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令和3年3月31日

令和2年退職公務員生活状況調査の結果について

―3年ぶりに国家公務員の定年退職者の就労・生活状況を調査―

 人事院は、国家公務員の定年退職後における就業の状況(再任用、民間企業等への再就職など)及び収入・支出等の生活状況を把握することにより、今後の高齢期雇用等の在り方や職員の生涯設計に関する施策等を全般的に検討するための基礎資料を得るため、令和元年度の一般職国家公務員(行政機関及び行政執行法人)の60歳定年退職者のうち調査実施時点で所在が確認できた人を対象として、令和2年8月末から10月にかけて「退職公務員生活状況調査」を実施しました(有効回答率78.9%)。(前回調査は平成29年)
 調査結果の概要は、以下のとおりです。

  
【調査結果の主なポイント】
  • 約9割が定年退職後も働きたいと思ったと回答
  • 何歳まで働き続けたいと思ったかについては、「65歳まで働きたい」とする者が最も多く、次いで「年齢に関係なく、働けるうちはいつまでも働きたい」とする者、「老齢厚生年金(報酬比例部分)支給開始年齢まで働きたい」とする者の順
  • 約9割が仕事に就いており、そのうち約8割の就労先は「国の機関の再任用職員」
  • 民間企業で就労している者はフルタイム勤務が約9割であるのに対し、国の機関の再任用職員として就労している者はフルタイム勤務が約5割
  • 今後の生活で気にかかることや、不安に思うことは、「自分の健康」が最も多く、次いで、「家族の健康や介護」となっており、いずれも約7割


1 回答者の基本属性
(1) 令和元年度の一般職国家公務員(行政機関及び行政執行法人)の60歳定年退職者のうち調査実施時点で所在が確認できた4,688人を対象。有効回答者数3,697人(有効回答率78.9%)
(2) 定年退職時の職員の区分は、給与法適用職員が97.2%(前回調査95.7%)、行政執行法人職員が2.3%(同3.7%)

2 定年退職時の就労希望の状況
(1) 定年退職後も働きたいと思った者は86.6%で、前回調査から約2ポイント増加している。
(2) 働きたいと思った理由として「日々の生計維持のために必要」と回答した者の割合は85.0%で、前回調査における「生活費が必要」と同様に、最も高くなっている。
(3) 働きたいと思った勤務形態は、「フルタイム勤務」が56.6%、「短時間勤務」が36.8%となっており、前回調査と同じ傾向となっている。
(4) 将来的なフルタイム勤務から短時間勤務への移行について、「移行を考えていない」とする者は41.4%、「移行を希望する」とする者は29.6%、「特に決めていない」とする者は26.1%となっている。
(5) 何歳まで働き続けたいと思ったかについては、「65歳まで働きたい」とする者が最も多く、次いで「年齢に関係なく、働けるうちはいつまでも働きたい」とする者、「老齢厚生年金(報酬比例部分)支給開始年齢まで働きたい」とする者の順となっている。
(6) 最も働きたいと思った就労先は、前回調査と同様に、「国の機関(行政執行法人を含む。)の再任用職員」が75.4%で最も多い。
(7) 再任用職員として働きたいと思った理由は、「在職中の知識・経験等を活用したい」、「慣れ親しんだ職場で働きたい」と回答した者が多く、前回調査と同じ傾向となっている。
(8) 再任用の希望に際し重視した事項は、「勤務地」、「仕事内容」と回答した者が多く、前回調査と同じ傾向となっている。
(9) 再任用を希望しなかった理由は、「新しい仕事に挑戦したい」、「職場内でかつての部下や同僚に気を遣わせたくない」、「給与・勤務時間等の勤務条件が希望と合致しない」と回答した者の順に多い。

