人事院総裁談話

令和2年10月7日 人事院勧告・報告 総裁談話

1 本日、人事院は、国会及び内閣に対し、国家公務員の特別給(ボーナス)の改定を勧告しました。


2 本年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を考慮し、勧告の基礎となる民間給与の実態調査を、例年より時期を遅らせた上で、2回に分けて実施することとしました。ボーナス等に関する調査については、6月29日から実地によらない方法により先行して実施し、実地が基本となる月例給に関する調査については、感染予防対策を徹底した上で、8月17日から実施することとしました。企業活動が全国的に大きな影響を受けている中での調査となりましたが、ボーナス等に関する調査の完了率は非常に高いものとなりました。調査に対して御理解と御協力をいただいた民間事業所の皆様に対し、心から御礼申し上げます。


3 今回の勧告では、ボーナスについて、民間事業所における昨年8月から本年7月までの直近1年間の支給割合が、国家公務員の支給月数を下回ったことから、年間4.45月分に引き下げることとしました。月例給については、調査結果に基づき改めて必要な報告及び勧告を行うこととしております。


4 近時、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や大規模な自然災害などの危機的な事態が次々と発生する中、全国各地で公務員が国民の安全・安心を確保するため日々全力で職務にまい進しています。厳しい勤務環境の下、困難な業務であっても誇りを持って真摯に取り組んでいる公務員各位に対し、心からの敬意を表するとともに、引き続き、職務に精励いただくようお願いいたします。


5 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、在宅勤務などの新たな働き方が模索されてきています。このような課題も踏まえて人事管理に関する取組を進めることは、感染拡大の防止にとどまらず、効率的な行政運営につながるとともに、個々の職員が置かれている事情に応じた働き方ができる勤務環境の整備にも資するものです。

人事院としては、有為の人材の確保・育成、勤務環境の整備、能力・実績に基づく人事管理の推進等の諸施策について、これまで進めてきた取組に加えて、社会経済情勢の変化等により顕在化した新たな課題をも踏まえた取組を進めてまいります。


6 人事院勧告制度は、労働基本権制約の代償措置として、情勢適応の原則に基づき国家公務員の適正な処遇を確保しようとするものです。

 勧告を通じて、職務に精励している職員に適正な給与その他の勤務条件を確保することは、職員の努力や実績に報いるとともに、人材確保にも資するものであり、組織活力の向上、労使関係の安定等を通じて、行政の効率的、安定的な運営に寄与するものです。

 国会及び内閣におかれては、人事院勧告制度の意義や役割に深い理解を示され、勧告どおり実施されるよう要請いたします。

 国民各位におかれては、行政各部において多くの公務員がそれぞれの職務を通じ国民生活を支えていることについて、深い御理解を賜りたいと存じます。
 

 
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