のこと
〔例2〕 早出・遅出の「組」のパターンに合わせて、一定期間の勤務時間の割振りを変更する場合
職員の超過勤務の縮減及び職員の疲労蓄積の防止の観点から、各府省の事情等に応じて、次のような規定を設けることも考えられる。
(1) 要件
(例a:業務上の勤務時間の割振りを職員の健康及び福祉の観点も含めて行うことを確認的に規定する場合)
・ 国会関係業務、国際関係業務等、業務の必要上、一定期間、連続して通常より早い時刻から勤務させることが必要な業務又は通常より遅い時刻から勤務させることが必要な業務につくことが見込まれる職員につき、管理者は、職員の健康及び福祉も考慮の上、期間を指定して、通常より早い始業時刻又は遅い始業時刻を定めることができる。
(例b:早出勤務を行うことが職員の能率的な業務遂行や公務の能率的運営に資する場合)
・ 早朝から静かな執務環境で専門性の高い業務や調査研究業務を行う場合など、通常より早い時刻から勤務することで、職員がより能率的に業務を遂行することができると認められる場合には、管理者は、職員からの申出に基づき、公務の円滑な運営に配慮するとともに、職員の健康及び福祉を考慮の上、期間を指定して、通常よりも早い始業時刻及び終業時刻を定めることができる。
・ あわせて、その場合の具体的な勤務時間の割振り(休憩時間も含む。)のパターン(組)を定める(勤務時間の参考モデルは、表1に同じ。)。
(2) 手続
① 原則
対象とされた職員は、指定された期間中は早出・遅出の勤務時間が基本となる。
② 例外
早出・遅出勤務により業務に支障が生じるおそれがある場合については、管理者は、前日中に職員に対して口頭で通常の勤務時間で勤務することを通知することによって、通常の勤務時間の割振りとすることができる。
この場合、職員は、原則として、通知を受けた翌日に限り通常の勤務時間となる。
以 上