3 現在の就労状況
(1) 調査時点において収入を伴う仕事に就いている者は、89.6%となっており、前回調査から約3ポイントの増加となっている。
(2) 就労先は、国の機関の再任用職員が81.0%となっており、前回調査からほぼ変動はない。
(3) 仕事に就いていない者(10.3%)が仕事に就いていない理由は、前回調査と同様に、「しばらく休んだ後、また考えたい」が最も多い。
(4) フルタイム勤務をしている者は、国の機関の再任用職員では53.4%であるのに対し、民間企業に勤務している者では89.1%となっており、約36ポイントの差が生じている。
(5) 短時間勤務となった事情は、「定年退職で一区切りついたので、仕事量を減らしたいと思った」が最も多い。

4 国の機関の再任用職員の就労状況
(1) 再任用後のポストは、「ラインの役職」が14.1%、「スタッフ・専門職」が44.4%、「係員」が32.7%となっている。
(2) 再任用についての評価について、「勤務地」、「仕事内容」、「知識・経験の活用」及び「勤務形態・勤務時間」については、「満足」又は「ほぼ満足」と答えた者の割合が過半数となっているが、「ポスト・格付け」については47.2%、「給与」については21.6%と低くなっている。
(3) 再任用という働き方の課題や問題点として、「給与、福利・厚生の面での処遇が十分でない」、「期待されている役割が曖昧で、戸惑うことがある」と回答した者が多くなっている。
     
5 再任用職員以外の者の就労状況
(1) 再任用職員以外で就労している者の職種は、「事務系業務(管理職を含む。)」が36.4%で最も多い。
(2) 仕事を探した方法は、「家族、友人、知人等の紹介」が35.4%、「ハローワーク、人材紹介会社等のあっせん」が31.3%となっている。

6 家族、家計等の状況
(1) 世帯の構成は、「二世代世帯(子と同居)」が36.2%で最も多く、次いで「本人及び配偶者のみ世帯」が35.9%、「二世代世帯(親と同居)」が9.6%、「独身世帯」が9.5%となっている。
(2) 世帯の収入(ボーナス収入を含まない。)及び支出の状況は、平均収入月額は37.7万円、平均支出月額は37.6万円と収入と支出がほぼ釣り合っているが、就労者の世帯では収入が支出を0.8万円上回っているのに対し、非就労者の世帯では支出が収入を11.3万円上回っている。
(3)  住居の種類は、ローン返済中の持ち家に居住している者は21.7%であり、ローン返済済み又は返済なしの者を含めて持ち家に居住している者は83.0%となっている。
(4) 世帯の家計の状況は、「ゆとりはないが、赤字でもない」が最も多い。赤字が出る場合の対応は、「退職手当を取り崩す」が71.9%で最も多く、次いで「退職手当以外の預貯金等を取り崩す」が60.3%となっており、前回調査と同じ傾向となっている。
(5) 退職手当の使用予定(使用用途)は、「将来やいざという時の備え」が最も多い。次いで、就労者では「住宅・土地の取得、住宅の増・改築」が多いのに対し、非就労者では「日常生活費への充当」が多く、前回調査と同じ傾向となっている。

7 その他
(1) 定年退職後の生活や生涯設計について考えるようになった時期は、「50歳台後半」が50.0%で最も多く、次いで「50歳台前半」が25.9%、「60歳(定年退職となる年度)」が12.1%となっており、前回調査と同じ傾向となっている。
(2) 定年退職後の生活や生涯設計について考えるに当たって利用したものは、「先輩職員からの話」が42.3%で最も多く、次いで「再任用制度に関するパンフレット等」が36.8%、「国の生涯設計セミナーや退職準備プログラムのセミナー等」が33.9%となっている。
(3) 今後の生活で気にかかることや、不安に思うことは、「自分の健康」が74.0%で最も多く、次いで、「家族の健康や介護」が71.5%となっている。
(4) 定年退職前にもっと知っておけば良かったと思うことは、「年金、保険に関する情報」が54.2%で最も多く、次いで「資産運用に関する情報」が35.0%、「税金、相続に関する情報」が29.7%、「定年退職後の生活の心構え」が23.6%となっており、前回調査と同じ傾向となっている。
以 上

    
問合せ先
給与局生涯設計課長 奈良間 貴洋
生涯設計課特別研修研究員 関戸 大悟
電話 (03)3581-3996(直通)
(03)3581-5311(内線2224)