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超過勤務を命ずるに当たっての留意点について
(平成31年2月1日職職―22)
(人事院事務総局職員福祉局長発)
 
 長時間労働の是正は、職員の健康保持や人材確保の観点等から重要な課題であり、超過勤務(人事院規則15―14(職員の勤務時間、休日及び休暇)(以下「規則15―14」という。)第16条に規定する超過勤務をいう。以下同じ。)の一層の縮減に取り組んでいく必要があります。
 職員の超過勤務については、これまで、「超過勤務の縮減に関する指針について(平成21年2月27日職職―73)」(以下「平成21年指針」という。)において、年間の上限目安時間を示してきたところですが、今般、超過勤務命令を行うことができる上限を、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成6年法律第33号。以下「勤務時間法」という。)に基づいて、原則1箇月について45時間かつ1年について360時間等と規則15―14で定めるとともに、職員の健康確保措置についても、人事院規則10―4(職員の保健及び安全保持)において、1箇月について100時間以上の超過勤務を行った職員等に対しては、職員からの申出がなくとも医師による面接指導を行うこととする等の措置を講じることとしたところです。
 各府省におかれては、平成31年4月1日以降、職員に超過勤務を命ずるに当たっては、勤務時間法、規則15―14及び「職員の勤務時間、休日及び休暇の運用について(平成6年7月27日職職―328)」(以下「運用通知」という。)並びに人事院規則10―4、「人事院規則10―4(職員の保健及び安全保持)の運用について(昭和62年12月25日職福―691)」及び「面接指導等の実施について(平成18年3月31日職職―96)」とともに、下記の事項に留意し、適切に対応してください。
 なお、これに伴い、平成21年指針は廃止します。
 
 
1 他律的業務の比重が高い部署関係
 規則15―14第16条の2の2第1項第2号に規定する他律的業務の比重が高い部署(以下「他律的部署」という。)には、国会関係、国際関係、法令協議、予算折衝等に従事するなど、業務の量や時期が各府省の枠を超えて他律的に決まる比重が高い部署が該当し得るが、ある部署が他律的部署に該当するか否かについては、当該部署の業務の状況を考慮して適切に判断する必要があること。
 
2 上限時間の特例関係
(1) 職員に規則15―14第16条の2の2第2項の規定により、同条第1項各号に規定する時間又は月数(以下「上限時間等」という。)を超えて超過勤務を命ずることができるか否かについては、当該職員が従事し、又は従事していた特例業務(同条第2項に規定する特例業務をいう。以下同じ。)の状況、当該特例業務の規模及び発生時期並びに当該特例業務に当該職員が従事した期間を考慮して、上限時間等に係る期間ごとにそれぞれ判断する必要があること。
(2) 特例業務に従事し、又は従事していた職員に対しても、できる限り上限時間等の範囲内で超過勤務を命ずる必要があることは当然であり、規則15―14第16条の2の2第2項の規定により、上限時間等を超えて職員に超過勤務を命ずることができる場合とは、特例業務が発生した時期や状況によるが、当該職員が従事し、又は従事していた業務の一部に特例業務が含まれていることでは足りず、あくまでも特例業務の処理が原因となって当該職員に上限時間等を超えて超過勤務を命じざるを得ないときであること。
(3) 規則15―14第16条の2の2第3項に規定する超過勤務に係る要因の整理、分析及び検証(以下「整理分析等」という。)は、職員の特例業務への従事の具体的な状況を踏まえて行う必要があること。
 
3 職員の異動等関係
(1) 異なる部署から異動してきた職員に超過勤務を命ずる場合は、異動前の部署における超過勤務の状況も考慮する必要があること。
(2) 異なる府省等(運用通知第10の第8項に規定する府省等をいう。以下同じ。)から異動してきた職員に超過勤務を命ずる時間についても、できる限り、異動前の府省等における超過勤務の時間も含め、規則15―14第16条の2の2第1項に規定する職員の区分に応じ、同項第1号イ(2)、同号ロ(1)又は同項第2号ロに定める時間の範囲内に収まるように配慮するよう努めること。
(3) 職員が併任されている場合、 本務官職に係る各省各庁の長及び併任官職に係る各省各庁の長が命ずる超過勤務の時間(職員が府省等を異にして併任されている場合は、運用通知第10の第8項に掲げる規定の適用に係る超過勤務の時間。(5) において同じ。)を合算した時間は、次に掲げる職員の区分に応じ、それぞれ次に定める時間及び月数の範囲内とする必要があること。
  ア 本務官職又は併任官職のいずれかにおいて、他律的部署に勤務する職員 規則15―14第16条の2の2第1項第2号イからニまでに定める時間及び月数
  イ 本務官職又は併任官職のいずれにおいても、他律的部署以外の部署に勤務する職員 同項第1号イ(1)及び(2)に定める時間(同号ロに該当する職員にあっては、同号ロに定める時間及び月数)
(4) 職員が併任されている場合、本務官職に係る各省各庁の長及び併任官職に係る各省各庁の長の両者において超過勤務時間の把握を適切に行い、把握した時間の情報を共有する必要があること。
(5) 職員が併任されている場合において、本務官職に係る各省各庁の長及び併任官職に係る各省各庁の長が命ずる超過勤務の時間を合算した時間が、(3)ア及びイに定める時間及び月数の範囲を超えることができるのは、規則15―14第16条の2の2第2項の規定により、上限時間等を超えて当該職員に超過勤務を命ずるときであること。
(6) (5)の上限時間等を超えた超過勤務に係る整理分析等は、本務官職に係る各省各庁の長が、併任官職に係る各省各庁の長から必要な情報の提供を受けて行う必要があること。ただし、併任されている官職の業務に当該職員が専ら従事していた場合その他の併任官職に係る各省各庁の長において整理分析等を行うことが適当と認められる場合は、当該併任官職に係る各省各庁の長が、他の各省各庁の長から必要な情報の提供を受けて整理分析等を行う必要があること。
(7) 運用通知第10の第9項の通知に係る「必要な事項」には、次のアからエまでに定める事項が含まれること。
  ア 規則15―14第16条の2の2第1項に規定する職員の区分の別(同項第1号ロに規定する職員にあっては、勤務する部署が他律的部署から他律的部署以外の部署となった日を含む。)
  イ 異動日が属する月における異動までの超過勤務の時間数
  ウ 異動日が属する月の直前11箇月における超過勤務の時間数
  エ 異動日が属する月及び当該月の直前11箇月において、特例超過勤務(運用通知第10の第14項に規定する特例超過勤務をいう。)を命じたことの有無
 
4 超過勤務縮減に向けた対策
 運用通知第10の第18項の「適切な対策」の例としては、業務の在り方や処理方法の見直し、計画的な業務遂行、管理者が超過勤務縮減に積極的に取り組み、率先して退庁するなどの職場環境の整備や、人員配置の見直し等が考えられること。
 
5 超過勤務時間の適切な把握
 管理者は、超過勤務の運用の適正を図るため、常に職員の超過勤務及び在庁の状況並びに健康状態の把握に努めることとし、特に次に掲げる事項に留意すること。
(1) 課室長等による超過勤務予定の事前確認や、所要見込み時間と異なる場合の課室長等への事後報告を徹底させること。
(2) 超過勤務時間の確認を行う場合は課室長等や周囲の職員による現認等を通じて行うものとし、客観的な記録を基礎として在庁の状況を把握している場合は、これを参照することもできること。
 
6 長時間の超過勤務を命ぜざるを得ない場合の職員の健康への配慮
(1) 長時間の超過勤務が継続することは、職員の心身の健康及び福祉に害を及ぼすおそれがあることから、極力これを避けるよう努めること。また、公務の運営の必要上、職員に長時間の超過勤務を一定期間命ぜざるを得ない場合については、人事担当部局等に事前又は直後に報告し超過勤務命令の状況のチェックを受ける方策などにより、必要最小限にとどめるよう努めること。
 とりわけ週休日において勤務を命ずる場合には、職員の健康及び福祉に与える影響の大きさに鑑み、特に厳重に出勤の必要性のチェックを行うこと。
(2) やむを得ず職員に継続して長時間の超過勤務をさせた場合には、管理者は、当該職員につき定期的な健康診断を受けさせることを徹底するとともに、必要に応じて健康管理医と相談の上臨時の健康診断を実施し、その健康状態の十分な把握に努めること。健康診断等の結果、異常がみられる場合には、業務分担の見直しや応援体制の強化等を行うことにより、健康を回復させるよう努めること。
 また、長時間の超過勤務を行った職員に対して医師による面接指導を実施する際には、脳・心臓疾患の発症の予防のほか、うつ病等のストレスが関係する精神疾患等の発症を予防するために心の健康面にも配慮するようにすること。 さらに、面接指導の結果に基づき、当該職員の健康の保持のために必要な措置を講じること。
 
7 早出・遅出勤務の活用
 各省各庁の長が勤務時間の割振りを行うに当たっては、超過勤務による職員の疲労の蓄積を防ぐため、公務の運営に支障を来さない範囲内で、業務の繁閑に応じて勤務時間の始業時刻を日ごとに弾力的に設定するいわゆる早出・遅出など、弾力的な勤務時間の割振りを必要に応じ実施すること。
 
 
以   上